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石坂浩二の金田一耕助シリーズ

本項、石坂浩二の金田一耕助シリーズ(いしざかこうじのきんだいちこうすけシリーズ)では、俳優・石坂浩二が演じる映画版金田一耕助シリーズを解説する。

概要

1950年代から1970年代にかけ、推理小説といえば松本清張に代表される「社会派推理小説」が主流であり、旧家を舞台とした連続殺人や複雑なトリックを多用した横溝正史作品は、世間では流行遅れと忘れられていた存在であった。1968年、「週刊少年マガジン」で「八つ墓村」がマンガ化され、若い読者の間でヒットしたことに、角川書店編集局長(当時)だった角川春樹が注目、1971年から次々と横溝作品を文庫化し、横溝ブームを巻き起こした。
角川春樹は当初からこの「八つ墓村」の映画化を考えており、「犬神家の一族」制作以前の1975年にすでに松竹との契約を発表している。しかし、「八つ墓村」制作の遅れと松竹経営陣との意見対立などから、角川春樹は独自に横溝作品を映画化することを決意、角川映画第1弾として「犬神家の一族」(1976年・昭和51年)」を製作。監督市川崑、主演石坂浩二の同映画は空前の大ヒット(17億円)を記録、「日本映画史上最高のミステリー」と称され、以後4作(2作目「悪魔の手毬唄」以降は東宝の自主製作)の横溝作品原作の映画が製作された。
金田一以外のレギュラー登場人物として加藤武演じる等々力警部がいる。「よし、わかった!」というのを口癖とし、ときたま自分の推理に自分で納得してしまうことがあるものの、金田一の推理には敵わないために警部でありながら金田一の助手的存在である。
この作品は角川映画の大きな前進となり、「金田一シリーズ=角川映画」という図式が広く認知され、その後も角川映画は大藪春彦森村誠一赤川次郎などの小説を映像化、ことあるごとに原作と映画のブームが起こり、ヒットを記録している。
石坂は、2006年末に公開された角川映画30周年記念作品「犬神家の一族」の再主演を記念して「金田一です。」というエッセイを発売し、自分の金田一論を公に示している。

石坂演じる金田一像

「犬神家の一族」が製作される以前にも何作か横溝正史の小説は映像化されているが、石坂浩二は、和服に袴、お釜帽にボサボサ頭という、原作の記述を忠実に再現した最初の金田一耕助役者(演技者としては7人目)となった。興奮すると頭を掻き始めたり、どもったりするという癖も設定として取り入れられている。また劇中で金田一が持ち歩いているトランクは石坂の私物(神戸骨董品店で購入)である。ボサボサ頭に関しては最初2回ほどカツラを使用していたが、地毛で演じたときは、まず銀髪に近いぐらい脱色して再び黒色に染め直し、パーマをかけてはパーマを抜く行程を繰り返し、あの金田一ヘアが出来上がった。石坂は「髪の毛が細くなり切れるのが難点」と言っていた。頭を掻いて出る雲脂には試行錯誤し、雲脂になりうるものを頭に塗り込んでは頭を掻いて雲脂を出すテスト撮影を繰り返し、最終的にはパン粉に砥の粉を混ぜたものが使用された。これを撮影中は毎日頭に塗り込んでいたので、石坂は「頭を洗うことがほとんど出来なかった」と言っている。加藤武演じる警部(あるいは署長、または捜査主任)役がよく胃腸薬として粉薬を飲んでは吹き出すシーンがあるが、この粉薬は龍角散クリープを混ぜたものである(龍角散のみだと吹き出したとき粒子が細かいため、はっきり映らないので、クリープを混ぜた)。

作品一覧

  1. 犬神家の一族1976年〈昭和51年〉10月16日公開) ※角川映画第1作
  2. 悪魔の手毬唄1977年〈昭和52年〉4月2日公開) ※この作品より東宝の自主製作となる(リメイク版「犬神家の一族」まで)
  3. 獄門島1977年〈昭和52年〉8月27日公開)
  4. 女王蜂1978年〈昭和53年〉2月11日公開)
  5. 病院坂の首縊りの家1979年〈昭和54年〉5月26日公開)
  1. 犬神家の一族2006年〈平成18年〉12月16日公開)

*いしさかこうし

出典:「フリー百科辞典ウィキペディア」(2009-01-01)
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