四国・九州アイランドリーグ(しこく・きゅうしゅうアイランドリーグ)は、株式会社
IBLJが中心となって企画された、
四国地方4県と
九州地方2県を活動地域とする
野球の
独立リーグである。将来の
プロ野球選手を目指そうとする選手たちによる、地域文化に根ざした従前のプロ・
アマに属さないリーグ創設を目指す目的で設立された。
概要
発足当時、リーグ戦の愛称は四国4県、球団名については各球団の本拠県の、それぞれの在住・在勤・在学者のみを対象として一般公募された。主流のプロ野球と一線を画す日本の野球プロリーグ戦としては、
国民野球連盟以来、58年ぶりである。
リーグ運営事務局
沿革
2005年まで
2006年
2007年
2008年
リーグ構成球団
- 2005年から参加の球団
- 2008年から参加の球団
編成
四国アイランドリーグ時代は、1チームに監督1名、コーチ2名、トレーナー2名、選手25名までだった。
2008年より選手登録枠を30名程度まで拡大している。また、選手登録枠外に練習生として選手を保有することも可能である。
リーグ発足当時の構想では選手の在籍は3年以内という条件があったが、現在は制限はない。2008年のシーズン開幕時点で4年目となる選手は23名在籍している。
審判
リーグ発足当時に、元セ・リーグ審判副部長の
福井宏、NPO法人UDC(Umpire Development Corporation、本部東京/平林岳理事長)、四国地区全日本軟式野球連盟の三者の協力により運営が開始された。発足時のリーグの審判責任者は福井宏で、自ら当時の石毛代表にリーグの審判になることを志願して採用されたという逸話がある。福井は2006年のシーズンまでリーグの審判を務めた。
その後、プロアマ規定などの問題により四国地区全日本軟式野球連盟が審判運営より撤退したことや、新規参入チームの九州地区への拡張等の理由により、リーグ独自の審判員を育成することになり、2008年のシーズンより審判部が発足した。初代の審判部長は元パ・リーグ審判部長の
村田康一。副部長は2005年のリーグ発足時から実質の現場責任者として最多試合出場している神谷佳秀。2008年のシーズンは、部長・副部長のほかに常勤と非常勤の審判員約20名が在籍している(ただし、部長は実際の試合に出場することはない)。2008年からはシーズン終了後に最優秀審判の表彰も行われるようになり、田村光弘が最初の表彰者となった。
過去の在籍者からは市川貴之、
水落朋大のようにNPBの審判に進む者も現れている。
巡回コーチ(初年度のみ)
各球団のスタッフは監督+コーチの計3名に限定されている。リーグ発足当初はこれを補うために、IBLJが契約したコーチが数人で球団を越えて巡回指導していた。当時のメンバーは下記の通り。
2年目以降は各チームが必要に応じて外部の臨時コーチを招聘するようになっており、巡回コーチは実施されなくなった。
試合
ホーム・アンド・アウェーによるリーグ戦。四国アイランドリーグ時代はホーム45試合、ビジター45試合の計90試合だった。2008年のシーズンからは、リーグの拡張に伴う移動距離の増加を考慮し、従来より10試合少ない80試合で運営されている。
指名打者制を採用している。また
予告先発を実施しており、通常は試合前日に発表される(前日に試合がある場合は7回終了時点に発表)。原則として毎週金曜〜日曜の週3試合ペース(2005年は毎週木曜〜日曜の週4試合ペース)で開催する。四国アイランドリーグ時代は、遠征の際は宿泊せずにいったん地元に戻る方式で連戦は少なかったが、2008年より移動が長距離になることから、連戦を中心としたスケジュールに変更されている。
ナイター設備の無い高知を除き、基本的には金曜日はナイトゲ−ムまたは試合の途中からナイター照明を入れる薄暮開催とし、土・日・祝日は4月から6月まではデーゲームを中心に、7月から10月まではナイトゲ−ムを中心とした編成で日程が組まれている。9回を終了して同点の場合は引き分けとし、
延長戦は実施しない。
2005年度は1シーズン制だったが、2006年度より前期、後期の
2シーズン制とし、それぞれの優勝チームが年間優勝を賭けて5試合制・3勝先勝でリーグチャンピオンシップを争う。前期、後期とも同じチームが優勝の場合は、年間勝率2位のチームとのリーグチャンピオンシップとなる。この場合前期、後期の両ステージとも完全優勝したチームに1勝のアドバンテージが与えられるため、年間1位チームは2勝すれば完全総合チャンピオンとなる。
2008年には初の試みとして、シーズン開始前の3月下旬にリーグ6チームによるトーナメント戦(「阿南市長杯」)が実施された。
2008年のシーズンから、公式戦のスコアブックをリーグ公式ホームページ上に
PDFファイル形式で掲載している。
選手
プロ野球選手を目指す野球経験者をトライアウトで獲得する。6球団で約150人。リーグ発足時はトライアウト参加資格が17歳から24歳とされ、1チームの保有枠は25人だった。2008年度のトライアウトからは年齢制限が29歳に引き上げられ、各チームの保有選手枠が30人程度にまで拡大された。これはリーグの拡張に伴う措置である。さらに2009年度のトライアウトでは「15歳以上の義務教育を修了した男性」と年齢の制限が大幅に緩和された。
リーグ発足当時は四国4県の出身者は原則として「自分の出身県のチーム」に所属していた(2007年のシーズンからは他県所属者が発生)。リーグ初年度は選手紹介の際にその旨が紹介され、スターティングメンバーでなくても、指名打者・代打・中継投手など、何らかの形で試合に出ることが多かった。「地元密着」というリーグ方針によるものだったが、現在ではそうした傾向は見られなくなっている。また、初年度には各チームの指導者が選手のNPBに向けた潜在能力を評価・序列化した「プロスペクト」を公表したが、2年目以降は行われていない。
2006年5月から元NPB所属選手も受け付けることになった。NPB経験者については当初よりトライアウト時の年齢制限がない。NPB経験選手第1号は
広島東洋カープから香川に入った
天野浩一。また、社会人野球は1チームに付き2名のプロ野球経験者の登録しか認めていないため、社会人野球チームが少なくなっている現在、四国・九州アイランドリーグでNPBの元選手が増える事も考えられる。
選手契約
契約の締結・解除はシーズンオフの契約満了時やトライアウト時だけでなく、シーズン途中での契約やシーズン中を含む契約期間途中での契約解除となるケースもある。シーズン途中の入団の場合には2008年度以前より年齢制限に拘らないとしていた。契約期間中の契約解除者は2005年が12人、2006年が11人だったが、2007年は7人にとどまった。2008年は練習生降格者やリーグ他球団での再契約者を除いて12人だった。
リーグ内での選手の移籍は2年目より随時・適宜実施されていたが、2008年8月より「リーグチャンピオンシップ終了翌日から翌年シーズン後期開幕日前日まで(2008年度のみ特例として8月末まで)」と明確化された。この段階では、いったん戦力外通告によりあるチームとの契約を解除された選手が他のチームと契約することについては期間の制限はなかった。同年11月になって、退団した選手がリーグの他球団でのプレーを希望する場合は旧所属球団の申請に基づいてリーグが
ウェーバー公示を行い、一週間以内に獲得希望球団が出た場合はその球団が交渉権を獲得(複数の場合は希望球団間で調整)、出なかった場合は他の球団も含めて交渉を可能とするルールが定められた。
トライアウト要項
2007年度生のトライアウト要項では「報酬支払い対象期間は契約期間内2〜11月の10か月間、その間契約選手の最低保障は『月額10万円と住居提供』、さらに試合でのパフォーマンス等に応じて実績給を支払う予定」となっていた。
外国人選手
同リーグではいわゆる「助っ人」としての外国人選手としてではなく一選手として外国籍の選手にも門戸が開かれている。リーグでは積極的な外国人選手の受け入れを進めている。2008年12月には、チーム数が減少する台湾プロ野球選手の受け皿という目的で、台湾で初の海外トライアウトを実施した。
表彰
NPBドラフト指名実績
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2005年
- リーグ初年度である2005年度のドラフトでは所属選手が指名されることはなかったが、この年より創設された育成選手制度のための育成ドラフトで愛媛・西山、同じく愛媛・中谷が指名を受けた。2名とも後に支配下登録されている。
-
2006年
- 大学・社会人ドラフトで香川・深沢、高知・角中が指名され、初の支配下登録枠でのドラフト指名選手を輩出した。また育成ドラフトでは香川・伊藤が指名された。伊藤は2007年のシーズン中に支配下登録されている。
-
2007年
- 大学・社会人ドラフトで香川・三輪が指名され、2年連続の支配下登録枠でのドラフト指名となった。また育成ドラフトでは5人の選手が指名された。梶本は2008年のシーズン中に支配下登録されている。
-
2008年
NPBドラフトでの扱い
アイランドリーグに所属する選手は当然アマチュアではなく独立リーグとしてのプロ選手となり、ドラフト会議においては独立リーグ所属選手特有の扱いを受ける。その一番の特徴としては、高校・大学卒業時点でNPBによるドラフト指名を受けずにアイランドリーグに加入した場合、初年度から指名を受けることが可能となることである。ただし、かつて
希望入団枠制度が存在した当時はその対象外とされていた。
なお、NPBのドラフト指名を拒否して加入した高卒選手及び大卒選手や、
プロ志望届を出さなかった高卒選手に関してはこの限りではなく、他の社会人選手同様の指名制限を受けることとなる。これは、一度入団を拒否した選手がアイランドリーグを迂回して、結果的に社会人・学生経由よりも早くNPBに入団できてしまう事を防ぐための措置である。現時点ではプロ入りを拒否してアイランドリーグに入団した選手はいない。
当初は全選手に対して学生・社会人と同等の指名制限期間を設けることも検討されたが、リーグ側や四国各県からの要望もあって、上記のように指名されなかった選手に関しては条件が緩和された。
なお、2005年度は特例としてアイランドリーグ所属選手全員が
ドラフト会議指名の対象となった。
指名時の契約
アイランドリーグ所属の選手がNPB球団に入団した場合、選手がプロ野球球団から受け取る契約金と初年度年俸の一部をアイランドリーグの所属球団に支払う契約となっている。アイランドリーグに支払う金額や割合、アイランドリーグとの契約解除後にプロ入りした場合の扱い、NPB以外のプロ球団と契約した場合の扱い等、詳細については明らかにされていない。2006年のドラフトで香川からNPB入りした2名の選手の場合、契約金と初年度年俸の2割が香川の収入になったと報じられている。
メジャーリーグ機構への移籍者
2008年になり、アメリカの
メジャーリーグの一部の球団が、選手の供給源としてアイランドリーグを視野に入れていると報じられるようになった。その中で、香川の
松尾晃雅が
ボストン・レッドソックスとマイナー契約を結んだことが同年3月に明らかになった。リーグからメジャーリーグ機構に所属する球団に進む第一号となる。同じ香川の
堂上隼人についてもやはりレッドソックスがマイナー契約での獲得を求めて交渉中と報じられていたが、2008年は香川に残留し、シーズン終了後に福岡ソフトバンクホークスから育成選手枠で指名されたため、メジャーリーグ入りは実現しなかった。
経営
理念先行で始まった当リーグは、運営見通しの甘さが指摘されていた。リーグ初年度となる2005年度はシーズン開幕前に収入約7億5000万円、支出約6億7000万円で8000万円の黒字を見込んでいると発表されたが、シーズン中から有料入場者の少なさやスポンサー収入の伸び悩みが報道されるなど資金繰りの悪化が懸念されていた。2006年3月6日に開いた会見では、2005年度の収支は当初計画では8167万円の黒字を予定していた事、2005年度の決算見込みが3億1497万円の赤字である事、2006年度は赤字額を約1/10の3161万円に圧縮し2007年度に黒字転換を目指す方針である事などが発表された。しかし2006年シーズン閉幕後の10月24日、
香川県庁で行われた記者会見でも2006年度の収支が約1億5000万の赤字となる見通しである事が発表された。
こうした赤字状況を改善するため、2年目からは抜本的な改革が断続的に行われた。
2006年3月には、各球団がより地域に密着した独自経営を可能とするためにIBLJの事業部門だった各球団をIBLJの100%出資により資本金1000万円の子会社として法人化し、各球団に興行権を委譲した(高知を除く3球団は2006年中に新たな出資者を確保)。また人件費削減も頻繁に行われており、選手給与も大きく変遷している。1年目の2005年度は一律月額12万円だった選手給与を2年目の2006年度は基本給12万円・10万円・8万円と三段階のランク制に変更、これに住居提供と試合出場等の実績に応じたインセンティブ(出来高払い)が加えられる。2007年度以降の選手給与に関しては#トライアウト要項を参照のこと。2007年6月、前年から各球団の分社化・興行権委譲に伴い2007年から
サラリーキャップ(総年俸抑制)制度を敷いたと発表された。当時は上限が非公開だったが、前記の通り2009年度トライアウトより40万円と明示されている。
これら運営方法の改善に伴って、リーグ運営の実権は当初リーグ設立の中心人物だった石毛宏典から、鍵山誠を始めとしたスポンサー等から集まった経営陣へと移行し、石毛は2006年12月に株主への説明がないまま辞表を提出、2007年3月に「現経営陣に僕の意見が通らなくなった」として社長を退任し、コミッショナーとなった。さらに、同年12月末のコミッショナー契約満了をもってコミッショナーも退任、自らが創設したリーグの運営から完全に離れることとなった。ただし現在もIBLJの株主である。また、2008年1月には愛媛マンダリンパイレーツのシニア・チームアドバイザーに就任した。
なお、分社化した球団のうち、香川と愛媛については2007年よりリーグからの経営補填金を受けない独立採算に移行している。
課題
見切り発車に近い形で始まった当リーグは発足当初、金銭的な面を中心に複数の問題点が指摘された。その後改善されつつあるものの、4年目が終わった現在も完全には解消に至っていないものがある。主要な課題として以下をあげる。
入場者数について
2005年度の公式戦180試合の総観客動員数は19万1194人・1試合平均1068人で、開幕前に目標とした14万4000人を上回ったが、無料券を40万枚配布しており、その券での入場者が全体の約6割を占め、売り上げが伸びなかった。
そのため2006年度は無料券を大幅に減らし、有料の入場者数を増やす事で売り上げを増やす方針を採った。またその他にも前年の反省を踏まえて、集客の多い金土日の三連戦を基本に日程を組み、香川の主催試合でシャトルバスを運行するなど利便性の向上に努めた。しかし、4チーム総当りのリーグ戦のため対戦カードが乏しいこともあり、リーグ創設からのコアなファン以外の新たな需要を掘り起こしたとは言えなかった。
最終的に2006年度のリーグ戦180試合の平均入場者数は806人、リーグチャンピオンシップ4試合の平均観客数は1835人だった。前年の1試合あたりの入場者数1068人を下回ったが無料券の配布を前年より抑えたため全体の入場料収入は改善された。とはいえ採算ラインと予想されている1試合あたりの入場者数1500人には程遠い結果だった。
2007年度のリーグ戦180試合の平均入場者数は1100人となり、リーグ記録を更新した(リーグチャンピオンシップ2試合の平均は2000人)。10月31日のリーグ首脳の記者会見によると観客の約4割が無料券によるものである。まだ採算ラインには届かないものの、2006年の分社化により各チームが取り組んできた集客策が功を奏し始めたといえる。一方、チームの置かれた環境による格差も拡大し、香川は1試合の平均が1500人を超え(初年度の愛媛以来)、愛媛・徳島も1000人台を確保したのに対し、高知は前年に続いて500人台に留まり、後述の経営問題の要因となった。
2008年度はリーグ拡張による集客が期待されたが、新加入の九州2球団はいずれも1試合平均が500人前後にとどまった。また新たな経営者を迎えた高知も前年よりもさらに少ない1試合平均338人となり、依然として厳しい状況が続いている。このほか、無料券の配布を前年より抑えた影響もあり、リーグ戦240試合の平均入場者数は886人と前年の水準を下回った。四国4チームに限ると1076人で、比較的安定した動員の香川・愛媛・徳島の3球団も前年より微減となっている。リーグチャンピオンシップ3試合の平均観客数は3009人で過去最多だった。
選手レベルと経営
発足当時より
日本野球機構 (NPB) へのアピールの目的も兼ねて、リーグの選抜チームや単独チームとNPB2軍との交流試合を多く行っており、近年は単独チームで勝利を収める機会も増えてきている。これまで3年間でNPBに延べ7名の支配下登録選手(うち4名は育成選手制度経由)を輩出している。以上からリーグの選手レベルは推察可能である。NPBの1軍と比べれば選手の実力はまだ低いと考えられ、その実力の低さがリーグへの関心が盛り上がらず集客が低迷を続ける一因とする指摘もある。
しかし、四国・九州アイランドリーグは「将来プロを目指す才能ある若者にチャレンジの場を」というのが活動趣旨でありNPBに選手が指名されることがその目的である以上、優れた選手であればあるほど同リーグからの離脱リスクは高く、選手レベルの高さをリーグの集客要因とするのは構造的欠陥を抱えることとなり望ましくない。たとえ実力不足が集客不足の要因であるとしても、その解決手段としては選手の実力に左右されない集客手段を求める必要がある。
実際、同リーグから実質的に移籍した選手も所属し、選手レベルは近いと考えられる
BCリーグでは観客動員は同リーグより高い水準で推移しており、地域人口、集客力、地元経済界の支援など地域の経済条件が選手レベルよりも大きな集客要因となることを示している。
NPBへの選手輩出人数
4年間で合計300名弱の選手が所属した中で、NPBから指名があったのは育成選手としての指名を含めても17名にとどまる。当初に比べて指名者の数は増加しているが、累計では6%程度となる。
リーグ初年度終了の頃には、指名が少ない理由の1つとして「アイランドリーグ選手の実力がどの程度か分からない」といった声があげられていた。そのため、
2005年11月に行ったサーパス神戸(現
サーパス)との練習試合を皮切りに、2006年以降もNPB2軍チームとの交流戦を頻繁に行い、NPB関係者へのアピールの場としている。2007年からは、10月に開催される
教育リーグのフェニックスリーグにアイランドリーグ選抜チームが参加している。初年度は3勝8敗1分で14チーム中12位、2008年は7勝4敗1分で14チーム中3位と大きく成績を伸ばした。今後もNPBチームとの交流戦の継続やNPBキャンプへの特別参加などNPBとの積極的な係わり合いが必要である。
かつて
パシフィック・リーグのオリックスブルーウェーブ(現・
オリックス・バファローズ)が
2000年〜
2002年にかけ、プロへの門戸を広げるという同リーグに似た趣旨のもとに契約金ゼロの条件にてドラフト下位で計10選手を入団させたが、ほとんど実績を残せず、2008年11月現在、
中島俊哉(分配ドラフトにより現在は楽天所属)以外は現役ではない。同時期に
ゼネラルマネージャーに就任した
中村勝広はこれを「夢や憧れだけでプロに入れる訳にはいかない。本人のためにも、チームのためにもならない。」と強く批判しており、以後このような獲得は行われていない。NPBと当リーグは完全な別組織であり、指名されていない選手の集合であるため上記の例とは全く状況が異なるが、「NPBへの選手の輩出」という観点からは、現状の指名人数の比率では将来同様の批判が発生する可能性もある。
過去3年間で支配下登録された選手からはまだ一軍に定着した選手は現れておらず、2008年には解雇者も発生した。後発のBCリーグ出身の
内村賢介が2008年に一軍定着を果たしており、今後リーグ出身者の中からNPBで活躍できる選手がどれだけ出てくるかが新たな課題となっている。
選手育成と地域密着との両立
当リーグは「地元ファン拡大」を目指しつつ人気・集客を第一にする「興行としてのプロリーグ」の側面と、
日本野球機構 (NPB) 入りできる選手の育成にあたる教育リーグの側面とを合わせ持っている。
リーグ発足当時、リーグの紹介においては「プロ野球選手を目指している若者に、夢を追いかける場所を提供する」ことが「最大の目的」として掲げられていた。この点に関しては、以下のような懸念も指摘されていた。
- プロを目指す選手個人のレベルアップと能力のアピールを行う必要から、ベンチも試合において勝利優先の采配を振るうとは限らない。このため各チームの勝敗や順位、リーグ優勝の価値が相対的に低下し、試合に対するファンの関心は薄いものになるのではないか。
- 多くの選手に対してチャンスを与えるという目的もあって選手の入れ替わりが激しく、多くの選手が地元の人たちに顔や名前も知られぬまま辞めて行くため、地元ファン拡大に対してマイナスに作用しているのではないか。
こうした状況に対し、前後期制を導入した2年目のシーズンからは、集客の要請もあり各チームとも従来より勝敗を重視する傾向が見られるようになった。さらに、リーグ自体も当初に比べて地域密着という傾向を強め、現在は「リーグの役割」として「野球界の底辺拡大と選手の育成」と「地域の活性化と地域貢献、地域における人材育成」が二本立てでうたわれている。「チャレンジの場の提供」という言葉は残っているものの「最大の目的」という表現は見られなくなった。当初構想にあった在籍制限の見送りや年齢制限の緩和もそうした変化の一環といえる。
戦力の整備という点においては、元NPB選手や外国人選手の受け入れに加え、リーグ内での選手の移籍も2年目から実施されている。これらの措置はチーム力の向上や他の選手への刺激という点で効果が見込まれる一方、発足当時と比較してチーム間の戦力格差も目立つようになってきている。また、契約中途での退団者の数は減少傾向にあるものの、頻繁な選手の入れ替わりは「教育リーグ」という性格から今後も避けられない点である。
いずれにせよ、チーム力の向上による地元密着やファンの拡大と、選手の育成という二つの理念をいかにして両立させていくかが課題といえる。
球場の照明設備
IBLJの構想では各県庁所在地にフランチャイズを置き、リーグ戦は主にナイトゲームで開催する予定だったが、四国内の球場の実態が浮き彫りになると、この構想はもろくも崩れた。リーグ発足当時、四国内でプロ野球公式戦のナイトゲームを開催できる球場は、愛媛県の
松山中央公園野球場(坊っちゃんスタジアム)と香川県の
香川県営野球場(サーパススタジアム)の2か所しかなかった。当時の徳島県内の硬式野球場のナイター設備は軟式野球用の照度で、硬式野球に適した明るさではなかった。高知県内にいたってはナイター設備のある硬式野球場は1か所もない。また、これらの球場はアマチュア野球が頻繁に使用しており、球場の確保にあたってはアマチュア野球の関連団体との交渉が必要となった。
そこでIBLJは各県の事情を考慮して、リーグ戦開催球場を確保している。1年目の2005年度リーグ戦では、高知県内での開催球場は8か所に分散してデーゲームを、徳島県内では主に夕方に開始し試合途中から照明を入れるトワイライトゲームを、愛媛県と香川県では主にナイトゲームを開催している。2006年度リーグ戦は徳島県内の開催球場のうち、鳴門球場では主にナイトゲームを行った。
しかし、地元ファンからは「夏場のデーゲームは観戦に不向き」「仕事の関係でナイトゲームしか観戦できない」といった声がある。また照度が暗い球場で試合を行う場合、選手のプレーに影響が出るほか、打球の行方がわかりにくいためファウルボールが観客に当たる恐れがある。そのため、2005年のシーズン中に地元ファンが中心となって、高知ではナイター設備の新設、徳島ではナイター設備の照度改善の、それぞれの署名活動が行われた。
その後、徳島県では
阿南市に硬式野球用のナイター設備を完備した
徳島県南部健康運動公園野球場(アグリあなんスタジアム)が2007年5月に完成し、徳島インディゴソックスが主催試合を行っている。2007年度は5試合(うちナイトゲーム1試合)が開催され、2008年度はホームゲーム40試合の半数以上に当たる23試合が開催された。
また、香川県営野球場は漁業関係者への配慮から、ライト側の照明1基につき現在のところ点灯しない状態で試合を行っている。
一方、高知については地元自治体の財政事情などからナイター設備の設置が具体化しておらず、ナイターが開催できないことが観客動員、ひいては運営に大きな影響を与えているという見方も強い。高知球団では2007年11月より、10万人を目標に照明設備設置を求める再度の署名活動を行った。今後の行政サイドの対応が注目される。
選手を取り巻く環境
現在、四国・九州アイランドリーグ各球団は自前の練習施設をもっていない。スタッフ、選手は練習場所の確保に苦労している。また、徳島のように公共の練習場所が少ない地域もあり(主に河川敷グラウンドを使用)、選手達がいつでも自由に練習ができる環境とはお世辞にも言えない。また、選手達の食生活については、自炊をしたり地元ファンの好意による食事の提供をうけて、少ない給料からやりくりしている。このような事情から、選手のコンディション作りには環境の整備が必要とされる。施設の充実には多額の費用がかかり、現状厳しいが、リーグと地元が一体となって選手をサポートする体制作りが望まれる。
高知・長崎の経営問題
上記のような事情の中で、運営環境がもっとも厳しい高知は、四国4チームが2006年に分社化した後も全額をIBLJが直接出資して運営するスタイルが取られてきたが、その負担が厳しくなってきたことから、2007年9月に経営者を一般公募することがIBLJから発表された。これを受けて同年10月22日に大阪の不動産会社タップの北古味鈴太郎社長が新たなオーナーとなり、大阪の整水器メーカー
日本トリムがチームスポンサーとなることがリーグから発表された。チーム休止の危機はひとまず回避されたが、北古味新オーナーはチームの経営期間を「当面2年」としており、この間に経営状況が好転しない場合、存続問題が再燃する懸念が残された形になった<ref>
高知新聞:高知のニュース:スポーツ:高知FD存続 2年後の“再燃”懸念(2007年10月23日)</ref>。
一方、2008年より加入した長崎は観客動員が予想を下回った上、十分な支援企業が得られておらず、2008年9月には来シーズンのリーグ脱退の可能性が報じられた。その後10月29日になって、リーグより2000万円の支援を受けた上で引き続きリーグに参加することが発表された。
メディアへの露出
特に大きな問題点であるメディアでの取り上げ方についてはそれぞれの情報媒体および地域によりかなりの格差が生じている。以下、主として2007年までの四国時代の状況を説明する。
新聞
新聞に関して、初年度は四国4県の地元紙でも取り扱いに大きな差があり、
高知新聞では自社サイト上で試合結果、試合への記者独自の解説、特集・連載を掲載した一方で、
愛媛新聞・
四国新聞のサイトではほとんど扱われなかった(四国新聞はプロバスケットボールリーグ・bjリーグの
高松ファイブアローズの方に紙面を大きく割いている)。この地元新聞での露出度の違いが初年度、高知の開催が最も当日券入場者の割合が多いといわれた要因の一つと考えられる。しかし、2年目では地元4社全てのほか、
読売新聞大阪本社でも記事にしており、新聞での露出はかなり多くなってきている。2008年に加入する九州2球団については
西日本新聞・
西日本スポーツ・
長崎新聞といった地元メディアのほか、
読売新聞西部本社も記事にしており、四国4球団の発足時と比較すると露出度の格差は少なくなっている。
ラジオ
地上波
AMラジオに関しては、数試合中継がある程度だが、2006年は
NHK高松放送局にてAMローカル放送で、オリーブスタジアムで開催の金曜日のナイター試合に限って「ガイナーズナイター」と銘打ったオリーブガイナーズ贔屓で放送する中継を行っている。これは広い意味での定期放送にあたり、アイランドリーグ初の定期ラジオ中継となった。2007年からは
西日本放送(RNCラジオ)でも、不定期の日曜にデーゲームを、月曜にナイターをそれぞれ中継しており、6月までに3試合が放送された。9月には初めて日曜日のナイター中継を実施し、全国ネットのプロ野球中継(TBSラジオ製作の横浜-巨人戦)のネットを行なわなかった。一部コミュニティFMでも野球中継への動きはあるものの、実況アナウンサーや技術、営業の問題もありまだ放送まで至っていない。
インターネット
インターネット分野においては、
2006年より「四国ILウェブスタジアム」の名称でインターネット中継による試合配信が始まったものの、配信されている試合数は録画映像のみでかつ試合数も少なく、今後の配信試合数の増加とライブでの配信が期待される。
テレビ
香川を中心に番組数を増やしつつあるラジオと比較すると
テレビ中継はまだまだ不十分であり、その拡充に力を入れる必要がある。民放テレビでは、四国4県に同一ネットワークで存在するのは
日本テレビ系列およびNHKの2者であり、この両者に「四国4県一括」での報道、中継(ビジター戦をその地元へネットなど)に期待がかかるものの、香川地区のテレビ中継を担当する
西日本放送は岡山も放送エリアであり香川、四国だけの内容が放送しづらい面があり、また株式会社IBLJの株主に
フジテレビ系列の
岡山放送が入っていることもあり、岡山放送側が株主としての立場から放送権を主張した場合、地上波テレビでの四国4県一括放送には困難が生じる可能性も否定は出来ない。しかし、岡山県でも球団設立の構想があり、実現すれば香川と跨っての放送での問題はなくなる。また、現状ではどの局もテレビ中継をほとんど行っていないことや、日本テレビ系列の各局はラジオも兼業でテレビよりもラジオ中継をメインとして放送していることから、現時点ではこの点への心配は少ない(しかし、それは「民放でのテレビ中継の無さ」によるものであり、少し残念な意味合いとなってしまう)。また、徳島県に至っては民放が
四国放送一局しか存在しないこともあり、民放で中継する場合は日本テレビ系列への交渉が不可欠となる。以上から、テレビ中継に関してもNHK各放送局への期待は大きい。
一方、
CSについては、2008年4月より
スカイパーフェクTV!において徳島の試合の録画を含めた応援番組を、週1回1時間枠のペースで放送することが同年1月に発表された。実況中継ではないが、CS局でアイランドリーグの番組を放送するのは初の試みであり、今後の展開が注目される。
2008年5月、デジタル
BS放送をおこなう
日本BS放送(BS11)が、アイランドリーグの一部の試合やグランドチャンピオンシップを地元ケーブルテレビ局などと共同で放映すると発表した。同年7月31日に、9月12日に開催される香川対愛媛戦を9月14日に録画で放送することが正式に発表され、実際に放映された。
提携・拡張(構想を含む)
2007年以降、NPBや新たに誕生した他の独立リーグとの提携や拡張の構想が報じられるようになっている。
NPB
2007年6月に
千葉ロッテマリーンズの
ボビー・バレンタイン監督が、アイランドリーグの1チームを買収して2軍選手を育成する構想を表明した。このときは球団側がこれを否定したが、ロッテ球団は同年10月1日のプロ野球実行委員会で、徳島に育成選手5〜8名を派遣する構想を明らかにした。実行委員会では結論を保留し、決定は次回以降に持ち越しとなった。
この構想に対しては、社会人野球側から「育成選手制度の本来の趣旨と異なる」との指摘が出ており、NPB内のほかアマチュア野球側とも調整が必要な状況となっている。また、他の一部の球団からは「(
イースタン・リーグの混成チームである)フューチャーズの活用が先ではないか」といった意見が出ており、2007年11月6日のプロ野球実行委員会でも継続審議となった。ロッテの瀬戸山球団社長は育成選手を獲得した上で実現に向けて努力を続けるとコメントしている。ロッテはこの構想に沿って11月11日に公開のトライアウトを実施し、アイランドリーグからも複数の選手が参加した。そして、11月19日のドラフト会議でリーグ出身者3名(高知2名、徳島1名)を含む5名を育成選手枠で指名している。仮に構想が実現した場合、アイランドリーグ出身の選手が再びアイランドリーグに派遣される可能性もある。
ベースボール・チャレンジ・リーグ
また、同年よりシーズン終了後、両リーグの優勝チーム同士の間で「
グランドチャンピオンシップ」(5試合制)が実施されている。初年度は香川オリーブガイナーズが3勝1敗で優勝、2008年も香川が3勝2敗で連覇した。
九州リーグおよび拡張構想
2008年の発足を計画していた
九州リーグとは、2007年に業務提携を目的としたパートナーシップ契約を結んでいた。クラブチームだった
長崎セインツとはアイランドリーグと練習試合・交流試合を複数回実施した。しかし、予定されていた九州リーグの発足が困難になったことから、同年10月24日には
長崎セインツと福岡の新球団を加えた6球団で2008年のシーズンを開催することが発表され、2007年12月1日よりリーグ名称が「四国・九州アイランドリーグ」に変更された。九州の2球団はIBLJとは別の運営会社が統括し、両社が業務提携を結ぶ予定と報じられていたが、2008年のシーズン終了時点では九州側の運営会社は具体化しておらず、リーグ事務局の「九州オフィス」という形で存在している。
また、九州への拡張の発表に合わせて、2009年度に岡山・宮崎の2球団を加えた8球団とし、将来は西日本16球団でリーグ戦を行う構想も明らかにされた。このうち、岡山については2008年1月に地元の企業経営者ら有志による準備組織「チーム岡山球団設立推進委員会」が発足した。また、宮崎についても専門学校を運営する川越宏樹が「スポンサー企業が見つかればチームを発足させたい」という意向を表明した。
年度別順位
注:2006年度以降は前・後期の総合順位。香川はリーグチャンピオンシップを制して優勝。2007年度の香川はレギュラーリーグ前・後期完全優勝し1勝分のアドバンテージがあったため、2勝で総合優勝となった。
放送媒体
四国・九州アイランドリーグのレギュラーゲームを一部地上波局やCATVで中継を行なっている。
香川
- 地上波テレビ・ラジオ(いずれもホームゲーム)
- CATV
徳島
- 地上波テレビ・ラジオ(ホームチーム)
-
四国放送(ラジオ中継。また、テレビで2008年4月より応援番組を放送)
- CATV
- CS
高知
- 地上波テレビ・ラジオ(いずれもホームゲーム)
- CATV
愛媛
- CATV
スポンサー
オフィシャルスポンサー
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ソフトバンクモバイル
- : ペナントレースは同社の冠大会「四国・九州アイランドリーグ2008ソフトバンク杯」。
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オフィシャルパートナー
IBLJ株主
脚注
関連項目
外部リンク
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