真玉橋の人柱
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琉球時代、木で造られた真玉橋は大雨のたびに洪水で流されてしまうため、
丈夫な石で造り替えることになった。
工事のために大勢の人をかりだしたにもかかわらず、
大雨になるとせっかく造った橋脚が流されてしまい、
工事は進まず、役人たちは困り果てていました。
~続き~
そんな時ひとりの神女が現れ、
「この橋を完成させるためには、子(ね)年生まれで、
七色の元結をした女を人柱として立てよ」と神のお告げがあったと言いました。
「なんと人柱とな」、びっくりした役人たちでしたが、
神女の言うことにはさからえないため、あらゆる手段を使って探させました。
けれども、子年生まれで七色の元結をした女は、なかなかみつかりません。
そんなある日のこと、あの神女も子年生まれであることが、役人の耳に入りました。
そこで、役人たちが神女の家を訪ねてみると、
なんと神女の元結が七色に輝いているではありませんか。
思わぬ役人の訪れにあわてふためいた神女は、
「これは、誰かが私をおとしいれるためのしわざです」と泣きながら訴えましたが、
役人たちは耳を貸しませんでした。
あくる日、神女は、自分が口に出した神のお告げどおり、
人柱として生き埋めにされることになりました。
大勢の人々がその様子を見守る中で、なげき悲しんでいるひとり娘に向かい、
神女は大声でこう叫びました。
「娘よ、どんなことがあっても人より先に口をきいてはいけない」。
泣きながら母の最後の言葉を聞いた娘はそれ以来、口をきかなくなったのです。
その後村人たちは、
「物ゆみ者や馬ぬさちとゆん」
(おしゃべり者は、馬の先を歩いて災いをまねく)。
と言って、お互いに戒めあったということです。
※七色ムーティーの言い伝えは、本土の「長良川の人柱」という芝居をもとに、
平良良勝が「真玉橋由来記」として書き直し、昭和10年頃上演されたのが始まりともいわれています。
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