作品解説
前述のとおり、本作はアニメで制作されるのが主である「ガンダムシリーズ」の中では珍しい、
コンピュータグラフィックスと実写を組み合わせた形態の作品である。制作費用はプロモーショントレーラー版までに2億、テレビ放映版までに8億、合わせて10億という破格の費用がかけられている。しかしこれはアメリカのテレビドラマのスペシャル番組としては普通の金額であり、映画としては安い部類に入る。
U.C.223年という
宇宙世紀作品の中でも最も未来を描いた本作であるが、当初は年号がS.C.(スペースセンチュリー)と表記されていて、宇宙世紀という呼称は同じでも別の世界であるとの設定もあった。現在では宇宙世紀の物語とされている。
物語の背景設定
スペースコロニー社会の変化
宇宙世紀0100年代にて、腐敗と堕落を繰り返してきた
地球連邦は
宇宙戦国時代を経て形骸化の極みに達していた。宇宙世紀初頭とは比べ物にならないほど多くのスペースコロニーに対し、弱体化した連邦政府の力ではかつてのような統制を執ることは不可能となっていた。
宇宙世紀0217年、連邦政府は度重なる紛争を鎮圧するため、ついにコロニーの武力制圧という強行策を開始する。その動きにコロニー側は激しく反発し、全面戦争となる。宇宙世紀0218年時点で統治機構としての連邦政府は事実上崩壊し、これを機にコロニー(
植民地)という名称が
セツルメントと改められる。連邦政府とコロニー側は宇宙世紀0222年に和解するが、これによって連邦政府の権威は完全に失墜、コロニーの独立を認めざるを得なくなる。
そして、セツルメント国家議会は旧連邦政府の軍事力をそのままセツルメント国家議会軍(CONSENT)として再編し、更なる勢力拡大を志向する。こうした情勢を受け、新たな勢力たる秘密結社「イルミナーティ」が地球圏の秩序を守るための調停に動き出す。
地球連邦崩壊
宇宙世紀0100年代初頭から既に地球連邦衰退の兆候は現れていたが、
宇宙戦国時代を経てその権威の失墜は確実なものとなっていた。宇宙世紀0218年、地球圏を2世紀以上の間支配してきた地球連邦は崩壊し、宇宙世紀はセツルメント国家議会とセツルメント自由同盟の対立という新たな局面へと移った。
ガイアの光事件
本作で発生した武力紛争は、戦場となったサイド・ガイアの名称と、紛争の原因となった生物発光体に由来し、「ガイアの光事件」と呼称される(設定のみ、劇中には登場しない)。
ストーリー
深海農業研究施設付近において、モビルスーツ11号に搭乗して作物の収穫中だったマーク・カランは、突然落下してきた
モビルスーツ・ブグのパイロット、ティム・ハロウェイ中尉を救出するが、同時に落下してきたもう一つの物体が議会軍の反乱分子である可能性から施設は議会軍の管理下に置かれる。侵入者を発見したマークだが同時に居合わせた議会軍の指揮官、ジャック・ヘイルが発砲し、侵入者2人のうち1人を殺してしまう。
次の日、議会軍主催のパーティーに出席していたマークは、会場に居合わせたガーノー総督の依頼でパーティーを抜け出し、面会と事件の解明のため、侵入者が収容されている施設へ向かう。そこで侵入者シンシア・グレーブス博士と、地球圏に迫っている食糧問題を解決する鍵となる、熱源を持つ生物発光体のサンプルを手に入れるが、再度ジャックが現れ、その場から逃走する羽目になる。その後合流したシンシアの仲間とマークの婚約者ミミの一行はシャトルを奪い、サイド4(ニューマンハッタン)へ向かう。
更にサイド・ガイアへと逃れたマーク達は、生物発光体のサンプルを狙うセツルメント国家議会軍の襲撃を受ける。マークは新型モビルスーツ「
Gセイバー」を駆り、味方の増援にも助けられてこれを退ける。
製作会社
-
サンライズ(Sunrise Inc.)
- ポールスター・テレヴィジョン(Polestar Television)
スタッフ
- 監督:グレーム・キャンベル(Graeme Campbell)
- エグゼクティブプロデューサー(製作総指揮):吉井孝幸、植田益朗、アンソニー・スカラ(Anthony Scala)、フィリップ・デイヴィッド・セガール(Philip David Segal)
- プロデューサー:井上幸一、ミミ・メイナード(Mimi Maynard)、カタリーナ・コンティ(Catharina Conti)、クリス・ダブス(Chris Dobbs)
- 副プロデューサー:バディー・マリーニ(Buddy Marini)
- ストーリー:ステファニー・ペナ=シー(Stephanie Pena-Sy)
- 脚本:マーク・アマート(Mark Amato)、ステファニー・ペナ=シー
- 撮影監督:ジョエル・J・ランサム(Joel J. Ransom)
- 音楽:ジョン・デブニー(John Debney)、ルイス・フェブレ(Louis Febre)
- キャスティング:スーザン・テイラー・ブラウス(Susan Taylor Brouse)、リン・キャロウ(Lynne Carrow)
- 衣装デザイン:アントニア・バードン(Antonia Bardon)
- プロダクションマネージャー:ジェフリー・バーク(Jeffrey Berk)
- 第1助監督:ボブ・クリッペン(Bob Crippen)
- 第3助監督:デブラ・ハースト(Debra Herst)
- コンセプトデザイナー:池田繁美、ケヴィン・イシオカ(Kevin Ishioka)、大河原邦男
- モビルスーツ・コックピットデザイナー:デイヴィッド・J・ストーラリー(David J. Stollery)
- プロパティーマスター:ダン・シソンズ(Dan Sissons)
- アシスタント・プロパティーマスター:コリン・マシューズ(Colin Matthews)
キャスト
(※登場人物名:俳優/特別版吹替声優/テレビ放送&DVD版吹替声優」で記載)
大西洋深海農業研究所(リグ)
- マーク・カラン:ブレナン・エリオット([[
- en
- 本作の主人公。元セツルメント国家議会軍のモビルスーツパイロットで、軍での最終階級は大尉。南欧系白人男性。軍ではエースとして名高かったが、演習中に発生した事故をきっかけに上官であったジャック・ヘイルと対立、軍を退役した。その後、深海農業研究施設において食糧問題解決のための研究を行っていた。
サイド・ガイア
- シンシア・グレーブス:エヌーカ・ヴァネッサ・オークマ([[
- en
- サイド・ガイア生物工学主任を務める助教授。グレーブス委員長の娘で黒人女性。マークと徐々に心を通わせていく。
- グレーブス委員長:ブル・マンクマ([[
- en
- サイド・ガイアの代表、ガイア議会の委員長。黒人男性。
- フランツ・ディーター:アルフォンソ・キーハダ([[
- en
- サイド・ガイア生物研究所の研修生。若い中東系男性。
- クーヴィー(国内盤DVDパッケージ表記はコゥビィ)……ターイラ・マーケル([[
- en
- サイド・ガイア生物研究所の研究員で、シンシアの助手。若い東洋系女性。
イルミナーティ
- フィリッペ・サン・シモン:フロスガー・マシューズ([[
- en
- 地球圏の平和の番人たる秘密結社イルミナーティの重要人物。白人男性。元セツルメント国家議会軍の軍人で、マークの親友であったが、戦死したことになっていた。サイド4のセツルメント、ニューマンハッタンにてマークと再会し、彼に劇場に隠していた最新鋭MS、Gセイバーを見せ、マークの腕を見込んでこれに乗るよう言った。そのマークが拒絶したのを見て、マークがいまだソウヤーの件から立ち直っていないことを見抜く。
- コンピューターの声:?/?/山口隆行
セツルメント国家議会軍
- ジャック・ヘイル中佐:デイヴィッド・ラヴグレン([[
- en
- セツルメント国家議会軍中佐。北欧系白人男性。目的のためには手段を選ばず、冷酷な行動も平気で取る。かつてはマークの上官だったが、マークが10億ドルのモビルスーツに搭乗しての訓練飛行中に、僚機のパイロット、ソウヤーが機体のコントロールを失って墜落する際、マークに高価な機体の保護を理由に見捨てるよう命令を下した。
- ミミ・デビア:カタリーナ・コンティ([[
- en
- セツルメント国家議会軍情報部に所属する白人女性。マークの恋人。議会軍の戦略立案員のポストを狙っており、マークに口添えを頼んだり、パーティー会場でのマークの反抗的態度をいさめる。ガーノー総督を信頼していたが、彼が生物発光体サンプルを活かす気が全くないことを知り、その考えを大きく変える。
- ガーノー総督:ケネス・ウェルシュ([[
- en
- セツルメント国家議会軍総督。白人男性。サイド・ガイアを占領して地球の食糧危機をコントロールし、独裁者になろうとする。
- ティム・ハロウェイ中尉:ピーター・ウィリアムズ([[
- en
- セツルメント国家議会軍中尉。黒人男性。ガイアのテロリスト(シンシア達)を追撃する任務の際、誤って大気圏に突入してしまい大西洋に着水。そのまま海中に没するがマークに救出される。
- ソウヤー:?/?/石野竜三
- かつてマークの同僚であった国家議会軍のモビルスーツパイロット。訓練飛行中の事故により、命令に背いて独断で急行したマークの努力も実らず、死亡。結果としてマークは辞表を提出し、軍を除隊した。
- シモンズ:ブレンダン・ベイサー([[
- en
- ダガット:マーロウ・ドーン([[
- en
- フェーガン:?/?/熊谷ニーナ
- パイロット:サム・ヴィンセント([[
- en
- 警備兵1:ロナルド・セルモア([[
- en
- 議会軍に捕らえられたシンシアの監禁場所の受付カウンターにいた兵士。マークとは旧知の仲で、書面なしにシンシアに面会に来たマークに対し、内緒で便宜を図る。
- ウィングマン1:ジェイムズ・セバスチャン・ハットソン([[
- en
- ガーノーの護衛2:ジョン・マコナック([[
- en
その他
- ホーク大統領:フレッド・ヘンダーソン([[
- en
- ステファニー・ホウィットマン:ナームア・デラニー([[
- en
- バーテンダー:クリストファー・シャイヤー([[
- en
- ウェイトレス:?/?/丹羽紫保里
- ニュースキャスター2:エド・ワトソン([[
- en
- リポーター・スチュワート:リー・ジェイ・バンベリー([[
- en
- リポーター・ファーガン:ロリーナ・ゲイル([[
- en
- 技術者1:シェイン・ワイラー([[
- en
- 使節1:ターシャ・シムズ([[
- en
- 使節2:デイヴィッド・パルフィー([[
- en
- ナレーター:?/緒形拳/内海賢二
音楽関係
アーティスト
また、日本放映版のエンディング主題歌として、Emilyというグループの“Orb”という日本語の歌が作られ、同じくサウンドトラックCDにも収録されている。作詞・作曲は川口進、編曲は
十川知司。
オリジナル・サウンドトラック盤CD
2001年
2月7日に、
ビクターエンタテインメント株式会社より、全18曲(74分42秒)収録のサウンドトラックCD(品番:VICL-60679、バーコード:4988002412020、税込定価3,045円)が発売された。
CDショップ店頭では、「ドラマ」や「洋画」、「特撮」の棚よりも、「アニメ」の棚や「ガンダム」のコーナーに紛れて置かれていることが多い。
曲目
- G セイバーのテーマ
- メインテーマ
- 救出
- 侵入者
- 生物発光
- 逃走
- 脱出
- イルミナーティ
- G セイバー
- 心の傷
- ロマンス
- 誤射
- MSバトル
- G セイバー 発進
- 独立宣言
- 地球へ
- 新たなる歴史
- Orb
映像ソフト
DVDソフト
バンダイビジュアル株式会社より、本編が日本でのTV放映時より20分長い93分の『Gセイバー フルバージョン』というDVDソフトが発売されている(品番:BCBF-0807、バーコード:4934569608079、税抜定価6,000円、字幕スーパー版と、TV放映時の吹替版を収録、画面は横4:縦3のスタンダードサイズ)
VHSビデオソフト
字幕スーパー版と日本語吹替版が各々発売されている。
関連作品
小説
コンテンツ
上巻
- 『侵入者』
- 『めれぎめ』
- 『脱出』
- 『起動』
下巻
- 『花園』
- 『流露の向にう』
- 『MW』(モビル・ウェポン)
- 『守護神』(セイバー)
- 『新しい庭』
ラジオドラマ
テレビ放映前に一部FMラジオ局で放送された本作のサイドストーリー的なラジオドラマが全3枚のCDとして発売されている。
- 「G-SAVIOUR」サウンドシネマ 第1話“イカロスの赤い翼”2000年12月22日発売 ASIN B00005HRDK
- 「G-SAVIOUR」サウンドシネマ 第2話“ビフォー・ザ・ミッション”2001年1月15日発売 ASIN B00005HSII
- 「G-SAVIOUR」サウンドシネマ 第3話“深海のプロメテウス”2001年2月23日発売 ASIN B00005HUEY
ゲーム
ストーリー
宇宙世紀0223年冬。主人公マークたちと敵対するセツルメント国家議会軍の重鎮ガーノ提督の腹心であるバイス准将は、地球圏の軍事政権獲得の為の計画「プロジェクトレイブン」を進めていた。
これに対して「イルミナーティ」は、ライトニング部隊にプロジェクトレイブンの阻止を命令する。ライトニング部隊指令「ベン」・ナビゲーター「アサカ」の指示の元、今作の主人公「リード・フォックス」は、かつてマークが操っていたG-SAVIOURに乗り込み、戦いを繰り広げる。
登場人物
イルミナーティ
======ライトニング部隊======
- リード・フォックス
- アサカ・フィールド
- ベン・ボルト
セツルメント国家議会軍
- バイス・バッシング准将
- クラウス・バーロード
- カイト・ゴールドマン
- ウィン・カーチス
======グレムリーシープ======
- ライシス中佐
- 本名はレイス・パトリック。
- リチャード・ライト少佐
- グレムリーシープ副隊長。
チャプター
- G 始動
- Gの天敵
- Gの鼓動
- Gの咆哮
- 疾風のG
- G 降臨
- G 再び
- 決戦のG
関連項目
備考
参考文献
-
角川書店 ニュータイプ100%コレクション 42『G-SAVIOUR Full Weapon』(2001年発行) ISBN 4-04-853338-X
G-SAVIOUR
*しいせいはあ