人物
名前は「出来るだけ偉そうにしよう」と決定した
ペンネームであり、
公家・
徳大寺家との実際の関係はない。「間違いだらけのクルマ選び」を創刊する前は本名の
杉江 博愛(すぎえ ひろよし)として活動していた。
「
NAVI」(
二玄社)や「
ベストカー」(三推社)、「ENGINE」(
新潮社)などの自動車専門誌や「MEN'S EX」(世界文化社)などの男性ファッション誌、
テレビ、
新聞、各種講演などを中心に幅広いジャンルで活躍する。
カーグラフィック(二玄社)創刊編集長の
小林彰太郎や、「教授」の異名を取る
岡崎宏司などともに日本を代表する自動車評論家の一人である。なお、かつては
日本カー・オブ・ザ・イヤー(COTY)の選考委員を務めていたが、COTYの運営方針やメーカーの接待攻勢等に疑問を持つようになり、1990年代前半に辞めている。
徳大寺有恒は自動車雑誌など読むことのない層にも「自動車評論家の徳大寺さん」として名前が浸透しており、評論活動のみならず
テレビの
バラエティー番組にも出演し道化的役回りになることも厭わない
タレント性も持ち合わせ、他に類のない個性を放っている。自動車評論についても豊富な知識と情報量、経験に裏打ちされた毒舌かつユニークな解説を展開していた。
日本を代表するクルマの第一人者的評論家として高い評価と知名度を誇る反面、主張に一貫性がなく、過去の評論と大きく食い違うという指摘がある。しかし、時流や環境の変化に合わせて評価が変わるのは、自然だという意見もある。前言撤回の多さ故、批判的な意見も少なくない。
他の
評論家と比べると、車の乗り方から、男の生き方、
経済批評まで間口を広げ、文章に奥行きを加えているところも特徴である。
外国語の日本語表記に独特なセンスをもっておりメルセデスを「メルツェデス」、ジャガーを「ジャグァー」、ツインカムを「ツウィンカム」などと表記する。
来歴
幼少時代〜大学時代
レーシングドライバー
自動車評論家・徳大寺有恒へ
レース界を引退後には
自動車用品会社「レーシングメイト」を東京都
文京区に設立、一時は従業員40名を擁し、連夜
銀座で豪遊できる繁盛振りだったという。しかしながら
1969年、モータースポーツへの派手なスポンサー活動を行うなどの乱脈経営がたたって同社は倒産。
その後は極貧生活を送り、タクシー運転手などとして生計を立てた後、
フリーランスとして文筆業を開始した。
ファッション雑誌「
チェックメイト」(
講談社)のライターを経て
自動車評論家に転身、
1976年「徳大寺有恒」の筆名で自動車批評本『間違いだらけのクルマ選び - 良いクルマを買うための57章+全車種徹底批評』(
草思社)を出版した。一冊目(
1976年版)には老舗誌「モーターマガジン」のテスターとして「杉江博愛」の名も登場。さりげなく同誌やテスター陣を褒めるかのような表現がなされている。
一方で、匿名を用いて仁義を無視するような本を出版したことに対し、当時の自動車業界からの反発は非常に大きかった。「徳大寺有恒」という人物が誰なのかは当初秘密で、各方面でその正体が話題になっていたが、文体や諸事情から「杉江博愛だろう」と囁かれていた。そして、「この杉江を
AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)から追放しよう」という声があがった。杉江はAJAJを脱退。記者会見を開き、自身が「徳大寺有恒」であることを公にした。
間違いだらけのクルマ選び
急激な
モータリゼーションを経て大型
消費財へと変貌していた当時の自動車を批判的に評論した『間違いだらけのクルマ選び』は1976年に77万部が販売され、「間違いだらけの○×」というフレーズは自動車の世界に留まらない
流行語となった。
『間違いだらけのクルマ選び』はその後も毎年版を重ね、杉江の現役レーサー時代を凌ぐ勢いで売れ始め、毎年ベストセラーの上位にランクインする。
内容はユーザー側の視点で評論することを基本としていたが、国産自動車メーカーに対してアドバイスするような内容が多くみられた。
車種別のタイトルは筆者ではなく編集部が付けたものである。そのため時として筆者の本意とは違う印象を与えることがあった。
全メーカー全車種を掲載することを原則としていたが、運転席が最前部にある商用車ベースの
ワンボックスカーは、危険な車種であるとして80年代後半以降は載せないようにしていた。
巻末にはジャンル別に採点表が掲載され、これは筆者の主観に基づいた内容であるとの断りを入れている。5点満点評価や0.5点刻みによる10点満点評価の時代もあった。ただマンネリ化に気づくとその都度評価基準を変え、時代の変化に対応していた。
末期は年2回刊行となり、その多忙さ故、一部の車種しか載せないようになっていた。
筆者の急病のため2005年夏版は休刊となり、
2006年1月にそれまでの総集編である最終版を出版。30年間の歴史にピリオドを打つ。
私生活
自動車評論家という職業柄、膨大な台数の車を購入しては手放している。外国車を中心に複数台所有するが、近年でも国産車を所有したことがあり、夫人の足代わりに
軽自動車の
スズキ・ワゴンRを所有したりもしている。
自動車以外の嗜好は
喫煙で、特に
葉巻を好み、
酒好きでもある。「助手席には
女性以外は乗せない」ことを信条とし、ファッションなどでも英国風の
ダンディズムを標榜する。
もっとも飲酒や美食が祟り、重度の
糖尿病に罹患してもいる。これは著書で自ら述べている。
著書
単著
- 「間違いだらけのクルマ選び」(1976年-2006年)
- 「最新・間違いだらけの外国車選び」
- 「徳大寺有恒のクルマ運転術」
- 「徳大寺有恒のクルマ選び77の法則」
- 「大人のためのブランド・カー講座」
- 「ぼくの日本自動車史」
- 「ぶ男に生まれて」 (飛鳥新社、1999年12月)
- 「男は男らしく生きろ!」
- 「いい女のカーライフ」
- 「クルマの掟」
- 「ああ、人生グランド・ツーリング」
- 「眼が見えない猫のきもち」
- 「決定版 女性のための運転術」
- 「ぶ男の遺言」
共著
出演番組
脚注
関連項目
外部リンク
とくたいし ありつね
とくたいし ありつね
とくたいし ありつね