概説
選挙データ
内閣
解散日
解散名
公示日
投票日
改選数
-
小選挙区 - 300 比例代表選挙区 - 180
選挙制度
イメージキャラクター
「日本の行き先を決めるのは、あなたです。」「あなたの一票には力がある。」をキャッチフレーズに、
川口能活(サッカー選手)と
加藤あい(女優)を選挙啓発イメージキャラクターに起用。
任期
- 2009年(平成21年)9月11日(衆議院の解散がなくともこの任期をもって満了)
主な争点
政策
政局
その他
同一日に実施した投票
選挙公示まで
郵政民営化法案
総理大臣小泉純一郎が政治生命をかけた
郵政民営化法案は、与党・
自由民主党の了承なしの
閣議決定(2004年)、党総務会(党の常設最高意思決定機関)の採決方法を慣例の全員一致から、直前に多数決に変更した上での決定、「郵政民営化に関する特別委員会」の採決で反対派委員の賛成派議員差し替え、などの経過を経て、
衆議院本会議では可決(賛成233・反対228・欠席棄権14・病欠2)されたが、2005年8月8日
参議院本会議では否決(賛成108・反対125・欠席棄権8)されたため、即日
日本国憲法7条3号に基いて
衆議院解散された。
衆議院解散
首相は解散により自民党の躍進を予想していたが、党内には分裂選挙による大敗を予想する意見も根強かったことから、国事行為(
衆議院解散)に関する閣議決定文書への署名を拒否する閣僚が出た。臨時閣議は中断を挟みながら、二時間超に及んだ。反対閣僚のうち
総務大臣麻生太郎と行政改革担当大臣
村上誠一郎は最終的に首相の説得に応じて署名したものの、
農林水産大臣島村宜伸は最後まで署名を拒んだため、首相は農水相を
罷免した上で自ら農水相を兼務(8月11日まで。後任は
岩永峯一)という形式で閣議決定文書を完成させ、解散に踏み切った。また、この閣議で
参議院本会議で郵政民営化法案に反対票を投じた防衛政務官
柏村武昭も罷免された。
小泉は同日夜、解散直後の記者会見で「今回の解散は『
郵政解散』だ。(郵政民営化に)賛成してくれるのか反対するのか、はっきり国民に問いたい」と述べ、郵政民営化を
地動説になぞらえ、
ガリレオ・ガリレイの創作された
寓話の
セリフ「それでも地球は動く」を引用して民営化の正当性を主張した上で、自民・公明の両党の公認候補が過半数を獲得できなかったら退陣すると明言した。また、恒例となっている解散のネーミングは、総選挙実施日が
アメリカ同時多発テロ事件が起きた9月11日であることなどから
自爆テロ解散、自民党が分裂選挙で大敗するとの予想から
やけっぱち解散などとも揶揄されたが、選挙後は
郵政解散が定着した。
刺客
解散後自民党執行部は郵政民営化法案に反対した37人の議員を公認候補者としないことを発表し、矢継ぎ早に対立候補を送り込んでいった。解散当初は分裂選挙による自民党の敗北が予想されており、この対立候補も造反議員を落とす為だけの候補者、つまり
刺客であると非難された(女性については
くのいち候補とも呼ばれた)。一部の刺客候補は自民党比例代表名簿上位に記載されていた。一方で郵政民営化法案の採決を棄権した議員は引退表明をした議員を除き、選挙後に再度提出される郵政民営化法案への賛成を、誓約書として執行部に提出することで、全員が公認を得た。
郵政民営化法案に反対した議員は党の公認を得られなくなったことから、「新党結成して立候補」「自民党地方組織の応援を受けあくまで自民党党員として立候補」「自民党を離党して無所属で立候補」「立候補断念」という選択を迫られた。自民党の地方組織は東京都連のように党公認候補の支援を決めたところもあったが、岐阜県連のように反対票を投じた候補を独自に公認し、中央と地方のねじれ現象が発生する選挙区もあった。
ちなみに自民党が公式に「刺客」と称して対立候補を立てるといった事は一切していない。一連の自民党の行動を
亀井静香が「刺客」と評し、他党やマスメディアもそれに倣ったことによる。しかし、刺客の一人である
小池百合子を「自民党の
上戸彩(映画で女刺客「
あずみ」役を務めた)だからな」と呼んだ
村上誠一郎など、ある時期までは自民党の関係者も「刺客」を肯定していた。ところが、
8月28日、自民党は公式に「刺客」を使わないようマスコミ各社に申し入れた。
新党
国民新党、新党日本、新党大地の三党は比例ブロックでそれぞれ棲み分けが行われており、比例区では四国を除いて自民系反郵政民営化票の受け皿となる土壌が出来た。
- 国民新党 東北・北陸信越・中国・九州ブロック
- 新党日本 東京・北関東・南関東・近畿・東海ブロック
- 新党大地 北海道ブロック
- 空白ブロック 四国ブロック
公示後
自民党内の話題が一服すると、政策論争は小泉が主張する郵政民営化一色になった。
民主党は年金など他にも話題があるとして、自民党の土俵には乗らない戦略をとろうとした。郵政については「自民党の郵政民営化法案には反対だが、民営化そのものには反対していない」という抽象的な主張であった。
民主党は小泉と民主党代表
岡田克也の
党首討論を提案したが、自民党は他の党に対して不公平だ、として結局政党要件を満たす全党党首による党首討論が行われた(この時点で立候補を表明していた政党・政治団体で、これに該当しないのが
新党大地・
世界経済共同体党であった)。
インターネット普及率の高まりを受けて、各党・各候補者とも
ホームページや
ブログ等の充実させており
ネット選挙に力を入れていた。自民党はこれに目をつけ、民主党が公示後にホームページを更新したとして
総務省に通報し、総務省は
公職選挙法の文書図画頒布の禁止に触れる虞があると警告した。民主党側は該当の記事をホームページから削除する一方、当の通報した自民党が2005年4月の衆院統一補欠選挙、同年7月の東京都議選の期間中にホームページで選挙情報を宣伝していた事を糺す公開質問状を総務省に提出し、インターネットを想定していない公職選挙法の問題が浮かび上がった。
また共産党は1996年以降の総選挙において全小選挙区に公認候補(または推薦候補)を擁立してきたが、今回は突然の解散による準備不足のために候補の擁立ができない選挙区が存在し、300選挙区中25選挙区で
共産空白区が生まれ、16選挙区で自民党候補と民主党候補の一騎打ちとなった。
選挙結果
投票率は小選挙区が67.51%(前回衆院選59.86%)、比例代表が67.46%(同59.81%)と上昇した。
期日前投票は8,962,955人(有権者のうち8.67%)と国政選挙で最高を記録し国民の関心の高さをうかがわせた。
開票結果は、与党が327議席(自民党が296議席・公明党が31議席)と圧倒的勝利を収めた。一方野党は、民主党が113議席と選挙前の177議席から大幅に議席を減らす惨敗を喫し、党代表・岡田克也は責任を取って辞任し後任には民主党内でも最右派と言われる
前原誠司が就任した。共産党と社民党は現有議席を維持した。国民新党・新党日本の明暗は分かれ、地方を地盤とする国民新党は1議席だが議席を増やしたが、都市部中心の新党日本は惨敗した。郵政造反による自民公認漏れの当選者は、14議席と半減した。ここでも、地方の選挙区では比較的強く、逆に都市部では、ブームに乗った「刺客」によって相次いで落選した。
郵政問題に絡む自民党からの離党者等を除く無所属議員は3名(
江田憲司・
田中眞紀子・
徳田毅)となり、死票を増やすデメリットと引き換えに安定政権を創出しやすい(僅かな世論の変化が大きな議席数変動を促す)小選挙区制度の功罪が改めて浮き彫りとなった。
都道府県別小選挙区結果
比例代表ブロック別結果
その他
- 比例区の東京ブロック・南関東ブロック・近畿ブロック・四国ブロックでは自民党重複候補の多くが小選挙区で当選し、比例名簿の下位順位の候補が議席が配分され、比例下位順位の当選者が13人も存在した。これは1996年衆院選の北関東ブロックで比例下位順位登載者が3人当選して以来である。
- 比例東京ブロック(定数17)で、ドント方式による分配では自民党に8人目の当選枠が割り当てられるはずだったが、すでに名簿登載者全員が当選していたため、公職選挙法の規定により自民党分の議席は(仮に18人目の議席があれば配分される予定であった)社民党に配分され、社民党の保坂展人が当選した。このような事態は日本の比例代表制では初めて。
- 女性当選者数は43人に上り、これまでの記録だった1946年の39人を59年ぶりに更新した。
- 国民新党は公示前勢力の4議席を維持し、所属国会議員は参院議員田村秀昭も含めて5人となったため、新党日本は獲得議席は1で公示前から2減となったが、比例選での得票合計が約164万票で、比例全ブロックの有効投票総数の2%を超えたため、それぞれ政党助成法が定める政党要件を満たし、いずれも「政党」として存続できることになった。
- 当選した自民党新人議員達は社民党の「土井チルドレン」を真似て、「小泉チルドレン」と呼ばれた(このように、ブームに乗って当選した候補を「コートテール」と呼ぶ)。
- 愛知7区から出馬し落選した、元民主党衆議院議員の小林憲司が選挙から一週間後の9月18日に私設秘書2名と共に議員時代から覚せい剤を利用し所持していたとして覚せい剤所持取締法違反で逮捕され、その日に民主党から除名処分をされた。ちなみに民主党の選挙時のマニフェストでは覚せい剤の撲滅を記載していた。
-
堀江貴文(ライブドア元社長)が広島6区から実質的には自民党候補として応援を受けながら無所属で出馬した。郵政法案に反対して国民新党を結成した亀井静香と戦い落選したが、選挙中は観光客にサインするなど多くの話題を振り撒いた。また、辻演説中に対立候補の亀井静香本人が「応援のため」駆けつけるという(但し華やかなものではなく、お互い声を枯らしてエールを送り合うというものだった)、選挙では珍しいシーンがみられた。ライブドアのニュースサイトでは公職選挙法に抵触するのを避けるため、選挙関連のニュースの掲載を自粛した。
- 収賄罪等で公判中の鈴木宗男、収賄罪で実刑が確定し刑期を終えた元建設大臣中村喜四郎、詐欺で有罪となった元社民党政策審議会長辻元清美、暴力団の秘書給与肩代わり問題などで前回衆議院選挙で落選した松浪健四郎らが当選するなど「みそぎの選挙」が多く見られた。
その後の情勢
- 衆議院で過半数を獲得したことにより郵政民営化は国民の信任を得たとして、解散前の審議で反対した議員も郵政民営化に賛成した。
- 自民・公明両党で衆議院の3分の2以上の議席を獲得。3分の2の賛成によって得られる衆議院本会議での効果は次のとおりである。
- 懲罰の対象となった議員を除名することができる(戦後衆院1例のみ)。
- 本会議で秘密会を開くことができる。さらに、「特に秘密を要すると認められるもの」は会議録としても非公開にできる(戦後例はない)。
- 衆議院を通過し、参議院で否決(みなし否決を含む)又は修正議決された法律案について、当初の衆議院可決案を法律として成立させることができる。
- 憲法改正の発議は両院で3分の2以上の賛成が必要なため、今回の選挙結果では要件を満たさない。
各党キャッチフレーズ
- 自民党 「改革を止めるな。」
- 民主党 「日本を、あきらめない。」
- 公明党 「日本を前へ。改革を前へ。」
- 共産党 「たしかな野党が必要です」
- 社民党 「国民を見ずして、改革なし。」
- 国民新党 「権力の暴走をとめろ。」
- 新党日本 「信じられる日本へ」
<!-- ===郵政法案反対派選挙区の公示前情勢===
以下は、自民党執行部に造反し、郵政法案に反対した前議員が立候補した選挙区における公示前のおおまかな周辺の動向、情勢である。
- 註1:上記の「共存」とは「党本部の公認がある公認候補はある程度の票を集めて比例で当選圏内に入るため。反対派支援で双方が当選できる」とする考え方。
- 註2:*は女性候補 -->
選挙後勢力
党派別獲得議席数
|-
!rowspan="2"|政党名
!rowspan="2"|議席数
!colspan="2"|増減
!colspan="3"|小選挙区
!colspan="3"|比例区
|-bgcolor="E9E9E9"
|解散時より
|公示より
|align=center|得票数
|議席数
|align=center|議席内訳
|align=center|得票数
|議席数
|align=center|議席内訳
|- style="background:#ccc"
|bgcolor="#ccc" align=center|
与党
|align=right|327
68.1%
|align=right|+44
|align=right|+81
| 33,499,494
.91849.22%
|align=right|22775.7%
|align=left|【前182元9新36】
|34,875,400
51.43%
|10055.6%
|align=left|【前44元7新49/重48】
|-
|align=center|自由民主党
|align=right|29661.7%
|align=right|+47
|align=right|+84
|32,518,389
.91847.77%
|align=right|21973.0%
|align=left|【前174元9新36】
|25,887,798
38.18%
|7742.8%
|align=left|【前23元7新47/重48】
|-
|align=center|公明党
|align=right|316.5%
|align=right|-3
|align=right|-3
|981,105
.0001.44%
|align=right|82.7%
|align=left|【前8元0新0】
|8,987,602
13.25%
|2312.8%
|align=left|【前21元0新2/重0】
|- style="background:#ccc"
|bgcolor="#ccc" align=center|野党
|align=right|135
28.1%
|align=right|-56
|align=right|-64
|31,324,709
.46646.02%
|align=right|5518.3%
|align=left|【前53元0新2】
|32,935,669
48.57%
|8044.4%
|align=left|【前57元10新13/重69】
|-
|align=center|民主党
|align=right|11323.5%
|align=right|-62
|align=right|-64
|24,804,786
.73936.44%
|align=right|5217.3%
|align=left|【前50元0新2】
|21,036,425
31.02%
|6133.9%
|align=left|【前46元4新11/重59】
|-
|align=center|日本共産党
|align=right|91.9%
|align=right|0
|align=right|0
|4,937,375
.0307.25%
|align=right|0
|align=left|【前0元0新0】
|4,919,817
7.25%
|95.0%
|align=left|【前8元0新1/重4】
|-
|align=center|社会民主党
|align=right|71.5%
|align=right|+1
|align=right|+2
|996,007
.6971.46%
|align=right|10.3%
|align=left|【前1元0新0】
|3,719,522
5.49%
|63.3%
|align=left|【前1元5新0/重4】
|-
|align=center|国民新党
|align=right|40.8%
|align=right|+4
|align=right|0
|432,679
.0000.64%
|align=right|20.7%
|align=left|【前2元0新0】
|1,183,073
1.74%
|21.1%
|align=left|【前1元0新1/重1】
|-
|align=center|新党日本
|align=right|10.2%
|align=right|+1
|align=right|-2
|137,172
.0000.20%
|align=right|0
|align=left|【前0元0新0】
|1,643,506
2.42%
|10.6%
|align=left|【前1元0新0/重1】
|- style="background:#ccc"
|-
|align=center|新党大地
|align=right|10.2%
|align=right|+1
|align=right|+1
|16,698
.0000.02%
|align=right|0
|align=left|【前0元0新0】
|433,938
0.64%
|10.6%
|align=left|【前0元1新0/重0】
|- style="background:#ccc"
|bgcolor="#ccc"|諸派・無所属
|align=right|18
3.8%
|align=right|+15
|align=right|-14
|3,242,078
.5404.76%
|align=right|186.0%
|align=left|【前14元3新1】
||-
||-
||-
|- style="background:#ccc"
|bgcolor="#ccc" align=center|合計
|bgcolor="#ccc" align=right|480
|align=right|
|align=right|
|align=right|68,066,291
.924
|300
|
|align=right|67,811,069'''
|180
|
|}
政党
- 代表=鈴木宗男
小選挙区と比例区の違い
これは、大政党に有利といわれている小選挙区での各党の獲得議席である。自公連立で3/4以上獲得していることが分かる。
これは、死票が少なく小政党でも議席を得られやすいといわれている比例区での各党の獲得議席である。これでも、自公連立で過半数を獲得していることが分かる。このことから、自公連立がいかに圧倒的勝利をあげたかが分かる。
選挙における得票は本来的な支持政党に投票する固定層と、選挙毎に情勢・政策などの要因から投票先を変える浮動層とに区分される。今回の選挙では浮動層の大半が与党側に投票したと見られており、事実上固定層のみからの得票に甘んじた野党が惨敗した主因と言える。
しかし、得票率で見れば自公両党は合わせて小選挙区で全体の49%、比例区で全体の51%を抑えるに止まっており、自公連立政権と与党の郵政民営化法案が国民の圧倒的な支持を受けたと言う訳ではないという見方が可能である。だが小選挙区において、各選挙区で過半数を獲得し当選した与党候補者が3/4以上を獲得したということも事実であり、自公連立政権が国民の圧倒的な支持を受けたという見方も可能である。これはどちらが正しいかという断定は難しく、分析次第によって様々な評価が可能である。この事から、選挙制度の問題点もまた浮き彫りとなっている。
議員
この選挙で初当選
※初当選者のうち、参議院議員経験者には「※」を表示。
- 自由民主党
- 民主党
- 公明党
- 日本共産党
- 国民新党
- 無所属
この選挙で返り咲き
- 自由民主党
- 民主党
- 社会民主党
- 新党大地
- 無所属
この選挙で引退・不出馬
- 自由民主党
- 民主党
- 公明党
- 日本共産党
- 自由連合
この選挙で落選
- 自由民主党
- 民主党
- 公明党
- 社会民主党
- 国民新党
- 新党日本
- 無所属
主要な選挙違反
-
千葉7区から立候補し当選した松本和巳(自民党)は、出納責任者が買収により有罪となったことを受け、連座制の対象となる可能性が高いことから、辞職した。
選挙後
国会
- 会期:2005年9月27日 - 12月16日
-
河野洋平
(自民党)-478票 無効-1票
-
横路孝弘
(民主党)-479票
-
小泉純一郎(自民党)-340票 前原誠司(民主党)-114票 志位和夫(共産党)-9票 福島みずほ(社民党)-7票 綿貫民輔(国民新党)-6票 徳田毅(自由連合)-1票 無効-2票
政党
関連項目
日本の国政選挙一覧
外部リンク
- * 『ザ・選挙』第44回衆議院議員選挙
衆44
44
しゆうきいんきいんそうせんきよ