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ポーランド語

ポーランド語(ポーランドご、język polskipolski、または polszczyzna)はポーランドの公用語。インド・ヨーロッパ語族スラヴ語派の中の西スラヴ語群に属する。同じグループに属する言語として、チェコ語スロヴァキア語などがある。名詞の格変化は7格(主格、生格、与格、対格、造格、前置格、呼格)あり、文中での語の働きが格語尾によって示されることなど、形態の豊かさから難解な言語の一つに挙げられることもある。

使用地域

公用語として使用している国

公用語としては、ポーランド国内のみで使用される。国内話者人口は約3,800万人。

歴史

ローマ・カトリック勢力下でラテン語・フランス語を輸入していた経緯から、また、ロシアの支配下にある時代にロシア語の習得が義務付けられていたために、それぞれの名残が見られる。

文字

ラテン・アルファベットを基にした32文字を使用する。基本的にローマ字読みで読む。

アクセント

ポーランド語のアクセントは「強さアクセント」で、アクセントの置かれた音節を強くやや長めに発音する。母音の長短による意味の違いはない。 また、ポーランド語のアクセントにはもう一つ「次末アクセント」という特徴がある。これは最後から2番目の音節にアクセントを置くという意味である。ただし、外来語の中にはアクセントの位置が特殊なものがある。

子音の有声化・無声化

子音は、前後のほかの子音に影響を受けて、対応する有声と無声が交替する場合がある。
有声化の例:liczba 数、Afganistan[avganistan]アフガニスタン
無声化の例:chleb[xlep] パン、pociąg[pot?õk] 列車、babka[bapka] おばあちゃん

文法

人称代名詞

()内は同義の英語
  • 2人称の敬称は、「男性の主人」、「女性の主人」という意味の名詞 pan, pani を用いる。また pan 、 pani は英語で言う Mr, Mrs と同じように名詞につけて「〜さん」という意味にも用いられる。
:Czy pani jest zmęczona? あなたは疲れていますか?
Pani Grzegorzewska jest nauczycielką. グジェゴジェフスカさん(夫人)は教師です。
  • 3人称は名詞を受けるため、人間や動物など自然性を持つもの以外でも、男性名詞であればonで、女性名詞であればonaで受ける。
  • ポーランド語では、動詞の人称変化によって主語が判断できるため、1人称と2人称については強調したいときを除いて省略するのが一般的。3人称も名詞を何度も繰り返すのを避けるために使用されるが、文脈で主語がはっきりわかっているときは省略する。

名詞

名詞は、単数では男性名詞 rzeczownik rodzaju męskiego (m)、女性名詞 rzeczownik rodzaju żeńskiego (ż)、中性名詞 rzeczownik rodzaju nijakiego (n)の3つがある。男性名詞はさらに「活動体名詞」(=人間と動物)と「不活動体名詞」(=物など)に分かれるが、女性名詞と中性名詞にはこのような区別はない。名詞は複数では「男性人間名詞」と「非男性人間名詞」に分類される。 また、ポーランド語の名詞には単数・複数ともに7つの格があり、文中での語の働きが格によって変化した格語尾で示されるため、名詞の格変化の理解はポーランド語を学ぶ上で重要である。

格変化

ポーランド語の格は、以下の7つである。 JanekとAgata(ヤネック・アガタ…人名)を例にみてみる。
  • 主格 mianownik 文の主語を作り、日本語でいう「は」「が」の役割をする。辞書の見出しとなる形。他の言語では「一格」と呼ばれることもある。英nominative。
:Janek czyta książkę. ヤネックは本を読んでいる。
Agata lubi psy. アガタは犬が好きだ。
  • 生格 dopełniacz 所有や帰属を表し、「の」の役割を果たす。また生格を支配する動詞や形容詞、前置詞にともなわれる格。他の言語では「二格」、「属格」、「所有格」とよばれる。英genitive。
:To jest samochód Janka. これはヤネックの車です。
Idę do Janka. ヤネックのところに行くところです。
To jest pies Agaty. これはアガタの犬です。
  • 与格 celownik 間接目的語となる格。「に」の働きをする。間接目的語を取る動詞や、与格支配の動詞、形容詞、前置詞にともなわれる。「三格」とも。英dative。
:Kup Jankowi zabawki. ヤネックにおもちゃを買ってやりなさい。
Trzeba Jankowi pieniędzy. ヤネックにはお金が必要だ。
Kup Agacie psa. アガタに犬を買ってやりなさい。
  • 対格 biernik 直接目的語(補語)になる形。「を」の働きを示す。大部分の動詞は対格を要求する。対格支配の前置詞とも用いられる。「四格」、「目的格」などとも呼ばれる。英accusative。
:Barbara kocha Janka. バルバラはヤネックを愛している。
Ten list jest pisany przez Janka この手紙はヤネックに書かれた。
Marek lubi Agatę. マレックはアガタを好きだ。
  • 造格 narzędnik 手段・方法・材料など、「〜で」、「〜を使って」という働きを、英語などとは違い、前置詞をともなわず名詞の変化形のみで表す。また、「述語の造格」として、「〜は〜である」の「〜である」の働きもする。造格支配の動詞、前置詞とともに用いる。具格または道具格、助格ともよばれる。英instrumental。
:Mama chwali się Jankiem. 母はヤネックのことを自慢する。
Dziś idziemy do kina z Jankiem. 私たちは今日ヤネックと映画館へ行きます。
Marek spotyka się z Agatą. マレックはアガタとデートをしています。
  • 前置格 miejscownik 必ず前置詞とともに用いられる格。おもに場所を表す。「処格」、「場所格」、「位置格」などと呼ばれる。英: locative(「前置格」に対応する英語は "prepositional" だが、英語におけるポーランド語の用語としては "locative" 「処格」が用いられる)。
:Plotkowali o Janku. 彼らはヤネックについて噂話をした。
Porozmawiajmy o Agacie. アガタについて話そうよ。
  • 呼格 wołacz 文の構造から独立して使用できる格。「〜よ!」など問いかけ、呼びかけに用いられる。手紙の書き出しにもこの格が使われる。英vocative。
:Janku! ヤネック(よ)!
Mój drogi Janku, (手紙の書き出し) 親愛なるヤネック
Cześć Agato! やぁアガタ!
男性名詞
男性名詞 rzeczownik rodzaju męskiego の格変化。
女性名詞
女性名詞 rzeczownik rodzaju żeńskiego の格変化。
中性名詞
中性名詞 rzeczownik rodzaju nijakiego の格変化。

形容詞

格変化

ładny「きれいな」を例に、単数と複数における形容詞格変化を示す。

動詞

ポーランド語の動詞の不定形は大部分-ćで終わる。

byćの活用形

być は「ある」「〜である」の意味の動詞である。
一人称・三人称の単数は będ-、それ以外は bedzi- が語幹になる。

規則変化動詞の活用形

規則変化動詞には大別して、第1型(-a変化)、第2型(-i変化)、第3型(-e変化)がある。
第1型(-a変化)
znać「知る」を例に、現在規則変化を示す。
第2型(-i変化)
lubić「好む」を例に、現在規則変化を示す。

簡単な表現

  • あいさつ
    • Dzień dobry. (ヂェィン ドブルィ)=こんにちは。
    • Cześć. (チェシチ)=やぁ。
    • Dobry wieczór. (ドブルィ ヴィエチュル)=こんばんは。
    • Dobranoc. (ドブラノツ)=おやすみなさい。
    • Dziękuję. (ヂェンクイェン)=ありがとう。
    • Nie ma za co. (ニェマザツォ)=どういたしまして。
    • Do widzenia. (ド ヴィヅェーニャ)=さようなら。
    • Przepraszam. (プシェプラシャム)=すいません。/ ごめんなさい。
    • Proszę. (プロシェン)=どうぞ。/ どういたしまして。
    • Halo (ハロ)=もしもし。

関連項目

外部リンク

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出典:「フリー百科辞典ウィキペディア」(2009-01-01)
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