大戦後の混乱と貴族没落、インモラルな性描写を濃厚に示す作品である。
帝銀事件や
斜陽などの要素を取り込み横溝が得意とした田舎の因習とはまた異なった陰惨さや本格推理小説の定番「
密室殺人」を扱い、他作品とは違った雰囲気をかもし出し作者の人気作品のひとつとなっている。
ストーリー
「……父はこれ以上の屈辱、不名誉に耐えていくことは出来ないのだ。由緒ある椿の家名も、これが暴露されると、泥沼のなかへ落ちてしまう。ああ、悪魔が来りて笛を吹く。……」
父が残した
遺書を持参した美禰子は、母・子(あきこ、以下「秋子」)が父らしい人物を目撃したと怯えていることから、父が本当に生きているのかどうか、明晩、砂占いを行うことになったことを説明した後、金田一耕助にその砂占いへの同席を依頼する。そしてその砂占いの後、椿邸に居候している玉虫公丸・元
伯爵が何者かによって殺されてしまう…。
登場人物
- 金田一耕助(きんだいちこうすけ)…私立探偵
- 等々力大志(とどろきだいし)…警視庁警部
- 出川(でがわ)…警視庁刑事
- 椿家
- 椿英輔(つばきひですけ)…椿家当主、元子爵、約半年前に自殺
- 椿秋子(つばきあきこ)…英輔の妻
- 椿美禰子(つばきみねこ)…英輔の娘、依頼人
- お種(おたね)…椿家女中
- 三島東太郎(みしまとうたろう)…椿家書生、英輔の旧友の息子
- 信乃(しの)…秋子の乳母
- 目賀重亮(めがじゅうすけ)…秋子の主治医
- 新宮家
- 新宮利彦(しんぐうとしひこ)…秋子の兄、元子爵
- 新宮華子(しんぐうはなこ)…利彦の妻
- 新宮一彦(しんぐうかずひこ)…利彦の息子、美禰子の従兄
- 玉虫家
- 玉虫公丸(たまむしきみまる)…秋子、利彦の伯父、元伯爵で元貴族院議員
- 菊江(きくえ)…公丸の小間使い
- 河村家
- 河村辰五郎(かわむらたつごろう)…植木職人、空襲で死亡
- 河村駒子(かわむらこまこ)…辰五郎の娘、出家して尼になっている、法名は妙海
- 河村治雄(かわむらはるお)…辰五郎の養子、現在行方不明
- 河村小夜子(かわむらさよこ)…駒子の娘、戦時中に自殺
- 飯尾豊三郎(いいおとよさぶろう)…天銀堂事件の最有力容疑者
映像化リスト
映画
テレビドラマ
関連項目
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帝銀事件(天銀堂事件のモデル)
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金田一京助 - 第25章「アクセントの問題」で言及されている「ぼくと同姓の言語学者」のモデル。
出典:「フリー百科辞典ウィキペディア」(2009-01-01)