沖縄県内でレタスやキャベツなど葉野菜の価格が前年比で約２倍になるなど高騰している。北海道など産地への台風上陸や本州付近に秋雨前線が停滞したことで日照が不足し、生育遅れが品薄につながっている。影響は１１月下旬まで続く見込み。

小売店は半玉売りなど少量販売で価格を抑えるが、安価なカット野菜に手を伸ばす消費者も増えている。タコライスやサンドイッチを提供する飲食店はレタスの量を減らす自衛策に出た。（政経部・又吉嘉例）　２５日、那覇市内のスーパー。レタス一玉に４９８円の値が付いていた。別のスーパーでは４００円超。

買い物をしていた同市の主婦、山城苗子さん（７７）は価格に目をやり、「最近高いので、食べるのを我慢している」と嘆いた。

　県中央卸売市場で今月２２日に取引されたレタスとキャベツの１キロ当たり価格（速報値）は、前年の同日に比べ、いずれも高値を付けた。

　レタスが４７８円で約１・８倍。キャベツは３３３円で約１・９倍となり、ホウレンソウは１６２０円で約１・８倍となった。台風被害で生産量が減った道産ニンジンも１キロ３５４円で、前年比約２・４倍と高値の傾向が続く。

　リウボウストアやイオン琉球はレタスやキャベツを半玉、４分の１にカットして販売している。さらにリウボウストアによると、カット野菜の売れ行きが好調だという。

　天久りうぼうでは今月のカット野菜の売り上げが、９月比で１割増、８月比で３割増となった。各１００〜３００円台。担当者は「葉野菜が高値になってから、よく出るようになった」と説明した。

　キングタコス金武本店は今月、高騰を理由にタコスやタコライスのレタスの使用量を減らした。店にはり紙を掲げ、理解を求めた。仕入れ値が約２倍、仕入れたレタス一箱の重量も軽くなったという。

　店員は「レタスが入っていないとタコス、タコライスじゃない、とたっぷり使ってきたが、店にとっては２倍以上の高騰。消費税増税時も変えなかった価格を上げるのは、お客さんに申し訳ない」。苦渋の選択として、初の「減量」に踏み切った。

　サンドイッチ販売のサブウェイも県内外の店舗で、レタスにキャベツを混ぜて提供している。品不足を理由に、消費者の理解を求めている。