ポルシェ928(
Porsche 928 )は
ポルシェの技術陣が開発した最上級GTカーである。発売は1977年。
概要
1977年3月に新世代のポルシェの旗艦として、911の後継車の方針ですべてを新開発して登場した。 911の上位モデル。1973年当時、ポルシェ社の社長であったエルンスト・フールマンが老朽化した911に変えてポルシェの主力として置く様に開発を促進し、ターゲットとして911よりも上級の、当時のジャグァーEタイプやアストン・マーティン、フェラーリの12気筒モデルなどのプレミアム・スポーツ、また高級パーソナルクーペのBMWの6シリーズやメルツェデスのSLなども視野に開発された。そのため当時としては第1級のスポーツ性能に加え、ラグジュアリー性も兼ね備えた万能グランツーリスモ的モデルとなっている。いわゆる壮年実業家向けの高速移動マシンとして開発され、基本コンセプトとしては、現在の高級プレミアムスポーツの走りであるとも言える。
解説
駆動ユニットは
V8エンジンをフロントミッドに近い位置に搭載した
FRである。911とは変わり、エンジンは
水冷化され、4速
AT車がメインに用意されていたことから、都内の
渋滞で苦労していた911オーナーの一部も取り込まれ、日本国内では1,300万円を超える価格にもかかわらず、街でそこそこ見かける存在となっていた。サスペンションは前輪がウィシュボーン/コイルで後輪はトレーニングアーム/コイルでリアにはヴァイザッハ・アクスルという後輪をより安定させる足回りが採用された。この考え方は、その後のメルセデスベンツ・W124のマルチリンクサスペンションへも影響を与えて、その後国産車へも広まった。内装はメーターパネル全体がハンドルと一緒にチルトし調整できるシステムを採用している。928のT字型のなだらかで乗員を包むデザインのダッシュボード形状は、1980年代中半以降の国産車に多く採用された。2代目
ソアラやZ32
フェアレディZや
NSX等が928をより進化させた内装デザインとしている。外装は全体的に卵形のシルエットに
ポップアップ式ヘッドランプを採用しているのが特徴で、ライトを点灯すると、前方に目玉が飛び出したように見える。また、北米の安全基準に適合したボディ一体型の衝撃吸収
バンパーも装着している。
ライバルである
メルセデスSL、
フェラーリ等の性能アップに対抗すべく順次改良が重ねられ、S→S2→(S3)→S4とパワーアップし、最終モデルは928GTSで5.4L、350ps、最高速294km/hまで増強された。全長4515mm、全幅1900mm、全高1330mm、ホイールベース2485mm(最終モデル)
歴史
- 1977年・928 ・V8SOHC 4474cc 240ps 最高速度230Km/h
- 1979年・928S ・V8SOHC 4664cc 300ps 最高速度250Km/h、全高を1282mmに変更し、31mmの車高減少の他、排気量アップし燃料噴射装置をK-ジェトロニックからボッシュL-ジェトロニックに変更。
- 1984年・928S ・V8DOHC 4957cc 292ps 最高速度240Km/h、(※日本仕様)さらに排気量拡大しDOHC32バルブとなる。LH-ジェトロニックに変更。
- 1987年・928S4・V8DOHC 4957cc 320ps 最高速度270Km/h。前後のランプ、バンパー変更。
- 1990年・928GT・V8DOHC 4957cc 330ps 最高速度275Km/h、インテークポートやカムの変更で出力アップ。
- 1992年・928GTS・V8DOHC 5400cc 350ps/50.0kgm 車両重量1660kg
- 国内向け正規輸入車は年式によって、細かなグレードが存在し、グレードや年式によって928S4はATのみ、928GTはMTのみが設定されていた。最終的には928GTSのみ1グレードでAT/MTのどちらか選択できた。
- その流麗なスタイルは今でも根強いファンを持つ。だが兄弟車である944(後の968)同様、セールスが予想以上に下回り、911程の人気は得られず、後継車にもなる事はできず、911は独自に進化していった。結局1997年春にポルシェの経営悪化でポルシェ911のフルモデルチェンジを待たずして20年間の生産ラインに終止符を打った、不運の名車である。
関連項目
928
出典:「フリー百科辞典ウィキペディア」(2009-01-01)