2004年以降、漫画化、映画化、テレビドラマ化、ラジオドラマ化、舞台化されている。
概要
2001年、初版刊行。初版8000部と発売当初はさほど話題にならなかったが、小学館の新入社員だった営業マンの目に留まり、彼が売り込んだことから、一部の書店販売員らの手書きのPOP広告と口コミにより、徐々に話題になっていった。
2002年に女優の
柴咲コウが、雑誌
ダ・ヴィンチに投稿した書評のコメント
「泣きながら一気に読みました。私もこれからこんな恋愛をしてみたいなって思いました」が書籍の帯に採用され、ブレイクのきっかけとなる。
小学館では、これまで文芸書のヒット作が少なかったが、本作や同じ恋愛路線の『
いま、会いにゆきます』などのベストセラーで、出版社のイメージを変えた。2006年に小学館文庫から、文庫版も発売された。
発行部数の推移
あらすじ
オーストラリアに向かう旅の途中、朔太郎は死んだ恋人アキのことを思い出していた。ある地方都市、中学校でたまたま同じクラスになった朔太郎とアキは、高校生になり、互いに恋に落ちていく。だが出会って3年目、アキは
白血病にかかり、日ごとに衰弱していった。朔太郎は、入院中のアキが行けなかった修学旅行のオーストラリアにアキを連れて行くために走る。そして二人は出発する。
舞台の地方都市がどこかについて、作中では明確には触れられていないが、「小池」「石応(こくぼ)」など
宇和島市の地名が登場するほか、片山の故郷である
愛媛県宇和島市の特徴が随所に描かれている。その一方、原作に登場する
動物園の描写は、かつて
松山市の
道後温泉にあった動物園のものであったり、クライマックスに登場する空港について、描写は宇和島市から
松山空港に至る道程に近いがオーストラリアへの直行便は過去になく、片山が
九州大学在学時から住む現住地である
福岡市の
福岡空港あたりを想定したものと考えられる。
以上のように、舞台の地方都市は、片山にゆかりのある複数の市を、適宜ミックスさせていると考えられる。
映画やドラマでは物語の提示手法が異なり、現代を生きる朔太郎が10年以上昔の高校時代を回想している姿を描いている。またロケ高校は
愛媛県立伊予高等学校である。成人した朔太郎が過去に執着している姿が描かれるが、原作にはない。また映画・ドラマとも、宇和島市内ではロケを行っていない。
主要登場人物
- サク / 松本朔太郎(まつもとさくたろう) - 主人公。アキからはサクちゃんと呼ばれている。名前は詩人の萩原朔太郎に由来している。おじいちゃん子。
- アキ / 廣瀬亜紀(ひろせあき)(映画では『広瀬亜紀』と表記されている) - サクの高校時代の恋人。白血病により17歳で短い生涯を終える。亜紀の名前は白亜紀から取られた。
- リュウ / 大木龍之介(おおきりゅうのすけ) - サク、アキの同級生。名前は芥川龍之介に由来している。恋するサクのために何かと骨を折る。あだ名は「スケちゃん」。
評価
映画版の評価
各映画賞では
長澤まさみが独占する形になり、作品そのものの評価は高くないが、この作品が遺作となった名
カメラマン篠田昇の美しい撮影、
種田陽平の見事な美術、映画「GO」がキネマ旬報1位になるなどで批評的地位を確立していた
行定勲監督の演出などは、高く評価されている。
タイトルについて
TVメディアなどでは(これも
ハーラン・エリスンの
SF小説『世界の中心で愛を叫んだけもの』(
The Beast that shouted Love at The Heart of The World 1969年)に対するオマージュである)。このタイトルは編集者の助言によるもので、もともと作者は『恋する
ソクラテス』という題名を考えていた(英語への翻訳版では、この題が生かされている:後出)。
漫画『世界の中心で、愛をさけぶ』
- 原作を女性の解釈で世界観を壊さずに描いている。
映画『世界の中心で、愛をさけぶ』
2004年
5月東宝系にて公開。興行収入85億円、観客動員数620万人を記録し、この年の実写映画No.1になった。
映画版では、大人になってからの朔太郎の視点から物語が描かれ、過去と現在を行き来するストーリーに改変されている。主題歌の『
瞳をとじて』も大ヒットした。
キャスト
スタッフ
テーマ曲
特記
- 高校生の朔太郎は伊藤つかさのファン。
- 亜紀のリクエストはがきに井上陽水の「いっそセレナーデ」。
- 登場する電車は松山市ロケ。
- 愛媛県庁本館が病院の廊下の設定で使用された。
- 渡辺美里の『きみに会えて』は、西武ドームライブのTV告知用としても使用された。
- ブランコ、港のシーンの景色に出てくる台形状の山は屋島の戦い(源平合戦)で有名な「屋島」で、ロケ地となった庵治町が対岸から眺めることができる。
- ロケ地である高松市庵治町の皇子神社(ブランコに乗ってサクとアキが写真館の主である重じいの恋愛について話す場所)の金網には、恋人たちや若い女性が恋愛の願いことを祈願した南京錠がつけられている。この南京錠に関して神社の関係者は、新たな縁結びの神様として神社へ来てもらうことを歓迎している。
- サクとアキの制服は香川県立高松北中学校・高等学校の夏服を使用している
- 大木龍太郎がマスターで、高松にいる律子をテレビのニュースで発見するカフェは港区芝浦のバイカーズカフェ。
書籍
- 指先の花〜映画『世界の中心で、愛をさけぶ』律子の物語〜 益子昌一 著(小学館・2004年05月)
- ※映画のシナリオを、律子の視点から描いた作品。
主なロケ地
テレビドラマ『世界の中心で、愛をさけぶ』
映画版同様、大人になった主人公を重ね合わせたドラマ版独自のストーリー展開している。
ザテレビジョンの第42回ドラマアカデミー賞(2004年夏クール)で最優秀作品賞を含む9冠を達成 (主演男優賞:
山田孝之、助演女優賞:
綾瀬はるか、主題歌賞、新人俳優賞:
田中幸太朗、脚本賞:
森下佳子、監督賞:
堤幸彦、
石井康晴、
平川雄一朗、キャスティング賞、タイトルバック賞)。また、第1回ソウル・ドラマアワーズ2006のシリーズドラマ部門の優秀賞・演出監督賞を受賞。
亜紀役を好演した綾瀬はるかの出世作となり、
P&Gの「パンテーン」の
CM出演やグラビアアイドルとしての露出はあったものの放送時にはまだ無名に近かったことから、ウェブのサーチエンジンの検索ワードのトップをキープしつづけた。
主演の山田孝之は恋愛ドラマの主役としても注目された。この作品から約1年後、
オフィスクレッシェンドのメンバーを除いた同じスタッフで山田孝之主演、綾瀬はるかヒロインの
白夜行でコンビを組む。
ロケ地となった
松崎町は、ドラマで描かれた風景を求め、訪れる者が絶えない。
道の駅伊豆のへそにはこれに関連して、他の伊豆方面で
ロケ撮影の行われた作品とともに、作中の小道具・大道具などの展示が行われている(2008年6月現在)。
キャスト
17年前
- 松本朔太郎(17):山田孝之 - 成績も運動もごく平凡な高校2年生。
- 廣瀬亜紀(17):綾瀬はるか - 朔太郎のクラスメイトで恋人。学級委員。陸上部
- 大木龍之介(17):田中幸太朗 - 朔太郎の幼なじみ、漁師の息子、あだ名はスケちゃん。
- 中川顕良(17):柄本佑 - 朔太郎の幼なじみであり、クラスメイト。実家は寺でアダ名はボウズ、亜紀に思いを寄せる
- 上田智世(17):本仮屋ユイカ - 朔太郎の幼なじみであり、亜紀の友人であり、クラスメイト。陸上部。龍之介に恋心を抱く
- 松本芙美子(13):夏帆 - 朔太郎の妹
- 安浦正(17):田中圭 - 学級委員
- 黒沢千尋(17):水野はるか(水野友加里)
- 池田久美(17):浅香友紀
- 真島順平:鳥羽潤 - 亜紀と同じ稲代総合病院の白血病患者
- 安田:浅井江理名 - 亜紀の友人
- 上田薬局店主:おかやまはじめ - 智世の父親
- 稲代総合病院の医師 - 浅野和之
- 谷田部敏美(35):松下由樹 - クラス担任国語教師。陸上部顧問
- 松本潤一郎(47):高橋克実 - 朔太郎の父。農協に勤めていたが謙太郎の没後、写真館を継ぐ。
- 松本富子(43):大島さと子 - 朔太郎の母。漁協に勤めている。
- 廣瀬綾子(43):手塚理美 - 亜紀の母
- 廣瀬真(48):三浦友和 - 亜紀の父、建築士事務所経営、一級建築士
- 松本謙太郎(72):仲代達矢 - 朔太郎の祖父、松本写真館創業者
現在
- 松本朔太郎(34):緒形直人 - 大学病院研究医
- 小林明希(34):桜井幸子 - 朔太郎の大学時代からの親友、シングルマザー。保険外交員をしながら一樹を育てる。
- 小林一樹:仲條友彪 - 明希の息子
- 松本潤一郎(64):高橋克実
- 松本富子(60):大島さと子
- 廣瀬綾子(60):手塚理美
- 廣瀬真(65):三浦友和
- 谷田部敏美(52):松下由樹 - 教師を続けている。
- 武野功雄 - たこ焼き屋店主
- 野添義弘 - 中川の父、寺の僧
スタッフ
主題歌・サウンドトラック
-
柴咲コウ『かたち あるもの』(ユニバーサルミュージック)
-
河野伸『世界の中心で、愛をさけぶ TVオリジナル・サウンドトラック』(ユニバーサルミュージック)
サブタイトル・視聴率
書籍
- 世界の中心で、愛をさけぶ MEMORIES(角川書店・2004年09月)※ドラマの公式ビジュアルブック。
- ピアノ・ソロ 世界の中心で、愛をさけぶ/TVオリジナル・サウンドトラック(ドレミ楽譜出版社・2004年8月)※ドラマの公式楽譜集、初級者・中級者向けの2種、巻頭に石丸プロデューサーへのインタビュー記事あり。
主なロケ地
-
静岡県
-
賀茂郡
松崎町:堤防、港、川沿い、橋、あぜ道、たこ焼パパさん、宮浦高校、学校帰り道、亜紀の家、松本写真館、中川の寺、上田薬局、港近くの稲荷神社、あじさいの丘(1、2、7)、松本潤一郎の勤務先農協(3)、骨をまこうとした山・寺(3)、自転車の練習をした河原(3)、智世にキャンプを断られた広場(5)、廣瀬真の勤務先建設会社(7)、一樹と遊びにきた川(8)、お百度参りした神社(8)、病院へ急いだ道(8)、朔・明希・一樹が自転車に乗っていた道(終)
- 賀茂郡西伊豆町:火葬場(3、終)、堤防(ポスター他)
- 賀茂郡東伊豆町:朔が帰郷した駅(2)、スケちゃんを見送った宮浦南駅(4)、陸上競技場まで走った橋(4)、亜紀が入院した稲代総合病院(5〜)、病院までの坂道(6)、明希が事故にあった駅前(9,終)、タクシーを拾った道(10)、東京へ向かった宮浦駅(特)
-
伊豆の国市(旧:田方郡韮山町):航空券を買った旅行店(10)、空港へ行く途中の稲代駅(10)
-
伊豆市:朔の家(1〜)、フェリーのりば(5)、オーストラリアで泊まったホテル(8)、明希が入院した病院(10,終)
-
富士市:富士市総合運動公園・陸上競技場(4)、智世が転んだ坂道(4)
-
下田市:朔が入ろうとした海(6、7)、亜紀が入ろうとした海(7)
-
東京都
-
新宿区:ラジオスタジオ前(1)、一樹が歩いた線路際(7)
-
渋谷区:明希の勤務先(2)
-
八王子市:朔の勤務先(1)、朔が入院した病院(1)
-
武蔵野市:一樹が通っている幼稚園(6)
-
千葉県
-
福島県
-
オーストラリア
舞台『世界の中心で、愛をさけぶ』
スタッフ
キャスト
ラジオドラマ『世界の中心で、愛をさけぶ』CD Book
TOKYO FMで2004年05月に放送されたラジオドラマを
CDに収録し、ブックレットにシナリオ、イメージ写真を収めた構成となっている。
スタッフ
- 原作:片山恭一
- 脚本、演出:飯村聖美
- 出版:TOKYO FM出版(2004年07月)
出演
映画『僕の、世界の中心は、君だ。』
映画版の『世界の中心で、愛をさけぶ』の、韓国版
リメイクという形を取っているため、出てくるエピソード等も映画版をなぞっている。ただし、ストーリー展開自体は原作の形を踏襲しているため、映画版での藤村律子に相当する役はほとんど活躍しない。また、いくつかの設定が韓国風に置き換えられている(例:スホの祖父の職業)。
なお、このタイトルは
邦題であり、原題は「Parang-juuibo」(波浪注意報)、英語題は「MY GIRL AND I/PARANG LOVE」である。
ちなみに、エンドロールの際に流れる『瞳をとじて』の韓国語バージョンは、日本公開版にのみ採用されたものである。
スタッフ
- 製作総指揮:テディ・チョン
- 製作:テディ・チョン
- 監督:チョン・ユンス
- 脚本:ファン・ソング
- 脚色:チョン・ユンス、チャン・ムニル
- 撮影:パク・ヒジュ
- 音楽:イ・ドンジュン
キャスト
書籍
※韓国版のノベライズ
諸外国語への翻訳
-
Socrates in Love(Viz Communications, 2005年),Akemi Wegmuller 訳 ISBN 1421501546 〔小説、英語〕
-
Socrates in Love (Viz Communications, 2005年),Kazumi Kazui 絵 ISBN 1421501996 〔漫画版、英語〕
- ''Un cri d'amour au centre du monde'' (Presses de la Citr, 2006年) Vincent Brochard 訳 ISBN 2258069084 〔小説、フランス語〕
-
Gridare amore dal centro del mondo (Salani, 2006年), Marcella Mariotti 訳 ISBN 88845184774 〔小説、イタリア語〕
-
Gridare amore dal centro del mondo(Kappa Edizioni, 2006年), Rebecca Suter 訳 ISBN 8874711298 〔漫画版、イタリア語〕
-
Cry out for love (Egmont Ehapa, Berlin, 2005年),Kazumi Kazui 絵 ISBN 3770463676 〔漫画版、ドイツ語〕
- 『在世界的中心呼喚愛情』(時報文化,2004年),楊嵐 訳 ISBN 9571341339 〔小説、台湾版〕
- 『??? ???? ??? ???』,???訳 ISBN 8990054206 〔小説、韓国語〕
- 『在世界中心呼喚愛』(青島出版社,2004年),林少華 訳 ISBN 7543630508 〔小説、中国(大陸)版〕
- 『在世界中心大聲呼喊:我愛你』(天地図書有限公司,2004年),林少華 訳 ISBN 9789882018679 〔小説、中国(香港)版〕
-
Das Gewicht des Glücks,Thomas Eggenberg 訳 (Goldmann, 2007年) ISBN 3442460618 〔小説、ドイツ語〕
- 『世界の中心で、愛をさけぶ』(小学館,2001年),片山恭一 ISBN-13 978-4093860727 〔小説、国語〕
原作からの変更点
その他
- 映画版の長澤まさみ、ドラマ版の綾瀬はるか共に、リアリティを出すため劇中、剃髪している。特に綾瀬はP&G「パンテーン」のCMをドラマ前から出演、美髪で売っていたので(彼女の思い切りの良さや真偽含めて)その反響は大きかった。その後しばらく、彼女はドラマやCMではウィッグやエクステンションを駆使、普段はベリーショート(この頃「あいくるしい」に出演)→ショートまで伸びた「ポカリスエット」夏バージョンでようやくウィッグから解放されたが、この時は「綾瀬はるかショートヘアーに」と誤った報道をされた。その後はセミロング→アレンジヘアとしていた。そのためパンテーンについては彼女はイメージキャラクターとしてのみ残っていたが、2006年、CM復活。また同社のマックスファクターのイメージキャラにも抜擢。
- 映画「ラフ」のイベントで長澤まさみはスキマスイッチと映画版の話になり、「坊主にすると頭がかゆくて…」と苦笑いしながら発言した。また綾瀬はるかは普段日記を欠かさないが、父の薦めで髪の伸びゆくさまを記録した「坊主日記」を併せてつけていたという。禿げないか心配でたまらなかったらしい(「はなまるマーケット」より)。
- テレビドラマ版で廣瀬亜紀を演じた綾瀬はるかと、舞台版で同役だった佐藤めぐみは、2004年のフジテレビヤングシナリオ大賞・P&Gパンテーン ドラマスペシャル「冬空に月は輝く」で共演。
-
2004年度の第42回ゴールデン・アロー賞では、映画賞に映画版で廣瀬亜紀を演じた長澤まさみと、新人賞受賞者の一人としてテレビドラマ版で同役だった綾瀬はるかが選ばれ、授賞式の記念撮影の際に、長澤と綾瀬が同じフレームに映るというハプニングがあったが、「二人の廣瀬亜紀」のツーショット会見は実現しなかった。
- テレビドラマ版で朔太郎の父親、潤一郎役であった高橋克実は、後にセイコーエプソンのカラープリンター、「カラリオ」のCMで、映画版で廣瀬亜紀を演じた長澤まさみの父親役として登場。一方、テレビドラマ版で朔太郎の妹、芙美子役であった夏帆は、キヤノンのカラープリンター、「PIXUS」のCMに起用されている。
- 映画版が1986年が舞台なのに対して、ドラマ版ではそれより1年新しい1987年が舞台になっている。
- 韓国版のスウンを演じたソン・ヘギョは秋の童話でやはり白血病で命を落とす主人公を演じている。
関連項目
外部リンク
かいのちゆうしんてあいをさけふ