政令指定都市(せいれいしていとし)とは、
地方自治法第252条の19第1項で「
政令で指定する人口50万以上の市」と規定される
市である。
政令市とも通称され、現在、全国に
17市ある。法令では「
指定都市」(同法)や「
指定市」(警察法)とも表記される。
- 以下、地方自治法の条項については、法律名を省略することがある。
概要
指定都市の制度は、
日本の大都市等に関する3つの特例制度の一つであり、に運用が開始された。地方自治法第2編第12章第1節「大都市に関する特例」に、指定都市に関する、特例を中心とした規定がある。指定都市は「人口50万以上の市」とされている(第252条の19第1項)。特例制度の他の2つは、第2節に規定がある
中核市の制度(人口30万以上、
1995年開始)、第3節に規定がある
特例市の制度(人口20万以上、
2000年開始)である。→#指定都市の権能、#人口要件も参照。
指定都市は、条例で区を設けるものとされている(第252条の20第1項)。この区は、東京都の
特別区などと区別して、「行政区」と通称される。→#組織も参照。
指定都市の制度は、地方自治法の1956年(昭和31年)の一部改正(昭和31年法律第147号)に含まれる形で、同年9月1日から実施された。同日から、指定都市を指定する政令が施行されて5市が指定都市に移行。以後、この政令の一部改正で新たに市が指定され、その施行日から指定都市に移行している。
なお、指定都市の制度により、大都市に関する2つの旧制度が置き換えられた。一つは、五大都市行政監督ニ関スル法律を根拠とした制度で、対象は京都市、大阪市、横浜市、神戸市、名古屋市であった(この5市は最初の指定都市)。もう一つは、地方自治法を根拠に
1947年(昭和22年)以降、法令上、存在していた
特別市の制度で、人口50万以上の市を法律で指定するものだったが、実際には一市も指定されなかった。→#沿革も参照。
指定都市及び行政区の一覧
指定都市の権能
特例と政令
地方自治法第2編「普通地方公共団体」第12章「大都市等に関する特例」では、指定都市、
中核市、
特例市それぞれに関する特例制度が規定されている。特例により持ちうる権能は、指定都市が最も広い。三者いずれに関しても、権能の範囲など特例の具体的な定めは、ほぼ政令に委ねられており、対応する規定が地方自治法施行令第2編第8章にある。
事務
指定都市が特例で処理できる事務は、第252条の19第1項(後に抜粋)で掲げる19の事務のうち、都道府県が法令に従って処理するとされているものから、政令で定められる(同条同項)。
また、事務処理への都道府県の関与については、都道府県知事や都道府県の委員会の
- a.処分(許可、認可、承認等)を要すると法令で定めている事項のうちから、政令により、その処分を不要とするか、代わりに各大臣の処分を要するものとする、
- b.命令を受けると法令で定めている事項のうちから、政令により、その命令に関する法令の規定を適用外とするか、代わりに各大臣の命令を受けるものとする、
ことになっている(同条第2項)。
一般の市から移行する場合、指定都市には
都道府県が有する権能の8割が、中核市については指定都市の7割、特例市については中核市の3割に相当する権能が移譲されるといわれている。
参考: 地方自治法から抜粋
第252条の19の第1項までを抜粋。
出典条文リンク:
法令データ提供システム, 総務省. 2008年9月5日現在.
組織
指定都市は、“市長の権限に属する事務を分掌させるため、条例で、その区域を分けて区を設け、区の事務所又は必要があると認めるときはその出張所を置く”ものとされている(第252条の20第1項)。この区は「行政区」と通称される。区の事務所、通称「区役所」の長は、当該指定都市の職員の中から
市長が任命する(各市の行政組織によるが、一般的に局長クラスまたは部長クラスの役職)。指定都市は、必要と認めるときは、条例で、区ごとに区地域協議会を置くことができ、その場合、その区域内に地域自治区が設けられる区には、区地域協議会を設けないことができる(第252条の20第6項)。
区役所にどの程度の業務を担わせるかは、指定都市によって幅がある。戸籍、住民基本台帳、租税の賦課、国民健康保険、国民年金、福祉などの日常的・定型的な窓口業務のみを担当させる「小区役所制」(大阪市、名古屋市、京都市など)があれば、保健、土木、建築などの業務を幅広く行う「大区役所制」(川崎市、広島市、仙台市など)もある。
なお、
東京都の区は
特別区である。区(行政区)が
普通地方公共団体たる指定都市の地域区分であるのに対し、都の特別区は独立した
法人格を持つ「
特別地方公共団体」で、ほぼ一般の市と同じ事務処理権限を有している。また、これ以外に「... 区」と名前が付く地域区分には、
地域自治区、
合併特例区、
財産区がある。
教育行政
地方教育行政の組織及び運営に関する法律には、指定都市に関する特例が定められている。指定都市の県費負担教職員の任免、給与の決定、休職及び懲戒に関する事務、並びに研修は、当該指定都市の教育委員会が行う。
指定都市が扱えない事務
指定都市は、基本的に都道府県が行う事務のほとんどを独自に扱えるが、先述のとおり一般的には「8割程度」と評価され、都道府県の影響力が完全に排除されるわけではない。
以下に、都道府県と指定都市の間の役割分担の一例を示す。
このほか、
後期高齢者医療制度においては、都道府県が直接事務に携わるわけではないが、指定都市も他の市町村とともに都道府県単位で広域事務組合を作り、そこで事務を取り扱う。指定都市の区役所は窓口代理業務を行うのみである。
留意すべき問題点
指定都市移行にあたっては、移譲にあたっての行財政上の問題として、概ね次のような留意事項の指摘がなされている。
財政上の問題
移行に起因する事務移譲により、指定都市に新たに発生する財政需要額は、概ね5,600億円程度とされる総務省. "平成19年度地方財政白書"「市町村の規模別財政収支」項において総務省が算定した額による。。これに対し、
税制上の措置として指定都市に図られる増収対策の半分以上は、
道路の管理に関する予算(
道路特定財源の一部を増額交付するもの)指定都市市長会「指定都市の事務配分の特例に対応した大都市特例税制についての提言」(平成17年12月22日)の指摘による。で、それ以外の特例事務との純計で、おおむね3,000億円程度、税制上の措置が不十分であるとされる指定都市市長会「平成20年度大都市行政の実態に即応する財源の確保等に関する要望」の、「税制措置」の項において指定都市側が主張することを根拠とする。。指定都市制度には、都道府県側から指定都市側に対して交付金を交付する制度があるものの、行政上の負担割合の変更に伴い、逆に減収となる項目も存在する。このため、負担事務の増加に見合った増収を十分担保する措置が、必ずしも確保されるわけではない。
こうした経緯から、新規に指定都市へ移行する市の場合、移行と
行政改革がセットで語られることがある。とくに
平成の大合併期に、スケールメリットを期待した
合併を経て誕生した指定都市では、移行に併せて
地方債の繰上償還、これまで一般
市町村として担当した行政分野での職員定員削減などが行われる。
行政上の問題
上述のとおり、指定都市は各分野につき、完全に独立した行政を担当できるまでの事務移譲を受けるわけではなく、農林行政、防災行政については、ほとんど授権がない。一方で、都道府県と指定都市との間では、一部につき共通する行政を担当することから、両者の間での二重規制、二重行政に陥る可能性が指摘されることがある第28次地方制度調査会(総務省)。 "大都市制度のあり方に関する報告" の中で指摘。。法令上、指定都市は、一部の特例措置を除いては、一般の市町村と同列の制度の適用を受けるため、都道府県が市町村の行政を審査する
行政不服審査制度に関する事項など、両者の関係について法令上あいまいな部分もある第28次地方制度調査会(総務省)。 "大都市制度のあり方に関する報告" の中で指摘。。新たな法令を制定することを通じ、都道府県に指定都市に対する勧告権を付与し、指定都市内の行政に関する関与権限を弱める案などが提唱される。
沿革
明治以降
-
:郡区町村編制法(明治11年太政官布告第17号)を制定。同法第四条により、「人民輻輳ノ地」に法人格を持たない区が置かれ、区会(議会)も設置された。また東京、大阪、京都の三都は勅令指定都市に指定された。通常、1都市1区であったが、東京には麹町区以下15区、大阪には東区・西区・南区・北区の4区、京都には上京区・下京区の2区と、人口密集地が広い勅令指定都市三都には1都市に複数の区を置いた。
-
:市制(明治21年法律第1号)を施行。市制中東京市京都市大阪市ニ特例ヲ設クルノ件(明治22年法律第12号、三市特例)も制定され、人口が多い東京市、大阪市、京都市の三市では区が存置された。市を代表するのは市会であるが、一般市では市会が3人の市長候補を推薦し、内務大臣が天皇に上奏して1人の市長が裁可(市会推薦市長。任期6年)されたのに対し、三市では、市長を置かずにその職務は府知事が行った。
-
:市制中東京市京都市大阪市ニ於ケル特例廃止法律(明治31年法律第19号)を施行。三市での反対運動により、三市特例が廃止されて一般市と同じ市制を適用し、市会推薦市長が生まれた。市制中追加法律により、三市では区制が残された。
-
:名古屋市に区制施行(4区)。「三市」(三都)以外では初の大都市制度導入例。
-
:市制改正法律を施行。三市の区は法人格を持つこととなった。
-
:六大都市行政監督ニ関スル法律を制定。「三市」に神戸市、名古屋市、横浜市を加えて六大都市とした。六大都市では、府県知事の許可等なしで市の実務実行ができるようになった。
-
:横浜市に区制施行(5区)。
-
:神戸市に区制施行(8区)。
-
:東京都制(昭和18年法律第89号)の施行により、東京府と東京市が廃止されて東京都が置かれた(以降、東京については特別区参照)。「六大都市」から東京市を除いた5市に「五大都市行政監督特例」を施行し、五大都市(京都市、大阪市、横浜市、神戸市、名古屋市)とした。
戦後
-
:地方自治法(昭和22年法律第67号)を公布。「五大都市」が指定されることを見込んで、「特別市」の規定を盛り込んだ。
-
:地方自治法を改正。特別市に関する規定を削除。旧「五大都市」が指定されることを念頭に「指定都市」制度を創設。
- 1956年(昭和31年)9月1日:改正地方自治法を施行。地方自治法第252条の19第1項の指定都市の指定に関する政令(昭和31年政令第254号)を施行。同政令で指定された大阪市、名古屋市、京都市、横浜市、神戸市の旧五大都市が指定都市となる。
-
:北九州市が指定都市となる。旧五大都市以外では初の大都市制度導入例となった(#先行指定都市と同格を参照)。また、同市の指定以降、指定都市移行日は4月1日が通例となる。
- この間、に札幌市、川崎市、福岡市が、に広島市が、に仙台市が、に千葉市が指定都市となる。
-
:市町村合併支援プランを決定。市町村合併を進める国の方針に従い、までに大規模な合併をした自治体に限って、人口要件の運用基準を緩和する方針(#期間限定措置を参照)が打ち出された。
-
:さいたま市が指定都市となる(#先行指定都市と同格を参照)。
-
:静岡市が初めて緩和措置に基いて指定都市に移行した。これは、特別区最大の人口を擁する世田谷区を下回る人口で指定都市に移行した初めての例となった。その後同様の措置で、に堺市が、に新潟市および浜松市が移行した。
- 2005年(平成17年)8月31日:新市町村合併支援プランを決定。当プランにおいても、まで人口要件の弾力運用が継続延長されることになった。
要件
人口要件
指定都市になるための人口要件は、50万人以上である(人口要件を決めた当時、
特別区最大だった
世田谷区の
法定人口は40.8万人→
参照)。しかし、実際の運用基準として、以下のものが並立して存在するとされる。
- 旧五大都市を基礎にする市
- 先行指定都市と同格の人口を擁する市
- (期間限定)市町村合併をした自治体に対する運用基準緩和措置
以下に記載する人口は、指定日直近の
法定人口(合併市町村を含む国勢調査人口)。なお、比較のため、指定前年に国勢調査がなかった場合に限り、指定前年10月1日の
推計人口()も付記する。
旧五大都市
1956年(昭和31年)において、地方自治法上の有資格市(法定人口50万人以上の市)には旧五大都市および
福岡市(54.4万人)の計6市が存在した(
参照)。しかし、制度創設経緯から、旧五大都市のみが指定都市に移行した。なお、このとき
特別区最大の人口を擁したのは
大田区で、法定人口56.8万人。
-
、旧五大都市である大阪市(254.7万人)、名古屋市(133.7万人)、京都市(120.4万人)、横浜市(114.4万人)、神戸市(97.9万人)が指定都市移行。
神戸市は、に既に100万人(神戸市発表)に達していたが、戦争の影響で30万人台にまで落ち込んだ。戦後、周辺自治体と合併したが、の国勢調査時には100万人を回復していなかった。ただし、指定都市となった翌月の1956年(昭和31年)10月1日に、再び100万人(推計人口)に達した。
先行指定都市と同格
神戸市を先例として、旧五大都市以外では、「人口100万人以上、または、近い将来人口100万人を超える見込み」が運用基準とみなされた。
-
、北九州市(98.6万人。)が指定都市移行。
-
、札幌市(101.0万人。)、川崎市(97.3万人。)、福岡市(86.2万人。)が指定都市移行。
これ以降、福岡市を先例として、「人口100万以上、または、近い将来人口100万人を超える見込みの80万人以上の人口」が運用基準とみなされた。
-
に広島市(85.3万人。)が指定都市移行。
-
に仙台市(85.7万人。)が指定都市移行。
-
に千葉市(82.9万人。)が指定都市移行。
-
にさいたま市(102.4万人。)が指定都市移行。
実際に、千葉市以外は見込み通りに人口100万人以上となった。ただし、北九州市はここ数年100万人を割っている(
参照)。
期間限定措置(いわゆる「なんちゃって指定都市」の呼称)
平成の大合併に際して市町村合併を行った自治体には、期間限定で運用基準の緩和がなされることになった(沿革参照)。すなわち、「近い将来100万人を超える見込み」がない市への指定が可能になった。静岡市を先例として、「70万程度の人口」があれば指定都市になれると言われている。「近い将来100万人を超える見込み」がないこと、合併によるご褒美として指定されることから、このような特例に懐疑的な者からは、既存の指定都市と区別して(特に80万人すら満たすことなく、70万人台で指定された場合)、掲示板などで一般に「特例指定都市」・「なんちゃって指定都市」等、揶揄して呼ばれることがある。実際、
堺市は1983年〜1997年まで人口80万人を維持し、この間仙台市・千葉市と連携して同時指定を目指してきたものの、「近い将来100万人を超える見込み」がないと思われたため堺市のみ指定されてこなかった。それでも人口は静岡市より多かったにも関わらず、単独ではやはり移行は認められなかった。南河内郡
美原町を編入したことにより、人口はわずかに増加した程度だったにもかかわらず、ようやく指定を得ることに成功した。
- 2001年の市町村合併支援プランによる指定都市
-
に静岡市(70.7万人。)が指定都市移行。
-
に堺市(83.1万人)が指定都市移行。
-
に新潟市(81.4万人。)、浜松市(80.4万人。)が指定都市移行。
なお、以上の4市は、指定都市史上初めて、特別区最大の人口を擁する世田谷区を下回る人口で指定された。
>
- 2005年の新市町村合併支援プランによる指定都市
なお、以上の1市は、上記4市と同様に世田谷区を下回る法定人口で指定された。また、指定都市史上初めて、70万人を下回る法定人口、かつ、世田谷区および
練馬区の両者を下回る推計人口で指定された。
-->
行政能力要件
都市機能や行財政能力については特に法令で規定されていないが、これまで指定都市に指定された都市では主に次のような要件を満たしており、これに遜色ない条件を満たす必要があるとされる。
- 第1次産業就業者比率が10%以下であること
- 都市的形態、機能を備えていること
- 移譲事務処理能力を備えていること
- 行政区の設置、区の事務を処理する体制が整っていること
- 指定都市移行に関して県と市の意見が一致していること
手続き要件
指定都市移行の手続きは特に法令で規定されていないが、これまで指定都市に指定された都市では主に次のような手続きを経た上で、指定がなされている。
- 市議会で指定都市に関する意見書を議決
- 知事や県議会に対し、指定都市の実現への要望書を提出
- 県議会で指定都市に関する意見書を議決
-
総務大臣に対し、指定都市の実現への要望書を提出
- 関係省庁との協議
- 指定都市移行の閣議決定
- 政令の公布
指定都市に関連する事項
都道府県と同格
指定都市は
権限の移譲等により
都道府県の影響力が少なくなることから、実質的に都道府県と同格に扱われ、県の中に県ができると見られることもある。都道府県に準じた権限を手にする事で、自由に様々な事に取り組めるようになる一方、何かあった場合の責任は重くなると言われている。
- 県を通さずに直接国と接触できるようになる。
-
統一地方選挙において行われる指定都市の市長選挙や議会議員選挙は、都道府県の知事選挙や議会議員選挙と同じ、いわゆる前日程で実施される。
- 慣例として、指定都市の住所を表記する際は都道府県名を省略することが多い(例:愛知県名古屋市中区栄 → 名古屋市中区栄)。これは慣例というよりは、昭和45年の旧自治省通達により、指定都市および、県名と同じ県庁所在地市以外は、公文書において県名を省略してはならないとされたことの裏返しである。
- スポーツ大会の場合でも一部で特別扱いされており、全国障害者スポーツ大会と全国健康福祉祭(ねんりんピック)では各都道府県の他に指定都市独自でチームを組むことが可能となっている。
- 市のドメイン名として "city.市名.都道府県名.jp" の代わりに "city.市名.jp" を使えるようになる。ただし、堺市と浜松市については、該当ドメインが他者によって取得済みであったため、"city.市名.jp" を使用できなかった。公共機関については"city.市名.lg.jp"で地方公共団体ドメイン名の代替はあるが、一般地域型ドメイン名"区名.city.市名.jp"は使用できないの公共機関以外は救済されない。
- 職員採用において、大学卒業程度の採用試験が道府県と同じ日程の6月の第4日曜日(俗に「地方上級」と称される。)に行われる。短大卒業程度・高校卒業程度の採用試験が道府県と同じ日程の9月の第4日曜日(俗に「地方中級」・「地方初級」と称される。)に行われる。また、択一試験の問題は道府県と一部を除き同一のものが使用される。
-
地方債において、都道府県と同様に市場公募債を発行出来るようになる。ただし、利回りが市場によって決められてしまうため、財政状況や信用力により資金繰りに差が出る。
- 指定都市の所属道府県に対する人口比率、および、市内総生産
- 北海道および札幌市のみ登録人口。それ以外は推計人口。
- 市内総生産は2005年の値。発表している12市のみ記載。県民経済計算参照。
- (参考)指定都市移行準備作業を進めている都市の所属県に対する人口比率
市警察部
指定都市自体が、独自に警察を設置・運営することはできない。ただ
警察本部は、その管轄区域内に指定都市がある場合、指定都市に対応する
市警察部を設置する(
警察法第52条第1項)。市警察部の役割は警察本部によって異なるが、主に指定都市と警察本部の連絡や指定都市に所在する
警察署の管理に関する業務を行う。
特別区と指定都市
推計人口で、
東京都の
世田谷区は85万人以上、
練馬区は70万人以上の人口を有するものの、現在の法律では、指定都市への移行は
市に限られるため、これら
特別区は指定都市となることができない。因みに、合併特例法下で指定都市となった4市は、いずれも世田谷区より人口が少ない(
参照)。
なお、世田谷区議会第2回定例会(2007年6月)において、特別区再編と世田谷区の指定都市移行について代表質問があった際、副区長が「政令市を視野に入れておく必要もある」と答弁している。
JR線・特定都区市内駅制度
特定都区市内制度は、
国鉄(現在は
JR)の運賃制度のひとつである。大都市制度の1つとも見られるが、同制度と指定都市制度との整合性はない。
、同制度が
六大都市に導入された。しかし、当時、既に指定都市となっていた北九州市には適用されなかった。には、
1970年国勢調査人口が50万人以上だった未適用の市にも拡大適用された。ただし、新規適用市には、当時指定都市ではなかった都市(仙台市、広島市)や、指定都市であっても市域全域が適用されない市(川崎市)があった。これ以降、国勢調査人口が50万人以上の市や指定都市が生まれても、同制度は新規に適用されていない。
指定都市を目指している地域
指定都市移行準備作業を進めている市
岡山市は、2009年(平成21年)4月1日に指定都市へ移行することが政令改正の公布で正式決定している。
相模原市は2010年(平成22年)3月の指定都市移行を目指しており、県と市との間で移譲される事務権限や区割り、議会の議決や総務省との協議などについて具体的段階に入っている。
熊本市は2012年(平成24年)の移行を目指した合併協議が進んでいる。
-
岡山市(岡山県)
- * 法定人口696,172人、推計人口}}人。岡山市#政令指定都市移行への動き参照。
- * 2007年(平成19年)1月22日に建部町と瀬戸町を編入したが、法定人口は70万人に及ばなかった。しかし、推計人口が2007年中に70万人を突破したことを以って総務省と協議したところ、同人口の増加傾向も加味されて、総務省が指定都市移行に前向きな姿勢を示し、2008年3月から正式に国との事務協議が開始された。一方、県と市は2007年12月25日に、権限や事務の移譲などに関する基本協定を締結、同21日には市議会において、意見書が採択されるとともに、市長が行政区の区割りについて市議会対案を受け入れる形で方針を表明。翌2008年(平成20年)3月17日には県議会で意見書が可決された。両意見書を受けて県知事と市長らが2008年6月と9月に総務大臣へ要望を行った。
- *2008年10月10日、岡山市を2009年(平成21年)4月1日から指定都市とする政令改正が閣議で決定された。同16日に公布され、岡山市の指定都市移行が正式決定した。
-
相模原市(神奈川県)
- * 法定人口701,568人、推計人口}}人。相模原市#平成の大合併及び相模原市#政令指定都市移行に向けて参照。
- * 繋がりの深い東京都町田市との合併構想が戦前からあったが、県内の隣接する津久井郡4町と合併した。(2006年(平成18年)3月に津久井町と相模湖町、2007年(平成19年)3月に城山町と藤野町を編入)。市は2010年(平成22年)の指定都市移行を目指しており、県も支援する方針を表明した。2007年(平成19年)7月26日、「神奈川県・相模原市政令指定都市移行連絡会議」が設置され、指定都市移行に際して県から市に移管される事務についての協議が開始され、2008年11月18日に県と「相模原市の政令指定都市移行に係る事務移譲等に関する基本協定書」を締結した。
- * また2008年5月より行政区画等審議会を設置して審議した結果、橋本(北部、西部)、相模原(中央)、相模大野(南部)を中心とした3つの区にすることを市長に答申した
- * 2008年12月20日には市議会において政令市実現を求める意見書が可決される。
-
熊本市(熊本県)
- * 法定人口669,541人、推計人口}}人。熊本市#熊本都市圏と合併・政令市問題参照。
- * 県では、特例法期限内に熊本市が人口要件を満たす合併をし終わり、2012年度(平成24年度)に指定都市に移行すると想定して、2007年(平成19年)4月26日には検討会議を設立して移譲事務などを検討している。熊本市側も指定都市移行に備える庁内検討会議を設立した(現在は「政令指定都市推進室」に改組)。
- * 熊本市は、富合町を2008年(平成20年)10月に編入合併して68万人弱となったが、人口要件がまだ満たされていないと考えられるため、さらなる合併に応じる自治体を模索している。2008年(平成20年)1月に城南町との間で任意合併協議会が設置されたのに続き、同年4月21日に植木町とも事実上の任意協議会となる「熊本市・植木町合併問題調査研究会」が設置され、同年5月12日には益城町との任意協議会の初会合が開かれた。
- *このうち、益城町と城南町では2008年9月に相次いで法定合併協議会設置案が議会で可決し翌10月、それぞれ熊本市との間で法定協議会が設置され、さらに植木町でも住民投票の結果、法定協議会の設置が決まった。これら協議中の2町を含めた人口は76万人を超え、特例法下での人口要件を満たすと考えられる。
- *ただ、これまでの周辺各自治体との合併協議の経緯や合併反対派の動きもあり、合併・政令市実現にこぎつけるかはいまだ不透明である。
構想段階の地域
市町村の合併によって、現在以下の地域が指定都市移行を目指している。しかし、
市町村合併協議の難航などにより、実現の見通しが立っていない都市が多い。また、実現可能性の高い中核市移行へ切り替え、将来的な目標として指定都市への意向を視野に入れるとしている市も増えている。
※注釈;広域行政圏と、都市圏(都市雇用圏など)は一致しない。
-
水戸市など(茨城県)
- 水戸市は、水戸都市圏の市町村との合併による「50万都市構想」を持っている。指定都市はさらに将来の展望。
-
宇都宮市など(栃木県)
- 宇都宮市長は、2006年(平成18年)第1回定例会(第1日目2月28日市議会)での市政運営の基本方針演説において、「政令指定都市も視野に入れ、河内町との合併協議に向けて具体的に意見交換を行ってまいります」と述べた。
- なお、河内町および上河内町とは2007年(平成19年)3月31日に合併し、人口は50万人を超えた。宇都宮都市圏の人口は約90万人。
-
埼玉県内[http
- //www.pref.saitama.lg.jp/A02/BK00/gappei/gappei-home.html 埼玉県の市町村合併](埼玉県)
- 埼玉県庁による市町村合併推進構想の枠組みに、指定都市移行を想定した枠組みが見られる。県庁の構想による春日部市・草加市・越谷市・八潮市・三郷市・吉川市・松伏町の枠組みは人口約109万人(実際、越谷市以外と結びつきの希薄な春日部市を除いても85万人を超える)、所沢市・飯能市・狭山市・入間市・日高市の枠組みは人口約78万人、川口市・蕨市・戸田市・鳩ヶ谷市の枠組みは人口約72万人となっている。
-
東葛飾・葛南地域(千葉県)
-
柏市、野田市、流山市、我孫子市、松戸市、鎌ケ谷市の6市で構成する「東葛広域行政連絡協議会」では、2006年(平成18年)5月8日に「政令指定都市問題研究会」を設置した。この6市の人口の合計は約140万人である。一方、この6市のうち松戸市と鎌ケ谷市は2007年(平成19年)4月27日、船橋市や市川市とともに、将来的な指定都市移行を研究する「東葛飾・葛南地域4市政令指定都市研究会」を設置した。この4市の人口の合計は約162万人である。なお、1997年(平成9年)には船橋市、鎌ケ谷市、習志野市、八千代市の議長経験者の間で、4市の合併で指定都市移行を検討する動きがあった。千葉日報の1面トップに掲載され、旧自治省ホームページにも長く掲載されていたが、結局具体的な動きには至らず頓挫した。この4市の人口の合計は約102万人。
-
金沢市(石川県)
- 平成の大合併と前後して、経済界を中心に合併による指定都市移行を提唱する動きがあった。しかし、金沢市との合併の筆頭候補に挙げられている野々市町は単独市制施行を目指しているほか、周辺市町の同意が得られない状況にある。なお、金沢市と同じ市外局番076の地域(金沢MA:かほく市、白山市=2008年(平成20年)3月1日以降=、野々市町、内灘町、津幡町、川北町)の合計人口は約72万人。また、金沢都市圏と一体性のある小松都市圏(金沢都市圏の項参照)を合わせた人口は約87万人となる(この枠組みでは、石川県の人口約117万人の4分の3)。
-
岐阜市[http
- //www.city.gifu.lg.jp/c/02020211/02020211.html 政令指定都市構想](岐阜市)(岐阜県)
-
岐阜都市圏の人口は80万人を超えているが、岐阜市で産業廃棄物の不法投棄が発見されたために合併協議が難航し、結局岐阜市と合併したのは1町のみであった。
-
北勢地域(三重県)
-
四日市市を中心とする三重県北勢地方の人口は80万人を超えている。指定都市構想は将来の展望。
-
東大阪市(大阪府)
- 八尾市や柏原市などとの市町村合併の構想があり、指定都市への移行計画にまでは至っていないが将来の展望である。
-
姫路市(兵庫県)
- 2006年(平成18年)3月27日に家島町、夢前町、香寺町、安富町を編入合併、合併後の人口は53万人となった。同市では、指定都市の法定の人口要件である50万人を適用しての指定都市移行を国に要望するとともに、今後も周辺自治体との協議を進めていく方針。姫路都市圏の人口は約74万人。
構想が白紙になった地域
-
湘南地域(神奈川県)
-
湘南市を参照。平塚市、藤沢市、茅ヶ崎市、寒川町、大磯町、二宮町の6市町が合併して指定都市を目指す「湘南市構想」がかつて存在したが、2003年(平成15年)5月26日に白紙撤回された。
- 駿東・伊豆地域(静岡県)
-
静岡県東部 政令指定都市構想を参照。静岡県三都の一角を構成する沼津市を中心とする地域。静岡市と浜松市が指定都市に昇格したため待望論がある。静岡県庁自体が、県内合併再編に積極的。
- 指定都市化の研究会参加市町は、沼津市、三島市、御殿場市、裾野市、伊豆の国市、函南町、小山町、長泉町、清水町であるが、合併への意欲について各市町で温度差がある。また、研究会参加市町だけでは現時点で70万人に満たないため、隣接する富士総合庁舎管轄地域、あるいは伊豆半島の全市町を取り込もうという意見も出ていたが、2008年(平成20年)2月8日に白紙撤回し、研究会の解散を発表した。
その他
法令で単に「政令で指定する市」と書かれている場合、各法令により指定基準が異なるため、指定都市(政令指定都市)と必ずしも一致しない。特定の市を「政令で指定する市」として定めている法令には、
中小企業支援法、
国民健康保険法、
地方税法、国際観光文化都市の整備のための財政上の措置等に関する法律などがある。
また、
地域保健法第5条第1項では、
都道府県のほか、指定都市、中核市その他の政令で定める市又は特別区が、
保健所を設置するものと定めている。これらの保健所を設置する市を
保健所政令市という。
脚注
関連項目
外部リンク
*