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広島シティネットワーク

広島シティネットワーク(ひろしまシティネットワーク)とは、西日本旅客鉄道(JR西日本)広島支社が管轄する広島都市圏内の在来路線に対する愛称である。

概要

JR西日本が「100万都市広島にふさわしい都市型鉄道」の構築を目指し、2002年10月5日のダイヤ改正から京阪神地区の「アーバンネットワーク」の「広島版」として名付けられた。ただアーバンネットワークとは異なり、放射状の路線設定のため大都市近郊区間として設定されていない。広島駅を中心としてダイヤを組み、同駅から所要時間30 - 40分の区間がエリア設定されている。しかし、アーバンネットワークのような土曜・休日ダイヤは設定されず、土曜・休日運休する列車や編成両数を変更することで対応している。
1982年に国鉄改革の一環として、全国に先駆けて「ひろしまシティ電車」として高頻度・等間隔の都市型ダイヤに移行し、現在までその特徴を受け継いでいる(1982年11月15日国鉄ダイヤ改正も参照)。当初は普通列車のみの運転とされたが、近年では都市圏域のさらなる広域化に伴って 快速列車も多く設定されるようになった。車両は現在も国鉄時代に登場した形式によって運行されているが、1998年から内外装のリニューアル・延命化工事が行われた車両もある。
因みに、広島シティネットワークの設定時期と前後して山陽本線の広島駅 - 東福山駅間に臨時の快速列車「スーパーラビット」が2往復試験的に運行されていたが、広島 - 福山間では広島交通中国バスなどバス事業者5社が共同運行している高速バス路線「ローズライナー」が20分 - 35分間隔で高頻度運行し、既に定着していた事と、試験運行の便数が少なかった事から利用者に浸透しきれず定期化されないまま運行を終了した。
シティライナーの半数ほどは山陽本線は岡山駅以東からの通し運転で、広島シティネットワークを越えて徳山駅新山口駅まで運転する列車も多い。中には列車番号を変えながら下関駅まで運転される300km超・約6時間半の長さを持つ長距離列車も多数存在している。

路線

(2007年4月3日撮影)]] 以下の区間が広島シティネットワークに含まれる。
各区間の運行概況は以下の通り。

山陽本線 岩国駅 - 白市駅間

快速列車は昼間に「シティライナー」、ラッシュ時には「通勤ライナー」が運転される。普通列車は白市駅・瀬野駅広駅呉線) - 岩国駅・南岩国駅間の列車が主体である。昼間は快速列車は1時間あたり1 - 2本、普通列車が概ね15分ヘッドで運転される。快速列車の大半は岡山駅発着もしくは岩国駅以遠からの直通列車となり、長距離運用の列車が多い。
103系115系が運用の中心であり、快速列車・白市(糸崎) - 岩国(南岩国)間の普通列車は全列車が115系で運用される(ただし、広島 - 岩国間運行の快速「シティライナー」1本は103系で運行)。広島以東では103系は呉線への直通に使われ、山陽本線へは昼間の瀬野駅までの折り返し列車に使われる。かつては103系で下関までロングランする列車もあった。

可部線 横川駅 - 可部駅間

快速列車は夕方下り(可部駅行)のみで、それ以外の時間帯は普通列車のみの運転である。朝・夕ラッシュ時には緑井駅折り返し列車が、また平日朝には梅林駅折り返し列車も存在する。可部線の起点は横川駅だが、全列車山陽本線広島駅まで、あるいはそれ以遠まで乗り入れ、横川駅折り返しの列車は存在しない。原則として105系の2連で運転される。ただし、広島以東からの直通列車やその運用の関係で103系や115系のほか、まれに113系も運用される。2003年の可部駅以北が廃止されるまでは気動車の運用も存在していた。

呉線 海田市駅 - 広駅間

快速列車は昼間時に「安芸路ライナー」、ラッシュ時は「通勤ライナー」が毎時2本運転される。そのうち1本が広駅で三原方面行の列車に接続をとる。時間帯によっては「瀬戸内マリンビュー」も運転される。普通列車は、坂駅、呉駅、広駅での折り返し列車のほか、時間帯によっては安浦駅、竹原駅、三原駅、糸崎駅まで直通する列車もある。
広島駅始終着の快速列車はワンマン運転を行う列車もある。

芸備線 広島駅 - 狩留家駅間

広島駅 - 下深川駅間では20分ヘッドで運転される。一方下深川駅以北では本数は少なくなるものの、三次駅までは快速列車を含めて1時間あたり1本は本数を確保している。

構想

JR西日本は広島シティネットワークの今後の方向性として、出発地(自宅など)から到着地(職場、学校など)までのシームレスな輸送体系の構築を柱としており、以下のような施策を打ち出している。
輸送改善
列車のさらなる増発、パターンダイヤの充実、各駅の発着番線の統一、夜間時間帯ダイヤの充実、列車の定時性の確保、列車のスピードアップ、車内空間の快適性向上、軌道の強化
駅機能向上
拠点駅の構内配線の改良や増強、新駅の設置(これまでに11駅を設置)、駅の橋上化やリニューアル化(これまでに8駅を竣工)、駅のバリアフリー化、商業施設やコミュニティ施設などの付帯設備の充実
アクセス改善
パークアンドライド用の駐車場や駐輪場の整備、駅前広場の整備、駅前広場へのバスや路面電車の直接乗り入れ、タクシーレンタカーレンタサイクルの充実

新駅設置

2008年現在、広島シティネットワーク内では山陽本線に5つの新駅設置構想がある。いずれも駅名は仮称。
  • 寺家駅(じけ):西条駅 - 八本松駅間(広島県東広島市
    • 平成21年度着工予定。
  • 畝駅(うね):安芸中野駅 - 海田市駅間(広島県安芸郡海田町
  • 白島駅(はくしま):広島駅 - 横川駅間(広島県広島市中区
  • JR古江駅(ジェイアールふるえ):西広島駅 - 新井口駅間(広島県広島市西区
  • 御筋駅(みすじ):五日市駅 - 廿日市駅間(広島県広島市佐伯区
    • 付近の地名は「三筋」と書くが、仮称の駅名は「御筋」である。

その他

  • 山陽本線の天神川駅 - 海田市駅間の高架化事業
  • 可部線上八木駅の行き違い設備新設
  • 呉線の複線化
  • 芸備線の電化及び高速化
山陽本線の天神川駅 - 海田市駅間の高架化事業は、広島県・広島市が協力して2027年(平成39年)の完成を目標としていたが、広島市側がもう一つの都市化事業として掲げている広島高速道路の建設事業、ならびに新広島市民球場の建設事業(2009年春竣工予定)に多額の費用が掛かることから、JR高架化までに手が回らないとして、その後完成目標は7年先伸ばしされて2034年(平成46年)に再設定された。

IC乗車券の導入

2007年9月1日よりIC乗車券ICOCAが使用できるようになり、同時にJR東日本SuicaスルッとKANSAIPiTaPaも使用できるようになった。その後JR東海TOICAも利用できるようになっている。
ICOCA導入に先立って2007年4月より広島シティネットワークを含む岡山・広島地区の135の駅でIC乗車券対応の自動改札機が設置されたが、半数近くの駅が簡易改札機となっている。
ICOCAについての詳細はICOCAを、ICOCA電子マネーについてはICOCA電子マネーを参照。

駅一覧

便宜上、広島シティネットワークに属さない区間も含む。
凡例(全路線共通)
(貨):貨物専用駅、#列車交換が可能な駅(山陽本線内を除く)、]:特定都区市内「広島市内」の駅
停車駅 … ●:全列車停車、▲:一部の列車が停車、|:通過
(*1):呉線の正式な終点は山陽本線海田市駅、可部線の正式な起点は山陽本線横川駅だが、両線とも運転系統上は広島駅に乗り入れる。
(*2):福塩線の正式な終点は芸備線塩町駅だが、運転系統上は三次駅に乗り入れる。

山陽本線(糸崎駅 - 徳山駅間)

  • 普通列車は全旅客駅に停車(表中では省略)。
  • ▲:朝下りおよび夕方上りに2本ずつ停車
  • 快速「通勤ライナー」の運行時間帯は広島方面が朝、岩国・白市方面が夕方であり、「通勤ライナー」として糸崎 - 岩国間を通し運転する列車はない。また、広島駅でシティライナーから通勤ライナーや普通から通勤ライナー・シティライナー(逆も)へなる列車も存在する(通勤ライナーからシティライナーへなる列車はない)。
  • 広島 - 横川間で広島市中区を通るが、同区内に駅はない。

呉線(海田市駅 - 広駅間)

  • 便宜上、海田市側で全列車が乗り入れる山陽本線海田市駅 - 広島駅間も合わせて記載。
  • 全駅広島県に所在。
  • 快速「通勤ライナー」の一部列車は山陽本線糸崎駅まで乗り入れる。
  • 普通列車は全旅客駅に停車(表中では省略)。

可部線

  • 便宜上、全列車が乗り入れる山陽本線広島駅も合わせて記載。
  • 全駅広島県広島市に所在し、特定都区市内の「広島市内」(])に属する。
  • 普通列車は全駅に停車。
  • ※:広島駅 - 横川駅間は山陽本線

芸備線(三次駅 - 広島駅間)

  • 全駅広島県に所在。
  • 普通列車は全駅に停車。

歴史

広島シティネットワーク設定前

  • 1982年 11月15日 - 山陽本線広島 - 岩国間にシティ電車設定。
  • 1984年 2月1日 - シティ電車を山陽本線広島 - 西条間、呉線海田市 - 広間、芸備線広島 - 下深川間にも拡大設定。
  • 1985年 3月14日 - 新井口駅開業。山陽本線と呉線の快速電車を全廃。
  • 1986年 3月3日 - シティ電車を可部線横川 - 可部間にも拡大設定。
  • 1986年11月1日 - シティ電車の運行範囲を山陽本線は白市まで、芸備線は狩留家まで延長・川原石に全列車停車化。
  • 1988年 3月13日 - 呉線と可部線の水曜日運休列車を廃止。
  • 1988年4月3日 - 宮内串戸駅開業。
  • 1989年 8月11日 - 中野東駅・阿品駅開業。
  • 1991年 3月16日 - 山陽本線広島 - 西条間に快速電車復活。可部線の可部以南の全列車が広島に乗り入れ。
  • 1992年 3月19日 - 呉ポートピア駅開業。
  • 1994年 7月21日 - 「スーパーラビット」号2往復新設。毎日運転。広島 - 福山間ノンストップ。
  • 1994年8月20日 - 大町駅開業。緑井駅に交換設備新設。
  • 1994年10月1日 - 安芸長浜駅開業。
  • 1995年 4月20日 - 「スーパーラビット」号を土曜・休日運転に変更。三原と尾道に新規停車し、東福山まで延長。
  • 1996年 3月16日 - 昼間時、呉線広島 - 呉間に快速電車復活。
  • 1998年 3月14日 - 平日朝ラッシュ時、柳井・岩国 - 広島間に快速電車新設。
  • 1998年10月3日 - 平日夕方ラッシュ時、広島 - 岩国・柳井間に快速電車新設。
  • 1999年 2月7日 - 水尻駅・かるが浜駅開業。川原石駅は広島方面に500m移設し交換設備新設。呉線の快速をラッシュ時にも新設。一般公募により愛称が「安芸路ライナー」となる。
  • 2000年 3月11日 - 前空駅開業。
  • 2001年 3月3日 - 昼間時、山陽本線広島 - 岩国間に快速電車新設。一般公募により愛称が「山陽シティライナー」となる。
  • 2002年 3月23日 - 新広駅開業。「スーパーラビット」号廃止。夕方ラッシュ時の広島 - 岩国・柳井間の快速電車が毎日運転に変更。昼間時の呉線快速「安芸路ライナー」がワンマン列車化。芸備線の急行「ちどり」「たいしゃく」の急行区間を三次までに短縮し、列車名を「みよし」に統一。

広島シティネットワーク設定後

  • 2002年 10月5日 - 「広島シティネットワーク」設定。山陽本線快速「山陽シティライナー」が八本松・瀬野(昼間時のみ)に新規停車。ラッシュ時、芸備線広島 - 狩留家間に快速列車新設。
  • 2003年 3月15日 - 山陽本線昼間時運行の快速電車を「シティライナー」、ラッシュ時運行の快速電車を「通勤ライナー」と変更。
  • 2003年10月1日 - 昼間時、芸備線広島 - 三次間に快速「みよしライナー」を新設。ラッシュ時の快速列車は「通勤ライナー」となる。一部の急行「みよし」が矢賀・安芸矢口・下深川に新規停車。柳井発着の快速「通勤ライナー」が徳山まで延長。広島 - 岩国間、広島 - 白市・糸崎間の水曜日運休列車の廃止。夕方ラッシュ時広島 - 坂間区間列車の毎日運転化。
  • 2003年12月1日 - 可部線可部 - 三段峡間廃止。
  • 2004年 3月13日 - 天神川駅開業。山陽本線の快速「通勤ライナー」が新井口に新規停車。
  • 2004年10月16日 - 夕方ラッシュ時、可部線に快速「通勤ライナー」新設。呉線昼間時運行の快速電車を「安芸路ライナー」、ラッシュ時運行の快速電車を「通勤ライナー」と変更。また「安芸路ライナー」は天神川・矢野・坂に新規停車。
  • 2005年 10月1日 - 呉線広島・呉 - 三原間に臨時快速「瀬戸内マリンビュー」を新設、ほぼ毎日運転。呉線の快速「通勤ライナー」が矢野に新規停車。
  • 2006年 3月18日 - 「瀬戸内マリンビュー」の広 - 三原間が各駅停車化。
  • 2007年3月18日 - 山陽本線の快速「通勤ライナー」の朝夕2往復が海田市駅に新規停車。同時に岩国 - 徳山間の快速運転を廃止。
  • 2007年4月以降 - 4月14日に広島駅北口に設置されたのをはじめとして、順次自動改札機導入。
  • 2007年7月1日 - 芸備線の急行みよしが廃止。
  • 2007年9月1日 - ICOCAICOCA電子マネーサービス開始。
  • 2008年 3月15日 - 大竹-岩国間に和木駅開業。
  • 2008年3月15日 - 山陽本線の快速「シティライナー」が宮内串戸駅、大竹駅に新規停車。

脚注

関連項目

路ひろしましていねつとわあく

出典:「フリー百科辞典ウィキペディア」(2009-01-01)
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