身長(しんちょう)、
背丈(せたけ)は、
人間が直立した時の体の高さ。
人間以外の
動物は「
体長」と言う。また、古語では
身長と書いて
みのたけとも読む。
現在、日本では
メートル法で
センチメートル表記を主に使用するが、古くは
尺貫法で、
尺・
寸を用いて表記していた。特に成人男性の身長は5尺台(約150~180cm)であることが多いことから、「5尺」を省略して寸だけで身長を表すことが広く行われていた。
また、身長は一日を通して一定ではなく、平均身長の男性で約2cm程度の変化がある。これは、朝起きたときには椎甲板が充分に水分を含んでいるが、夜寝る前には自重等により圧迫されかなり水分を放出するためと言われている。
身長を決定する要因
身長は主に成長ホルモンの分泌によって左右される。成長ホルモンは睡眠時に多く分泌されるため睡眠は重要である。特に「規則正しく、快適に、十分な時間の睡眠をとる」ことは、身長の伸びに限らず成長に大切である。
また、成長期の動物性蛋白質の摂取は身長の伸びに良い影響を与える。これは、戦後の食肉の消費量の増加と身長の伸びの相関をみれば明らかである。
また個人の身長は両親の身長から大まかに計算することが可能。予測身長とよばれ、男子は(両親の身長の合計+13cm)/2、女子は(両親の身長の合計-13cm)/2 として算出する。他にも幾つか細部が異なる計算方法もある。概ね、この数値の誤差9cm以内で収まるのが一般的だが、成長期に身長が伸びる環境として理想的な過程を送ったり、またはその逆の個体ではその限りではない。
理想的とは「適度な運動での骨への刺激、タンパク、カルシウム、その他充分な睡眠」、などを指す。予測身長から予想される発育プロセスから異様に乖離した個体に対しては、ホルモン分泌の異常が疑われることもある。
成長期後にも少しずつ身長は伸びているともいわれ、100年で1cmぐらいの成長速度であるという。ただ、老衰とともに脊椎が湾曲したりするために正確な計測は難しい。
気候の影響
ベルクマンの法則によると、同種の恒温動物では、寒冷地に住む種が熱帯地に住む種に比べて大柄になるとされる。これは、体が大きくなると表面積が増えて放熱量が増えるものの、体積の増加によってそれ以上の熱生産量の増加が可能になり、寒冷地での生存に有利になるためとされる。
ポリネシア地方は熱い気候であるが大柄な人が少なくない。海洋地域では低温に体がさらされることもあるためという説もある。
日本の平均身長の推移
もともと
縄文時代には現代より小柄であった。ただし、有史以来少しずつ大きくなってきたわけではなく、概ね
戦国時代には大きくなり、
江戸時代に小柄になり、明治以降栄養状態がよくなり、
第二次世界大戦後は食事の洋風化もあり過去最高の水準となる。
1980年代以降はほとんど変わっていないと言われてきたが、『170cmを裕に超える生徒が男女問わず―特に女子に顕著に―目立って増えてきた。』という
中学校の教育者の体感や、『一昔前の
高校生の体格をした
小学生がランドセルを背負ってぞろぞろと歩いている。』・『身長180cm以上の中学生がいても不思議ではない』という多くの人々の体感などが取り上げられる傍ら、個人差によるバラつきの幅があまりに広がってしまった
現代―特に
1990年代以降において身長を平均で論ずることの無意味さと、その算出過程それ自体についての問題点が研究者らにより指摘されている。
身長と生活
日本では、体格が大きくなることを「体格が良くなる」と表現することがある(方言では「よう太ったね」などとも言われる)が、大きくなることが長寿や健康上とくに有利というわけではなく、必ずしも生物学的な進化というわけではない。例えば、心臓等の機能が同じままで体だけ大きくなった場合はそれだけ心臓の負担は増すということになり、健康上マイナス要因になる。また、体が大きいほうが維持するエネルギーも多く必要となる。
多くのスポーツでは、身長が高いことが有利にはたらく。特に
バレーボール、
バスケットボールなど高さを要求するスポーツでその傾向が強い。
サッカーなど他の競技でも、リーチや打点の高さなどの面で長身が利点となる。
ただし、長身を動かすには時間がかかるために俊敏性や器用さの面で劣ることあり、不向きとされるポジションもある。長身でない選手が活躍しやすいポジションとしては、
バレーボールの
リベロ、バスケットボールのガード、サッカーの
ミッドフィールダーなどが挙げられる。
競馬や
競輪、
ボブスレーなど乗り物に乗る競技では、可能な限り体重を落とす必要があるため、高身長は致命的なまでのハンデとなる。
また、競技によっては体に負担がかかり、体重を支える膝を故障するケースが多い。上記にあるように、心臓等の体の負担も大きく、極端に高身長な人は短命に終わりやすいといえる。
身長の推定
足痕長、足痕幅から、およその身長を推定することができることがある。
一般に、日本人の成年男性の身長は、身長(cm)=80.44+3.53×足痕長(cm)、身長(cm)=109.40+5.23×足痕幅(cm)の計算で、推定できるとされている。
また、日本人成年女性の身長は、身長(cm)=71.09+3.65×足痕長(cm)、身長(cm)=110.14+4.14×足痕幅(cm)の計算で、推定できるとされている。
身長と性的嗜好
性的嗜好として身長が高いこと、低いことにこだわる人は少なくない。特に長身の男性を好む女性は多く、バブル期には
三高の条件のひとつに数えられた。一方男性には小柄な女性を好む者が少なくないと言われる。ただし男性の場合は「自分より身長の高い女性」を苦手とする場合が多く、性的嗜好とは少々異なってくる。もちろん長身の女性を好む男性もいる。一方女性にも小柄な男性を嗜好する者もいる。あくまで嗜好なので、男女双方とも相手の身長を気にかけない、あるいは全く気にしない者も少なくない。
身長に関する迷信
統計的に、
第一次性徴期に
睡眠時間が少ない場合は
第二次性徴を早めに迎えることが多く、結果、身長の伸びが早く止まってしまう。また、成長ホルモンは睡眠時(特に23時 - 2時)に最も多く分泌されることも関係してくる。
他にも「小魚を食べる」等がある。共通するのは
カルシウムを多く摂取しようということである。カルシウムの摂取が身長の伸びにどう関与するかは明確ではない。また、人が一日に摂取できるカルシウムの量は決まっている。
身長を伸ばすためには
蛋白質が重要で、カルシウムは骨を硬くするだけという指摘もある。もっとも、牛乳には蛋白質も含まれているため、摂取量の差が身長の差に現れる可能性がある。
脚注
しんちよう