奥付(
おくづけ)とは、
本の本文が終わった後の、書誌事項が記述されている部分。正しくは、
奥附と書き、
奥付は誤用である。が、
「附」の字は常用漢字に含まれるのに
「つく」の訓が入っておらず、止むを得ず
「付」で代用することもある。また、
奥書(
おくがき)とも言う。これらは、その書中における位置から付された名称であるが、その役割から付された名称として、
刊記(
かんき)とも称しているし、枠で囲んだ刊記は特に
木記(
もっき)と称していた。
これと決まった形式はなく、日本特有のものとされるが、『洋書目録法入門 つくり方編』によれば、「スラブ系およびラテン系諸国の出版物には、奥付をつける慣行があるが、和書ほど完備していない」そうである。
洋書の書誌事項は、タイトルページの次のページにあり、版ごとの
出版社の権利関係を明示する役割を持っており、日本のものとは少し意味合いが違う。なお中世ヨーロッパにおいて、この場所に
ブックカースが書かれていることがあった。
歴史
江戸時代
- 何書物ニよらす、此以後新板之物、作者并板元之実名、奥書ニ為致可申候事。
これにより、横行していた偽板(
海賊版)が統制され、版元書店の出版権が明確になった。但し、明治以前の奥付は、今日のそれとは大きく異なっており、「版」と「刷」の相違が明確でなく、版木自体も売買されるものであったし、また、書店組合を結成して各地で出版販売するのが通例であったため、実際に、何年にどこの版元が出版したものであるか、というのは、詳細に
書誌学的な考証を加えないと判断できない状況にある。
明治以後
1893年の
出版法では発行者の氏名・住所、年月日、印刷所の名称・住所、印刷の年月日の記載が義務付けられた。今のような形では、
岩波書店が始めたとされている。現在は、義務付けはされていないが、慣習として続いている。
書誌事項
主に以下の事が書かれる。
- 題名
- 著者、訳者、編者
-
編集者
- 発行者
-
出版社
- 印刷所
- 製本所
-
コピーライト
- 検印(廃止されているものが多い。印税を参照)
- 発行年月、版数、刷数
- 値段(多くは裏表紙かカバーに記載、教科用図書については表示無し)
関連項目
参考文献
出典:「フリー百科辞典ウィキペディア」(2009-01-01)