ヘヴィメタル(
Heavy Metal)は音楽のジャンルの一つ。基本的な俗称は
メタル。
1970年代後半から
1980年代はじめにかけて現れたロックのスタイルで、
ハードロックの延長線上にある。両者を並べて
HR/HM(HM/HR)と表現することもある。ファッションにおけるヘビメタとは、明確に区別されるべきものである。
語源
『ヘヴィメタル』の語源には諸説あるが、以下に有名なものを記載する。
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ウィリアム・バロウズが麻薬中毒者の究極状態を表現するために作った造語『ヘヴィ・メタル』を、音楽ライターのサンディ・パールマンがブルー・オイスター・カルトの音楽性を表現するために転用したのが最初、とする説。この説が一番有力とされている。
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1960年代のギタリストジミ・ヘンドリックスのコンサートを見たニューヨーク・タイムズの記者が、彼が出す音を今までに聞いたことの無い音の形容として「空から重金属(ヘヴィメタル)を落としたような音」として表現したのが最初、とする説。
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レッド・ツェッペリンの「硬質でありつつ柔軟な」音楽性をSF小説「ヘヴィメタル」に登場する『柔らかい金属=ヘヴィメタル』に例えた(ヘヴィメタルのように柔らかく、ロックだけに捉われず、音楽的に柔軟である、とした)ものを最初とする説。
- 映画「イージー・ライダー」の挿入曲として有名なステッペン・ウルフ「ワイルドで行こう - Born To Be Wild - 」の歌詞にある「Heavy metal thunder」に由来するという説。
特徴
世間的には派手なファッションでとにかくうるさい過激な音楽、といったイメージで捉えられがちだが、間違いとは言いきれないものの、一部のものが誇張されたきらいがある。悪魔崇拝を公言するバンドもあるが、ファッションやアルバム&曲のコンセプトなどのイメージ面に於いて
オカルトの
モチーフ(
逆十字、逆
ペンタグラム、
666など)を借用しているだけのバンドもあり、必ずしも実際にそのバンドが悪魔を崇拝しているとは限らない。
ヘヴィメタルは比較的古くから、アリーナ向けの商業ロックとアンダーグラウンドにシーンが分かれていて、また時代が下るごとにシーンも細分化が進んできた。シーンの分化はすなわち音楽性の多様性を生み出し、そのため様々なサブジャンルを内包している。ヘヴィメタルのサブジャンル参照。
音楽的特徴
ヘヴィメタルでは、ギターソロが重視される場合が多く、多くのバンドが曲中にギターソロを入れる。特にギタリストが二人いる場合は、二人が交互にギターソロを弾くことがある。また、ドラムソロやベースソロも行われることも多く、
歌よりも
演奏で魅せるような曲も多い。
通例のポピュラー音楽の
テンポが概ね 80-130bpmであるのに比して、80-200bpm以上と総じて速いテンポの曲または曲の一部を許容する傾向を持つ。
ヘヴィメタルでは、低音域が重要視され、ギターやベースの
チューニングを下げて通常より低い音が出せるようにしたり、アタック音の強いバスドラムを左右の足で継続的に踏みつづけるなどの特徴が見られる。ヘヴィメタルは音楽機材の進化と多様化に多大な影響を与えたとも言われている。
歴史
ヘヴィメタル黎明期
今日ヘヴィメタルと形容される音を最初に取り扱ったバンドについては諸説ある。
有力な候補として、
1970年デビューの
ブラック・サバスが挙げられる。歌詞、楽曲ともに当時のロックシーンにおいてセンセーショナルであったことは間違いなく、その影響は現代のヘヴィメタルシーンにとどまらず、他のロックンロール・バンドにまで受け継がれている。
ジャンルとしてヘヴィメタルが成立し始めるの1970年前後である。
クリーム、ジミヘンドリックスエクスペリアンス、ブルー・チアー、
ブルー・オイスター・カルト、
ステッペンウルフ、レッドツェッペリン、ディープ・パープル、ブラックサバスなどヘヴィメタルの元祖と称されるバンドは数多い。
ヘヴィメタルの確立
レインボーの「ア・ライト・イン・ザ・ブラック」「キル・ザ・キング」で聞くことのできる、
ベース・ギターと
バスドラム、
リズム・ギターの三者が同期するリズムは、インパクトの強い独特の疾走感とドライブ感を演出し、その後のヘヴィメタルの定番スタイルとなった。
ジューダス・プリーストは結成当初は比較的オーソドックスなハードロックをプレイしていたが、やがて硬質で疾走感のあるギター
リフを用い、金属的な高音ボーカルでシャウトするなどの音楽様式を作り出した。さらに1970年代末以降はレザーファッションやフォーメーションなどステージ・パフォーマンスの面でもいわゆる「ヘヴィメタル」のイメージを作り上げた。
ドイツの
スコーピオンズの存在も重要である。スコーピオンズ登場前のドイツはロック不毛の地と呼ばれるほど、スター・アーティストが不在の状況であった。スコーピオンズの登場後、彼らに続くグループが現れ続け、
ジャーマンメタルの世界を作り出した。
NWOBHM
ブリティッシュ・ハードロックは
1970年代初頭に一時代を築き上げるが、1970年代半ばに
パンク・ロック・ムーブメントが起きると、かつての
ハードロックは「オールド・ウェーブ」と呼ばれるようになり、ブリティッシュ・ハードロック・シーンはその勢いを失っていく。しかしながら、アンダーグラウンドシーンでは様々な若手バンドが頭角を現し、サウンズ誌の記者ジェフ・バートンにより『
NWOBHM(ニュー・ウェイヴ・オブ・ブリティッシュ・ヘヴィ・メタル)』と名付けられたこのムーブメントはイギリス全土に広がり、
1980年には
アイアン・メイデン、
デフ・レパードがメジャーデビューし、シーンは一気に活性化していく。
ヘヴィメタルの産業化と全盛期
1970年代後半から1980年代前半にはアメリカやイギリス以外の国からも多数のヘヴィメタルバンドがアメリカでも受け入れられ、特にオーストラリアの
AC/DC、西ドイツ(当時)の
スコーピオンズ、日本の
ラウドネス、カナダのベテラン、
ラッシュやトライアンフ等の活動が目立った。1980年代中期のヨーロッパではジューダス・プリーストやアイアン・メイデンの影響を受け、スピードを重視したアップテンポのリズムとメロディックで分かりやすい歌で人気を得た
アクセプト、
ハロウィンらを初めとする
ジャーマンメタル、透明感のあるクラシカルなサウンドや幻想的で叙情性のある歌で人気を得る
ヨーロッパらの活躍があった。1980年代後半には
ボン・ジョヴィ、
デフ・レパード、
ホワイトスネイクといったグループがアメリカを中心に天文学的なセールスをあげ、他方でドイツのハロウィン、日本のLOUDNESSなども
ビルボードのアルバムチャートに顔を出すなど、全盛期を迎えた。
スラッシュ・メタル
NWOBHMそのものは1980年代半ばにその勢いを失ってしまうが、世界各地で「NWOBHMに続け」と若者達がバンドを結成するきっかけとなった。そして、スケーターサウンドに影響を受けた
メタリカ、
メガデス、
スレイヤー、
アンスラックスなどのバンドがより過激な音楽形態である
スラッシュメタルを確立。アンダーグラウンドで人気を獲得していき、後にスラッシュメタルから分化した
デスメタル、
ブラックメタルが誕生する。
古典的ヘヴィメタルの衰退〜オルタナティブ・メタルの勃興
そのような状況下では古典的ヘヴィメタルバンドが従来の活動を続けられるはずもなく、バンド再編、有力メンバーの離脱、音楽性の変化などが求められた。当然それに対応できないバンド、あるいは変化の過程でファンの支持を得られなかったバンドは表舞台から消えていった。
この状況に楔を打ち込んだのがスラッシュ・メタルの代表
メタリカであった。彼らはアルバム『
メタリカ』(
1991年)でヘヴィメタルの新しい音楽性を示すと同時に2200万枚という大ヒットを飛ばす。そして、
パンテラの『俗悪』、ミニストリーの『詩篇69』、ヘルメットの『ミーンタイム』などは数々のバンドの手本とするところとなる。そのパンテラに強く触発された
ロブ・ハルフォードが
ジューダス・プリーストを脱退して
FIGHTを結成したことは、この時期の流れを象徴するものといえよう。
この動きに呼応するようにしてヘヴィメタルは若手ミュージシャンを中心に
オルタナティブ・メタルとして復活を始める。それは、シンプルなリフに重いギターサウンド、冷徹に現代社会を見つめる歌詞のテーマ、
ヒップホップ・
レゲエの要素の導入など、時代に求められた様々な要素を注ぎ込んだ新しいメタル像(
ニュー・メタル)であった。一方の日本ではこの動きをモダン・ヘヴィネスやヘヴィ・ロックと呼称して区分し、旧来のヘヴィメタルとは違うことを強調したマーケティングが行われた。
こうして1990年代は、新しい時代にふさわしい姿に成長したバンド、消えていった旧世代のバンド、時代に応じて現れた若手のバンドと、世代交代が急速に進んでいった時代であった。
2000年代以降のヘヴィメタル
こうしてヘヴィメタルのスタイルは分散化が進み、空洞化したヘヴィメタルは王道を失っていた。そこへ(再び)現れたのが、1980年代のヘヴィメタルを支えたクラシックメタルの王者である
ジューダス・プリーストや
アイアン・メイデンらであった。黄金期のラインナップで再興した彼らは新たなアルバムの発売やツアーなど精力的な活動を行い、メタルシーンの活性化に貢献した。シャロン・オズボーンもまたこうした動きを見逃さず、これら2バンドはもちろん1980年代から2000年代で活躍しているバンドが多数参加する一大イベント「オズフェスト」を毎年の定例イベントとして仕上げていった。
アメリカの調査会社NPDによると、2006年に前年と比較して最も市場が成長したロック系音楽ジャンルはハードロック/ヘヴィメタルとなっている。
日本におけるヘヴィメタル
1980年代初期
1980年代中期(速弾きブーム)
アメリカでのLAメタルブームは日本のバンドにも影響を与え、日本のバンドの殆どがLAメタル系のような派手なルックスになった。その中でも特に派手だった
44マグナムの人気は高く、中でも美形ギタリストの広瀬“JIMMY”さとしの女性人気は尋常ではなかった。
1980年代中期と言えば1984年10月に
シンコー・ミュージック・エンタテイメントから創刊された日本初のヘヴィメタル雑誌「
BURRN!」の誕生は当時のヘヴィメタルファンには「待ってました!」と言わんばかりの登場であった。当時はインターネットもないためヘヴィメタルの情報が中々入ってこない時代でもあり、日本初のメタル雑誌の登場は更にメタルシーンを盛り上げる結果となった。
1984年には日本初の巨大ヘヴィメタル・フェスティバル「スーパー・ロック '84 イン・ジャパン」が
西武球場等の各球場で行われ、
ホワイトスネイク、
マイケル・シェンカー・グループ、
スコーピオンズ、
ボン・ジョヴィ、アンヴィルらが出演。マイケル・シェンカー・グループ出演時におけるレイ・ケネディ(Vo)の、臨時参戦とは言えカンニング・ペーパーを見ながらの中腰で歌う年寄りのようなステージパフォーマンスには批判が集中した。尚、この時のイベントを収めたビデオは後に商品化されたが現在は廃盤であり、DVD化を待ち望んでいる声もある。
1980年代中期(ポップメタルへの反逆)
メタリカなどの
スラッシュメタルバンドがアメリカのアンダーグラウンドシーンで人気を獲得する中、日本でもポップメタルに反逆する第二世代と呼ばれるバンドが次々と登場し、その中でも
FLATBACKERや
ANTHEMは音楽雑誌で第一世代のバンドに毒を吐き、過激な演奏でコアなファンを獲得した。同時期にデビューした
聖飢魔IIは
BURRN!誌では0点という記録に残る評価を受けたが、ヘヴィメタルファン以外にも支持されていったバンドである。
1985年には
LOUDNESSが世界デビューを飾り、1987年には
VOW WOWがイギリスを中心に活動を開始した。また、1980年代の日本のメタルシーンは
インディーズを中心に盛り上がりを見せ、その中には後にモンスターバンドと化す
Xの姿もあった。特にXは
44マグナム以上に派手なルックスかつ凶暴なパフォーマンスで少しずつ人気を得ていた。また、当時のXは日本のヘヴィメタルシーンをあざ笑うかのようにテレビ番組の出演を繰り返していた。(詳しくはXの項目参照)
1980年代後半(バンドブーム)
1987年の
Guns N' Rosesの登場により、日本のメタルシーンにおいてもGuns N' Rosesのフォロワーが登場した。1989年にデビューしたXについては、音楽面の将来性で多くが期待を持ったものの、TV等のメディア登場初期に見せたやりたい放題のパフォーマンスに反発、幻滅していった者も少なくない。
また、Xの成功と影響を受けてその後次々とデビューしたバンドには、楽曲や演奏技術は二の次でヴィジュアルとパフォーマンスばかりを過度に重視する、すなわち本来のバンドとしてのスタンスからさえ大きく逸脱した方向性を見せたものさえ出てくる始末であった。これらは若年女性層からの熱狂的な支持こそ受けていたが、ヘヴィメタルのプレイヤーやファンの間には、ヘヴィメタルのイメージに対して大きな誤解を与えるイロモノ( =「本来のその中心から外れているもの」の意) として強い不安感と嫌悪感を生む事になった。
事実、Xの活躍はめざましく、テレビや新聞、女性誌といった一般マスコミにも取り上げられて知名度を大きく上げる事となったが、これは同時にXのスタイルがヘヴィメタルのパブリック・イメージとして急激に浸透してしまうという事態を引き起こすことに繋がった。21世紀に入って現在ですら20代後半~40代前半の人たちからはこの当時のXのイメージに基づいた、ヘヴィメタルに対する偏ったイメージに根ざした発言が少なからず聞かれるところである。
また、
漫画などでヘヴィメタルを表現する時は、『
デトロイト・メタル・シティ』にみられるように、未だにメジャーデビュー当時のXや聖飢魔IIを誇張表現した様なキャラクターがフォーマットとなっている。この傾向は特に
ギャグ漫画で顕著であり、『
こちら葛飾区亀有公園前派出所』では、閻魔大王が地上にやってきた際、「地獄からやってきた」と謳うヘビメタバンドのポスターに「地獄にヘビメタなんぞおらん!」と激怒するシーンがある。
しかし、それまでの日本のヘヴィメタルでは、歌謡曲と同様に一般マスコミから取り扱われる程の大ヒットを記録した曲は無く、従ってヘヴィメタル自体が日本の音楽史にあってはメインの売れ線からは一貫して外れた位置に置かれていた。その為ジャンル全体の情報量が不足している中、ヘヴィメタル分野で事実上初めて一般テレビマスコミにまで注目され話題性を提供できたのが、正統派ヘヴィメタルを好むプレイヤーやファンがイロモノ路線として嫌っていた、聖飢魔IIやXなどの見た目のインパクトも重要視し、音楽よりも視覚的なパフォーマンスでマスコミから扱われていたバンドであった。実際Xなどはメジャーレーベルで発売したCDで数字を叩き出すまでは『ちょっと過激な音楽もできるバラエティタレント』並の扱いしかされていなかった。かくて彼等がヘヴィメタルの見た目の象徴として扱われた為、これらの偏ったイメージが一般に定着してしまったという点は否めない。
また、視聴率至上主義のテレビマスコミにとっては、それまで巨大ヒットを生み出さなかったヘヴィメタルに対して、そもそも「ロック音楽のイロモノ」程度の認識しか無かったという点も大きい。他にも当時の「BURRN!」などの編集スタイルなどの影響もあり、当時のヘヴィメタルのミュージシャンの多くには音楽一筋というイメージを最重視し、テレビなどでタレント的な活動もするヘヴィメタルやロックのミュージシャンを蔑視する風潮があったと言われており、一般マスコミの持つ大衆への影響力への軽視が招いたツケであるという指摘もある。
いずれにせよ、この1989年に始まった
バンドブームにより、派手な見た目やパフォーマンスを重視し演奏を軽んじたバンドが非常に増えた。それらのバンドの多くがXと同系統のファッションという事から「ヘビメタ」と見なされた事により、普通に音楽性を重視して活動していたメタルバンドはその煽りをくらい軽視されるという結果になっていった。こうした経緯から、1990年代には日本のヘヴィメタルは少しずつ、しかし、確実に衰退していくこととなる。
挙げ句には「BURRN!」でさえ人気投票のBORE部門には「ヘビメタの流行とイカ天ブーム」がある程、当時のヘヴィメタルファンにはヘビメタは差別用語とみなされてしまっている。その後、インディーズでヘヴィメタルバンドとして活動していたバンドのほとんどが
ヴィジュアル系へと移行した。またメジャーデビューに際しての所属事務所やレコード会社の販売戦略面からの要求で、音楽性も含めて移行をせざるを得ない状況に追い込まれていったものも多い。
1990年代
世界的にヘヴィメタルシーンが力を失ってゆく中、日本国内ではドイツや北欧出身のメタルバンドを中心に依然として人気は根強く、
ハロウィンなどのバンドは安定した人気を持っていた。1989年にデビューした
Mr.Bigや1993年デビューの
アングラは日本で高い評価を受け、特にMr.Bigは女子高生の支持を得るなど好評を博し、
ポール・ギルバートはギターキッズの注目の的であった。1988年以降、1992年、1994年、1995年には
イングヴェイ・マルムスティーンが
日本武道館でのライブを成功させるなど、1990年代以降日本で好調な人気を得て、それ以降も日本を重要なマーケットとして位置づけて、活動している者も少なくない。
しかしこれは欧米のバンドに限った事であり、日本のバンドはXの影響を受け、雨後の筍の如く出現してくるヴィジュアル系バンドの全盛の影に完全に隠れてしまい、冬の時代どころか氷河期に陥っていた。それまでの有力バンドは1989年に44マグナムが解散したのを筆頭に、1990年にVOW WOWとEZO、1992年にANTHEM、1994年にアースシェイカーと次々と解散してゆく。
また、このHM/HR系の斜陽化と
バブル景気後の業態再編や利益性を重視する企業体質への変化の過程の中で、メジャーレーベルではこの時期にバンド整理を実行したものもあり、契約解除の理由はセールス不振やバンドメンバーのスキャンダルなど色々ではあってもメジャー契約を打ち切られ、新たなる契約先を求めて数多くのバンドが音楽業界をさまようことになった。また、この時期に解散に追い込まれたものも少なくない。唯一アメリカで安定した活動を続けるLOUDNESSにも全盛期の力は既に無く、メンバーチェンジを繰り返しながら2000年のオリジナルメンバー再集結までは細々とした活動が続く事となる。そして、本来ならばこれらの後続となるべき新進のメタルバンドについても、『ヘビメタはダサい』『時代後れ』などの理由をつけられて、メジャーデビューどころか、もはやそれ以前の段階の演奏の場の確保さえまともにできない者すら出るという有様で、演奏の場の確保を目的にビジュアル系やそれに近いスタイルへの転換を余儀なくされたケースもあった。
一方、ヴィジュアル系バンドの開拓者として別格の存在になったXについても、セールス面でこそ好調であったがその活動は順風満帆とまでは言えなかった。1992年にベースの
TAIJIを解雇すると同時に名前もアメリカの同名のバンドとの混乱を避ける事を目的にX-JAPANと改めた。改名後は
YOSHIKIの体調面の問題(頚椎椎間板ヘルニアや神経性無気力症候群など)もあってか初期の様な激しい曲は少なめになり、バラード主体となった。そして1997年にヴォーカルの
TOSHIの音楽性の方向の違いによる脱退を機に2000年まで一時解散のはずだったが、ソロとして好調に活動していたhideが翌年急死してしまったため、全盛期のメンバーによる再結成は不可能となってしまったが、2007年にはYOSHIKIの口から「2007年には復活する」との宣言がなされている(詳細は
X JAPANの項目参照)。また、TAIJIこと沢田泰司もXを解雇された直後こそLOUDNESSなどに参加するものの、後に著しい低迷に陥り、一時は
ホームレス同然にまで転落していったのはよく知られるところである。
2000年代
2000年代に入り、一時衰退していたヘヴィメタルが様々な形で再びロックの本流としての地位を確立してきた。最もヘヴィメタルだけではなく、ヘヴィメタルを中心にアレンジした
ニュー・メタルのジャンルも盛り上がりを見せ、1980年代ブームをも取り入れたものが出てきている。しかし、
アメリカン・ミュージック・アワードでヘヴィメタル部門が廃部されるなど、現在はまだ1980年代ほどの盛り上がりにまでは達していない。これには、ヘヴィメタル以外のジャンルのロック(
ガレージ・ロックなど)が盛り上がりを見せている事も絡んでいる。
また、ドイツや北欧を中心とするヨーロッパ地域においては、1980年代ブームとほとんど代わりようが無いようなヘヴィメタルが、現在もロックの本流として地位を確立している。
現在の日本におけるヘヴィメタル
2000年以降、1980年代に活躍したバンドがオリジナルメンバーや全盛期のメンバーで再結成するなど、ベテランバンドの活動が活発になり、かつてのファンや当時を知らないファンを歓喜させたが、それらしい活動をするベテランバンドはLOUDNESSとANTHEMくらいである。2000年以降の有力なバンドには、2000年に
BURRN!誌のプッシュを受けデビューした
DOUBLE DEALERや、2001年にメジャーデビューした
陰陽座、2003年にデビューした
Galneryusなどがある。しかし、2006年には
SEX MACHINEGUNSが活動を休止(しかし2007年にはメンバーを変えて、また活動を再開している)、更に2007年にはDOUBLE DEALERがフロントマンの
下山武徳がマネージャーとのトラブルが原因で解散を表明している。
一方で、BURRN!等のメディアは日本の若手バンドをあまり取り上げずベテランバンドを大きく扱う傾向にある(特にBURRN!は編集スタッフ各々の嗜好に左右される場合多し)ため、若手や中堅バンドがあまりスポットを当てられない風潮もある。また、歴史的にもメガヒットがほとんど無いジャンルであるため、テレビの音楽番組への露出やコマーシャルのタイアップに恵まれない事も、若手バンドの知名度向上面においてネックとなっている。
ギター雑誌ではあるものの、BURRN!と競合誌(発行元が同じ
シンコー・ミュージック)でもある
YOUNG GUITAR誌は積極的に若手バンド及びギタリストを取り上げているものの、取り上げているバンド及びギタリストの大半が
スポンサーである
ESPや音楽学校のMI JAPAN出身のギタリストが所属するバンドか、1980年代を彷彿させるネオクラシカルな速弾きばかりを披露するギタリストやバンドをプッシュするため、楽器を弾かないファンには良い評価も得られず、あまり盛り上がってるとは言えない状況である。
同じく、1980年代から日本のバンドを積極的にプッシュしている「
ロッキンf」は若手のバンドをDVD等に収録してプッシュはしているものの、若年層には手の出しにくい高めの値段(1500円)が原因なのか、かつてのような盛り上がりは無くなりつつあり、2007年8月発売号を最後に権利関係の問題で「ロッキンf」名義での発行が終了し、老舗雑誌の歴史から幕を閉じることになった。
一方、海外のメタルが再び盛り上がりを見せていることで、日本のメタルファンも増えつつあり、再び日本にもブームが到来する可能性が出始めたと言われている。
ヘヴィメタルのサブジャンル
主に1990年代以降、時代に合わせてサウンドを変更し生き延びるバンドもあれば衰退の波に飲み込まれて消えていくバンドもあった。その一方で、新しいサウンドや他ジャンルのサウンドを貪欲に消化し、様々なスタイルでプレイするヘヴィメタル・バンドが誕生した。
地域ごとに特有の音楽性が認められる場合、地域別サブジャンルが出来る場合がある。
主要ヘヴィメタルバンド
ヘヴィメタルを取り扱うメディア
テレビ番組
ラジオ番組
雑誌
休刊した雑誌
- BURRN! JAPAN(シンコーミュージック・エンタテイメント)
- METAL GEAR(ソニー・マガジンズ)
- 炎(シンコーミュージック・エンタテイメント)
漫画
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