歴史的経緯により、アフガニスタンでは
ダリー語(公用語の1つ)、タジキスタンでは
タジク語と呼ばれる。これらは現在ではそれぞれの国におけるペルシア語の
方言を指すが、イランのペルシア語とは発音や語彙、正書法などに違いがあり、別言語として扱われる場合もある。
ペルシア語は高度な文明を持っていた古代
ペルシア帝国から現在に至るまでイラン高原を中心に使われ続けてきた言語であり、文献によって非常に古くまで系統をさかのぼることができる。ただし、現在のペルシア語には
アラビア語からの
借用語が非常に多く、その形態は古代ペルシア語とはかなりの断絶がある。
分類
ペルシア語は、時代によって次のように大別される。
- 古代ペルシア語 … 古代ペルシア帝国(アケメネス朝)の公用語の一つ。楔形文字を用いた。
-
中世ペルシア語 … サーサーン朝頃に使われた。アラム文字から派生したパフラヴィ文字(中世ペルシア文字)を用いた。
-
近世ペルシア語 … 現代では「ペルシア語」といえばふつう近世ペルシア語を指す。ペルシア文字(アラビア文字の一種)を用いている。特に「現代ペルシア語」ないし「現代ペルシア発音」という時は、近世ペルシア語のうち、発音がテヘラン方言に近いものに変化したものを指す(i→e、u→o、q→ghなど)。
文字
基本的に
アラビア文字で表記される。アラビア語にない幾つかの音は元の文字に線や点を加えて書き表している。また、
?の単独形や尾字形が頭字や中字と同じ形(アラビア語に用いられるアラビア文字では異なる形)である、
?の単独形や尾字形には点をつけない、アラビア語からの外来語の?は
?とする、といった細かい差異がある。また、数字もアラビア語で用いられるものとは微妙に形が異なる。ペルシア語に用いられるアラビア文字を、特に
ペルシア文字と呼ぶことがある。
音韻組織
-
注 ただし、表中で /tS/ と /dZ/ は破擦音だが、破擦音は多くの言語の音素分類で、閉鎖音に含められる。
母音の機能的な相違は、
長母音 {/i:/, /u:/, /A:/} と
短母音 {/E/, /O/, /a/} の間に顕著である。
それゆえに、ペルシア語の音韻を {/i:/, /u:/, /a:/} と {/i/, /u/, /a/} とで表記し分けることは可能と思われる。
文法
動詞は主語の数(単数・複数)、人称(一人称〜三人称)に応じて
人称変化する。
名詞が
形容詞または
名詞に修飾される場合、修飾される名詞の後ろに形容詞・名詞が来る。この際、修飾される名詞は語尾に「e」(名詞が子音で終わる場合)または「ye」(名詞が母音で終わる場合)がつく。これをエザーフェという。
性はほぼ完全に消滅しており、代名詞にも存在しない。例えば英語の「he/she/it」は、ペルシア語ではいずれも「??(ū/ウー)」となる。
格変化はほぼ完全に消滅しており、代名詞にも存在しない。
格を表す役割は、語順と
前置詞が果たしている。英語等の所有代名詞にあたるものは接尾辞で表される。
その他
また、ペルシア語の長い歴史を反映して、他の言語から多くの語彙を取り入れている。特に
アラビア語から取り入れられた語彙が多い。他に、
モンゴル語、
フランス語、
英語などからも語彙を取り入れている。
関連項目
(共にペルシア語の方言)
外部リンク
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出典:「フリー百科辞典ウィキペディア」(2009-01-01)