『画家のアトリエ』あるいは「絵画の寓意」(
1667年)キャンバスに油彩]]
絵画(かいが)は紙や
キャンバスや壁などの支持体に
絵具を塗布、定着させて描くことによる表現形式あるいはその作品。
図画(ずが)は、小学校の
教科に図画工作(中学校以上では「
美術」)があり、「絵画」の代用のように使われることもあるが、絵画のほかに素描(
デッサン、
スケッチ)、
イラスト、
版画など、かなり広い範囲を含んでいる。法律文書では「文書図画」のように文書と対に使われ、
写真や
記号など「絵」に限らないものも含む、図像一般を指している。なお、絵画に関する学問は
画学と称される。
絵画という概念
絵画の誕生を、およそ2万年前の
ラスコー洞窟の壁画から解説する教科書が多い。そこに描かれているものは現代の視点から見ても「絵」と呼ばれるにふさわしいものである。
しかし、
芸術の概念が産まれるのは少なくとも
ルネサンス以降の
ヨーロッパにおいてである。
1648年、
ルイ14世が
パリに
フランス王立絵画彫刻アカデミー(Académie royale de peinture et de sculpture)を設立する。
1666年には、その分室とも言うべき在
ローマ・フランス・アカデミー(Académie de France à Rome)を設けて、当時の
イタリアに集まった美術を学ばせた。
このころ「絵画」を定義するのは容易であった。すなわち、''「
キャンバスに
油彩を施したもの、すなわち油彩画と水彩画、公の展覧会(サロン)において認められている手法により広まった限られた媒体による創作物である。
油彩画の初期には板絵があり、油彩以前には
テンペラ画もあった。また額に掛けて壁に飾るのは新しい形式であって、古くは壁に直接描いていたものである。
そういった古いものも絵画として認識するためには、より広い第2の定義、たとえば
「視覚芸術のうちで、キャンバスや板、壁など何らかの支持体の上に、絵具、すなわち顔料とそれを分散させ支持体に定着させるための展色剤(メディウム)を混ぜたもの、を筆などにより塗布、定着させて描く手法およびその作品」というように拡張しなければならない。
この定義を厳密に適用すると、
漆喰を直接
染色する
フレスコ画を含むことができない。しかしフレスコ画も広い意味では絵画と認識されていた。
絵付けされた
壺や
絵皿はこの定義に含まれそうであるが、絵画とは認識されていない。
浮き彫り、
タピストリーなど
染織、
ステンドグラスなども絵画ではなく、
モザイク画もおそらくは絵画には含まれない。
版画、
写真も絵画には含まれておらず、紙の上に
鉛筆や木炭、コンテ(Conté)などで描かれた素描(
スケッチ、
デッサン)は下絵(エスキース)と解釈されるので、これも絵画ではない。
『風神雷神図屏風』のうち風神(部分)(
17世紀)紙本金地着色]]
したがって、絵画を広く解釈する場合に、その定義は曖昧なものにならざるを得ない。
注意すべきは、芸術と言う概念を説明する前に、その作品(作品形式)には地域性が反映しているということである。
すなわち最初に絵画という概念が産まれた経緯を見るに、イタリア・ルネサンスの絵画がそのモデルであって、それを
西洋美術史に沿って板絵、テンペラ画、フレスコ画と、遡っていったものが絵画の概念の拡張であった。
したがって
東洋美術や
日本の美術など、ヨーロッパ以外の美術にこれを適用しようとすると、さまざまな困難を伴う。
たとえば東洋美術には
書画という言葉があるが、
書は絵画ではない。
象嵌、
螺鈿などが
工芸に分類され、
浮世絵が
版画に分類されるのはともかく、
絵巻物や図屏風、障壁画がはたして絵画に相当するのかどうかは議論のあるところである。また、西洋においても
古代ギリシアの
壷絵は、前述した壷としての存在性から、絵が独立しているため、これも絵画に近いものである。
このために
現代美術においては、
彫刻に対する絵画の代わりに、「平面作品」という言葉が使われるようになってきた。
しかし、
写真や
版画が「平面作品」に含まれるのかどうかなど、ますます曖昧な言葉でしかない。
単にそれまでの彫刻と絵画を「立体作品」と「平面作品」と言い替えたにすぎない。
イタリアの
ルーチョ・フォンタナは
1950年代にキャンバスの一部を切り裂くなどの『空間概念』シリーズを制作している 、
アメリカ合衆国のダン・フレビン(Dan Flavin)も
1960年代から、色の付いた
蛍光灯などを壁に取り付けた作品を制作している(Wikipedia英語版でダン・フレビンは「彫刻家」(sculptor)として紹介されている)。
ただし、現代の「平面作品」は、新しい活動として
「壁に設置されて観賞できる芸術作品」とも言えるが、これはすでに「絵画」とは別の概念かもしれない。
他の問題は現代美術においての絵画が属する
視覚芸術と他との領域が輻輳してきていることである。
ひとつの境界は
視覚と
聴覚や
嗅覚が併用されることで越えられる場合がある。
もうひとつの戦線は
純粋芸術と応用芸術の境界の問題である。
純粋芸術の絵画と、応用芸術である
挿絵や
イラストレーションは別のものとされてきた。
19世紀末の
アーツ・アンド・クラフツ運動に始まって、
アール・ヌーヴォーに引き継がれるなど、自由意志における純粋芸術と、既存の権勢にとらわれない応用芸術など、その境界線は単に一連の作品群をカテゴリ化するようにしか説明できてはいないことに帰され、
モダニズムはこれを峻別しようとしてきた。
1970年代後半になるとモダニズムは力を失い、純粋芸術が他と区別されるものは何なのか、現在その違いを語ることは困難になってきている。
時代・画派
表現形式
- 非具象絵画
技法
素材
題材別
関連項目
参考文献
- 『見る脳・描く脳―絵画のニューロサイエンス』岩田誠 東京大学出版会 1997 ISBN 4130633147
- 『脳は美をいかに感じるか ピカソやモネが見た世界』セミール ゼキ (Semir Zeki), 河内十郎 訳 日本経済新聞社 2002 ISBN 4532149606
脚注
外部リンク
*かいか
*かいか
*
かいか