概要
発想は、「新聞小説があるようにテレビ小説もあってよいだろう」とのことで、1回の放送は短いが、続けて見ていくと
大河ドラマのような物語がある構成になっている。
原点となったのは、
1958年4月から
1963年3月に、平日の毎夕19:15 - 19:30に放送していた帯ドラマ『
バス通り裏』である。これはバス通り裏の細い路地にある美容院と高校教師の家庭を舞台にした生放送のホームドラマで、この番組に出演した
十朱幸代や
岩下志麻、
米倉斉加年、
常田富士男らが、後に俳優?女優として大成するきっかけを作り、朝ドラの雛形になったとされている。
制作体制は、
1974年度までは1年で1シリーズが制作されてきたが、1975年度からは半年で1シリーズ(1年に2シリーズ)が制作されるようになった。シリーズ毎に東京制作、大阪制作が交替し、現在は上半期東京制作、下半期大阪制作となっている。原則として上半期は4月、下半期は10月の第1月曜日から放送開始しそれぞれ26週間(まれに27週)放送される(最近は上半期が3月末〜4月初旬、下半期が9月末〜10月初旬の月曜日から放送開始するようになった)。
視聴者層は、放送時間を鑑みて、
主婦や
高齢者、余裕のある
自営業者などで、長期休暇中の学生や家を出るのが遅い職業人も視聴可能とされる。正午台の再放送では、昼休みの休憩時間にあたる視聴者も多いと推察される。現在では
録画機器の一般化により、すべての視聴者を取り込むことが可能となっている。
ドラマの題材
概要
かつては、「逆境に負けずに逞しく生きていく女性」を描く
ドラマが題材として主流であった。特に、戦前から戦後の動乱期を生き抜いた女性の半生モノが、朝ドラの王道とされた。しかしながら、その傾向は時代と共に変化している(#最近の傾向)。
帯ドラマ(特に
昼ドラマ)で見られるような愛憎劇などの要素は少なく、サクセスストーリー、ホームドラマの要素が強い。
2000年以降になると現代、または近過去を舞台として描いたドラマが主流になっている。
舞台
東京制作シリーズでは東京および北海道・東北・信越・四国、大阪制作シリーズでは関西および九州(沖縄を除く)が多い。近年は、
東京(東京制作シリーズ)か
京阪神(大阪制作シリーズ)の1つの都市と
地方の2つの舞台で主人公の人生が営まれる筋書きが多い。2006年度上半期のドラマ「
純情きらり」で、初めて
三大都市圏の残りの1つである
愛知県(岡崎市)を舞台にしたドラマが制作された。
80作目の「
つばさ」の舞台は埼玉県が予定されており、これで全ての都道府県が一度は舞台となる予定である。
まったくの偶然であるが、最近の作品と関連の深い事柄(ロケ地や題材)が、大きな事故や自然
災害に見舞われることがある。「
君の名は」のロケ予定地だった
雲仙普賢岳が
噴火による大
災害に見舞われたり、「
まんてん」のストーリーの中で
宇宙飛行士になったヒロインが
スペースシャトルに乗って宇宙へ行くというシーンが放送される直前に、
コロンビア号が
大気圏再突入時に炎上、墜落するという大事故が
米国で発生したり、「
こころ」放映終了から1年経過した2004年10月、
新潟県中越地震が発生し、このドラマの重要なロケ地であった
新潟県長岡市(旧
山古志村)でも大きな被害を受け全村民を村外へ避難させたりした。2008年8月には愛知県岡崎市で豪雨が発生し、「純情きらり」のロケ地であった伊賀川が氾濫している。
NHKの看板番組の一つであり、その
舞台としての撮影地にしばしば多くの観光客が訪れたり、
原作の
書籍や関連商品(料理など)や出演者が売れたりするなどの社会的影響を及ぼす事がある。このため、経済効果、地域振興を狙って朝ドラの誘致を行う自治体が少なくないとされる。
ヒロイン
おはなはん以来、ヒロインは
オーディションによって選ばれてきた。朝ドラのヒロインに選ばれることは新人女優の有力なスターへの
登竜門となっている。もっとも大半はある程度子役や劇団、映画やドラマなどでの経験を持っており、全くの演技初心者としてオーディションを勝ち抜いたのは、90年代以降では
田中美里、
小西美帆、
藤澤恵麻の3人のみである。過去に主演した女優の多くは、程度の差はあれ知名度が上がり活躍の場を広げている。これはNHKの番組が全国にあまねく同時放送されており、幅広い人気を集めやすい事も寄与している。撮影は連日・長期にわたる厳しいものであり、地方出身の設定である事が多いため方言を会得しなければならない場合も多いが、主演女優にとって引き替えに得られるものは大きい。
ただし、余りにも朝ドラのヒロインは清純、清潔、爽快な印象が強くなり過ぎるため、かえって女優としての後の活動範囲や役柄が狭められるという難点もあり
紺野美沙子や
星野知子等も自著やインタビューの中で役柄と自らの間のギャップに悩んだり、その後の女優活動にも少なからず影響を及ぼしたと述べていた。
また、オーディションでヒロインの最終選考で次点だった女優はヒロインの友人役や姉妹役を配されることが多い。例として、「甘辛しゃん」の
小沢真珠、「てるてる家族」の
上野樹里、「ちりとてちん」の
宮嶋麻衣は番組情報誌やNHKの別の番組で次点であったことが伝えられている。
収録開始時に、前期のヒロインが陣中見舞いし、お互いにゆかりのものを交換する、というバトンタッチセレモニーが行われることもほぼ恒例となっている。
放送時間
各作品の1話あたりの放送時間は15分である(第1作「娘と私」のみ20分)。通常、年末年始(12月29日から1月3日)は放送を休止する。そのため、週の途中で放送が終了するケースがあり、近年ではその年の放送最終日(通常は12月28日)を総集編的な内容(主人公の回想など)とし、翌年の放送初日(通常は1月4日)を作品世界における正月とする傾向がある。年度によって曜日配列上12月28日が月曜日にあたるか、1月4日が土曜日にあたる場合はその週の放送がなく、次週の月曜から再開するケースもある。
本放送
- 総合・デジタル総合、NHKワールドプレミアム 月-土 8:15 - 8:30
- BShi 月 - 土 7:30 - 7:45
- BS2 月 - 土 7:45 - 8:00
- : 後述するが、2008年3月31日からNHKニュースおはよう日本の7時台の全国パートが7:45までに拡大(土曜・祝日は従来どおりの時刻で終了)されるため、BShiとBS2の放送日時が入れ替わる。
-
テレビジャパン(アメリカ合衆国、カナダ、プエルトリコ)日 - 金 21:45 - 22:00(東海岸)・18:45 - 19:00(西海岸)・16:45 - 17:00(ハワイ、アメリカ本土が夏時間の間は15:45 - 16:00)
- NGN(Nippon Golden Network、ハワイのケーブルテレビ日本語チャンネル)月 - 土 20:15 - 20:35(約3ヶ月遅れ、英語字幕付。放送前後にCMが入るため全体の放送時間は20分)
- 総合・デジタル総合、NHKワールドプレミアム 月 - 土 12:45 - 13:00
- NHKワールドプレミアムはそのほか火〜日曜日の1:45 - 2:00にも再放送を行っている。
- BS2 月 - 土 19:30 - 19:45(2007年1月8日から)、土 9:30 - 11:00(1週間分をまとめて放送)
- テレビジャパン 月-土 10:10-10:25(東海岸)・7:10-7:25(西海岸)・5:10-5:25(ハワイ、アメリカ本土が夏時間の間は4:10-4:25)
1994・1995年度にはBS2で23時台を基調とした夜間の再放送を行っていたが、開始時間が不安定だったため、1996年度からは土曜日午前中に1週間分をまとめて再放送する形になった。
アンコール放送
1993 年4月から2008年3月まで、衛星第2テレビで、過去に放送された作品を再放送していた。朝7:30からの 連続テレビ小説の先行放送のすぐあとに放送された。ただし、1993年4月期の「おはなはん」のみ朝8:30から放送された。
NHKワールド・プレミアムでも同様の作品を放送している。また、2004年度には、19時台帯に朝とは別の作品をアンコール放送していた。
2008年から
NHKニュースおはよう日本の 7時台全国パートが7:45まで拡大され、それに伴い本放送作品の衛星放送での初回放送日時の入れ替えがあったため、終了時刻の変更がない土曜(7:30 まで)、祝日(7:25まで)を含めアンコールの放送は終了となった。BS2の土曜7:30は実質的な後継番組として「
とっておき世界遺産100」を放送している。
放送休止事例
地震や事故など大きなニュースが入った場合でも、時間変更がある程度で放送(特に初回放送)が休止になる事例はまれである。放送休止となった場合は基本的にはよく放送日に2本分をまとめて放送する。放送が休止された主な事例は以下のとおり。
放送休止による事例ではないが、2002年9月20日放送予定だった「さくら」の総合テレビ・朝の初回放送で、担当者の確認ミスによって翌21日放送分が誤って放送される放送事故が発生したため、21日朝に2日分まとめて放送された。担当者は処分を受けた。
朝ドラを見ている視聴者の数
朝ドラは、かつてはNHK総合による本放送、再放送だけであったが、現在ではこの他に、衛星放送・ハイビジョンによる再放送・時差放送が行われる。そして、この内の少なくとも一つの放送をリアルタイム、または録画して見ている人を調べる手段はない。現在において利用できる指標は、NHK総合の本放送を自宅で視聴してる人の割合であるいわゆる『視聴率』(
ビデオリサーチの調査)しかないので以下は、『視聴率』に基づいて記述する。
視聴率
朝ドラが1964年に開始された後しばらくは平均視聴率が40%以上を記録する作品はめずらしくなく、朝ドラはNHKの看板番組であった。しかし、その後は低下傾向が続き、「
はね駒」(1986年上半期)が41.7%を記録した後は、再び40%以上を記録することはなくなる。なお、最高平均視聴率は「
おしん」(1983年)が記録した52.6%である。
最後に30%以上を記録した作品は「
かりん」(1993年下半期)の31.4%であり、最後に25%以上を記録した作品は「
すずらん」(1999年上半期)が最後である。2004年以降、平均視聴率が20%を超えた作品はない。
2008年上半期までで最も平均視聴率が低い作品は、関東地区、関西地区とも2008年秋に放送が終了した「
瞳」である(関東15.2%、関西14.8%)。それまでは関東地区では2007年下半期に放送された「
ちりとてちん」(15.9%、関西では17.0%)、関西地区では2004年上半期に放送された「
天花」であった(15.1%、関東では16.2%でワースト3)であった。なお、2008年時点において視聴率のワースト2(関東)を記録している「ちりとてちん」については、DVDの売り上げについては史上最高を記録している(NHKエンタープライズ発表、2008年6月10日)。
NHKの本放送の『視聴率』が下がってきている理由には、衛星放送での先行放送、リアルタイムで自宅でテレビを視聴することが可能な人の割合の減少、かつて8:30開始が主流だった
民放の朝の
ワイドショー番組の開始時間の繰り上げなどが挙げられている。
視聴率の低落傾向を打開する意図もあってか、2006年度分の主役
オーディションの中断に加え、現代ものから昭和年代記への回帰が断行されたが、2007年春の「
どんど晴れ」からはオーディションを再開している。この間の視聴率はいずれも10%台の後半を前後しており、オーディションの実施・非実施による相関関係は見られない。
番組の構成
- オープニングには、その題名の前に必ず「連続テレビ小説」のタイトルが入る。
- 番組開始時に画面右上に表示される「字幕放送」「解説放送(副音声)」テロップについて、一時期月曜日のみの表示となり、火 - 土曜日にはそのテロップが表示されなかった時期もあったが、現在は全ての曜日に表示されている。
- 出演者の役柄等のクレジットは毎日番組冒頭で行われているが、スタッフのそれについては毎週月曜日の放送のみに出している。そのため、月曜日放送のテーマ音楽は少し長めに放送されている(ストーリー展開上時間が余る場合には他の曜日にもロング版のテーマ音楽が流れる場合もある)。
- 2002年の「さくら」以後は、エンディング5秒にドラマに関連した写真等のミニコーナーが設けられている。
- 1996年上半期放送の「ひまわり」以後は、週タイトル(ひまわりの時は2週で1タイトル。それ以後は1週1タイトル)が付けられるようになった(すずらん、てるてる家族など一部の作品を除く)。これを導入したことで、毎週土曜日の放送では次週の予告編が末尾1分程度放映されている。作品によっては出演者のナレーションが入る場合もある。
-
予告編のナレーションが入った作品
映像比率
「さくら」からハイビジョン収録されている。また、2004年度からはアナログ放送、NHKワール ドプレミアムの放送では映像比率を13:9、2005年度からは14:9のサイズにて放送されている。BS2のデジタル放送については「純情きらり」まで 初回放送はアナログ放送と同じ13:9→14:9(画角情報は4:3)、再放送は16:9で放送されていたが、2006年10月の「芋たこなんきん」から は初回放送についても16:9で放送されている。BS2のアンコール作品の放送でもハイビジョン収録の場合、デジタルは16:9、アナログ放送、NHK ワールドプレミアムでは14:9で放送される。
なお、総合テレビはアナログは14:9
レターボックス、デジタルは16:9フルサイズとなっている。
副音声解説
- 音声解説
- 1990年度から2001年度:関根信昭(初代)
- 2002年度から2006年度:江原正士(2代目)
- 2007年度から:松田佑貴(3代目)
歴代連続テレビ小説
その他
作品の現存状況
「マー姉ちゃん」より前に制作された作品は、「雲のじゅうたん」を除き、NHKには全話現存しないとされる。1980年頃まで使用されていた放送局用
ビデオテープ(
2インチVTR)は非常に高価で大型であり、収録された映像は放送終了後に消去されて他の番組に使い回されていたためである。現代の感覚では多額の制作費をかけた映像作品を消去することは重大な資産の損失であると考えられるが、当時の感覚は逆で、非常に高価で保管にも費用のかかるビデオテープを再利用しない方が損失であると考えられていた。当時のNHKでは本放送終了後にテレビドラマの
再放送がほとんど行われず、ビデオの販売などは思慮の外だった。1話も現存しない作品も存在する。詳しくは個別の作品を参照。
民放との関係
古くから民放各局は、その出演者(特に主役)の起用や、連続テレビ小説に似たドラマ(帯ドラマの他、週1回放送の夜間のドラマもあった)の放映に力を入れるなど、軽視はしていなかったが、民放を通じた連続テレビ小説関係の芸能情報報道や、連続テレビ小説放映時間帯(朝のほう)の開拓はそれほど行ってこなかった。
これらの番組を幼い子供が見るためにその親や祖父母が朝の連続テレビ小説を見られなかったり、逆に親や祖父母が連続テレビ小説のファン(あるいはNHKのファンか、親の立場が強い家庭)であるがゆえにこれらの番組を見られない子供がいるなどであった。
しかし、近年では朝・昼のワイドショー枠で連続テレビ小説関係の芸能情報報道(主演女優)などを報じることも増え、また上述のように放送が重なる時間帯といえども力を入れるようになった。
また、近年、以前連続テレビ小説で使われていた音楽を民放の娯楽番組で再利用することが増加している。
関連番組
総集編は1976年度上半期の「雲のじゅうたん」、1983年度放送の「おしん」で制作されていて、1996年度下半期の「ふたりっ子」以降は、一部を除いて基本的に総集編を制作されている。以前は総合テレビ、衛星第2テレビとも年度下半期の作品は夏休み(8月)に、上半期のものは年末(12月)に放送していたが、現在では総合テレビで年末に一括して放送されることが常である。基本的には1回45分を4〜5回に分けるが、「ちゅらさん」(2001年度上半期)、「どんど晴れ」(2007年度上半期)は75分×3回に分けた。
下半期の作品では年末年始に、上半期の作品では
ゴールデンウィークや夏休み期間などに特別編を放送する場合が多い。
「ちゅらさん」で続編が制作されたほか、舞台化(「さくら」、「わかば」など)、映画化(「すずらん」)されて再登場する場合がある。また、特別編(「純情きらりスペシャル・桜子と達彦愛の軌跡」「風のハルカ・春の感謝祭スペシャル」など)が放送される場合もある。
番組宣伝について
関連項目
脚注
外部リンク
*
*連続テレビ小説
れんそくてれひしようせつ