市(し)は行政区分のひとつで、通常は人口が多く密集した自治体にあてられる。大密集地のために特別区など市と別の区分を設けることもある。
行政上の区分としてあるかどうかに関わらず、人口密集地をより一般的にとらえる場合には、
都市ということが多い。
日本における市
市制の市
近世までの日本では、商工業者が住む人口密集地を
町、農民が住む集落を
村として区分し、市という行政単位はなかった。
地方自治法の市
1947年に
地方自治法が制定されると、市町村はこの法律に従って置かれた。
地方自治法では、市は
都道府県に次ぐ規模の
普通地方公共団体である。市となるべき普通地方公共団体の要件(
市制要件)は地方自治法第8条に以下が示されている。
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原則として人口5万人以上
-
中心市街地の戸数が全戸数の6割以上
-
商工業等の都市的業態に従事する世帯人口が全人口の6割以上
- 他に当該都道府県の条例で定める要件を満たしていること
だが一度市になると、人口の減少などにより市の条件を満たせないようになっても、市のままでいることができる。まだ日本で、市になった都市が町村になったことはない。ただし
分立により町村になったケースはある。なお、市であっても広さや市街地の配置などによっては山間部や農村部が面積の大半を占めている場合もあり、必ずしも町村より
人口密度が高いというわけではない。
町、
村から市への移行手続きは地方自治法第7条に定められており、関係市町村の申請に基き、
都道府県知事があらかじめ
総務大臣に協議し、その同意を得た上で当該都道府県の議会の議決を経てこれを定め、直ちにその旨を総務大臣に届け出ることとなっている。(町〈村〉を市とする処分)
しかし実際には、総務大臣との協議の際に、地方自治法第8条の市制要件の他、市制施行協議基準(昭和28年3月9日付け 自乙発第14号
自治庁次長通知)も満たすことが求められるため、多くの町村にとって市制への移行は容易なものではないのが現状である。
また1995年に改正された
市町村の合併の特例に関する法律(合併特例法)など市町村合併を促進する法整備がなされ、市町村合併の際における市制要件が人口3万人以上に緩和されその他の要件を満たす必要がなくなるなどしたため、町村合併により市制を目指す例も多く見られた。なお、この合併特例法は
2005年3月に失効したが、4月からは
市町村の合併の特例等に関する法律が施行された。
市の名称について
こうしたことを踏まえ、
1970年に各都道府県知事あてに出された「地方自治法の一部を改正する法律の施行について」(昭和45年3月12日自治振第32号)という自治
事務次官通知によって、「市の設置若しくは町を市とする処分を行う場合において、当該処分により、新たに市となる普通地方公共団体の名称については、既存の市の名称と同一となり、又は類似することとならないよう十分配慮すること。」とされるようになった。
しかし、平成の大合併が行われるなかで、歴史的に共通した項目があるなどの合理的な理由によって既に存在する市側が了承すれば、同一の名称を使用することができるようになり、
福島県伊達郡伊達町ほか4町が申請した
伊達市が
北海道伊達市と同一名称であるにもかかわらず認められた。
2006年現在、同一名称の市としては前述の府中市と伊達市の2組が存在するのみとなっている。
都市制度
一定以上の規模や地域での役割をもつ市は、政令で指定されることによって、より多くの行政サービスを行う権限を持つ、
特例市、
中核市、
政令指定都市に移行できる。
関連項目
外部リンク
脚注
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