ホフマイスターシリーズ(Hofmeister series)は、
水を構造化させる能力の順に
イオンを並べた順番である。イオンによる水の構造の変化は、イオンの溶解に対する陽イオンや陰イオンの影響について調べていたドイツの化学者フランツ・ホフマイスターによって初めて研究された。ホフマイスター列、ホフマイスター順列、ホフマイスター序列とも呼ばれる。
ホフマイスターは、
タンパク質の
二次構造、
三次構造を安定化させて溶解に影響を与える一連の
塩を発見した。陰イオンは一般的に陽イオンよりも効果が大きく、その順番は
-
F - ≒ SO42- > HPO42- > 酢酸 > Cl- > NO3- > Br- > ClO3- > I- > ClO4- > SCN-
となる。ただし、ここにはこのような性質を持つイオンの一部だけを載せている。
陽イオンの順番は次のようになる。
-
NH4+ > K+ > Na+ > Li+ > Mg2+ > Ca2+ > グアニジン
ホフマイスターシリーズの仕組みはまだ完全に明らかになっていないが、イオンとタンパク質、イオンと水の相互作用というよりは、水そのものの構造が変化していると考えられている。
効果の大きいイオンは溶液の
表面張力を増し、非極性溶質の溶解度を下げる。また水の乱雑さを下げて
疎水効果を強めている。
しかし、これらの塩はタンパク質とも直接作用したり、特異的な結合をしたりするものもある。I
-やSCN
-のような
塩析力の強いイオンはペプチド基を
塩析させてタンパク質を強く変性させ、折りたたまれた構造を伸ばした状態にする。さらにこれらのイオンは
ベンゼンなどの疎水的な分子とも直接相互作用すると見られている。
出典:「フリー百科辞典ウィキペディア」(2009-01-01)