国名
正式名称は、
République française (
フランス語: レピュブリク・フランセーズ)。通称、
France [frãs]。 略称、
RF。
公式の英語表記は、
French Republic。通称、
France。
日本語の表記は、
フランス共和国。通称、
フランス。また、漢字による当て字で、
仏蘭西、
法蘭西などと表記することもあり、
仏と略されることが多い。ちなみに、中国では
簡体字で
法?西、
繁体字で
法蘭西と表記し、
法と略される。日本でも一部の有識者は仏の字を忌避して
法国と書く。
国名の
Franceは、11世紀の『ロランの歌』においてまでは遡って存在が資料的に確認できるが、そこで意味されているFranceは
フランク王国のことである。一方で987年に始まるフランス王国le Royaume de Franceに、Franceという名前が用いられているが、これは後代がそのように名付けているのであってその時代にFranceという国名の存在を認定できるわけではない。Franceは中世ヨーロッパに存在したフランク王国から名付けられたとされる。
ドイツ語では直訳すればフランク王国となるFrankreich(フランクライヒ)を未だにフランスの呼称として用いている。これと区別するためにドイツ語でフランク王国はFrankenreichである。
ギリシャ語では古代のこの地域の名称であった
ガリア(
Γαλλία)が使われている。
地理
フランスの地形のおもな特色は、東から南にかけて山地や山脈という自然の国境がある他は、ところどころに高原や丘陵がみられるものの、国土の大半は概して緩やかな丘陵地や平野で可住地に恵まれていることにある。北部、西部に広がる、フランスでも最も広い領域を占める比較的平らな地域は、
東ヨーロッパから続くヨーロッパ中央平原の西端部にあたる。緩やかな起伏の平野で、高所でも標高200m程度の土地が広がっており、温暖な気候と併せて西欧最大の農業国フランスの基礎となっている。東部
ドイツ国境には
ヴォージュ山脈、
スイス国境には
ジュラ山脈が延びる。ヴォージュ山脈は
ライン川の西岸に沿って流れ、ライン川がフランスとドイツとの国境となっている。南東部はサントラル高地が広がり、北から南へ流れ下る
ローヌ川を越えると、
アルプス山脈につながっていく。南部
イタリアとの国境を成すアルプスの山々は、多くが標高4000m以上で、その最高峰が
モンブランである。アルプス越えには
古代ローマの時代からいくつかの道があるが、なかでも有名なのがサンベルナール峠である。南西部の
スペイン国境には
ピレネー山脈が延びる。峠がほとんど無いピレネー山脈は、フランスとスペインとの交易を困難なものにした。サントラル高地の最高峰はドール山 (1,866m)。ピレネー山脈の最高峰アネト山 (3,404m) はスペイン側にそびえる。フランス全土の最高峰はイタリア国境に位置する
モンブラン (4,810m)。
気候
フランスの気候は大陸性、海洋性、地中海性の気候区に分割される。
海洋性気候は国土の西部で見られる。気温の年較差、日較差とも小さい。気候は冷涼であるが、寒くなることはない。国土を東に移動するにつれて気候は大陸性となっていき、気温の年較差、日較差が拡大していくと同時に降水量が上昇していく。本来の
大陸性気候は東ヨーロッパ、つまり
ポーランドや
ルーマニアが西の限界であるが、フランス東部の高地、特にアルプス山脈の影響によって、大陸性気候が生じている。
地中海性気候は国土の南岸で際立つ。気温の年間における変動は3種類の気候区のうち最も大きい。降水量は年間を通じて少ない。
歴史
政体の変遷と主要な事件
政治
]]
現在のフランスは、
直接選挙で選ばれる
大統領(任期5年、2002年以前は7年)に首相の任免権や議会の解散権など強力な権限が与えられ、立法府である議会より行政権の方が強い体制が敷かれている。このため、先進国の中でも日本などと並んで官僚機構が強いと言われることが多い。
また、大統領が任命する
首相は、大統領にも議会にも責任を負っており、共に行政権を持つ(
半大統領制)。このため、大統領の所属政党と議会の多数派勢力が異なる場合、大統領自身が所属していない議会多数派の人物を首相に任命することがある。この状態を
コアビタシオンと呼ぶ。こうした場合、大統領が外交を、首相が内政を担当するのが慣例となっているが両者が対立し政権が不安定になることもある。
議会は
二院制を採用し、
上院に当たる
元老院と、
下院にあたる
フランス国民議会がある。元老院は間接選挙で選出され、任期は6年で3年ごとに半数を改選される。国民議会は直接選挙で選出され、投票に際して
小選挙区制と二回投票制度が定められている。優先権は国民議会にあり、元老院は諮問機関としての色彩が強い。
地方行政区分
フランス本土は、22の
地域圏(レジオン région)に区分され、その下に96の
県(デパルトマン département)がある(各レジオンが2〜8のデパルトマンに区分されている)。さらに海外には、4つの
海外県と、複数の
海外領土がある。
主要都市
フランスは
パリへの人口の一極集中が目立ち、同市に次ぐ都市は規模が小さい。つまり
ジップの法則からのずれが目立つ分布となっている。
外交
アンシャンレジーム期からイスラム圏の
オスマン帝国と同盟を結ぶなど独自外交を貫き、第五共和制成立後も
冷戦構造の中でフランスの影響力を保つために
OTANの軍事機構からの脱退や、アフリカ諸国との友好関係の強化が行われ、
西ドイツ(当時)と共に欧州統合の旗手となった。冷戦終結後は欧州統合を深化し、
欧州連合の主要国として存在感を高めている。また、アメリカ合衆国による2003年の
イラク戦争には終始反対した。
21世紀に入り、日米を除く
G7各国や欧州連合加盟各国が
北朝鮮と国交を結んでいる中、2007年1月現在もフランスは
国交を締結していない。
イギリスとの関係
フランスと
イギリスは歴史上錯綜した関係を持ってきた。
イングランドは、
ノルマン・コンクエストを通じてフランス語を母語とし、フランス王国の公爵を兼ねる王に統治されることとなった。こうして、中世のイングランド王は同時にフランス王国の大貴族であり、その立場においてはフランス王の臣下であるという関係が長く続いた。なおかつアンジュー帝国とも称された
プランタジネット朝のイングランド王は、王権の確立が遅れていたカペー朝のフランス王をしのぐ巨大な所領をフランス王国内に所持し、フランス王の勢力を圧倒した。またイングランド王家とフランス王家の姻戚関係もまた深かった。
こうした経緯から、中世のイングランド王家とフランス王家は、フランス王国における覇権をめぐって幾度となく抗争を繰り返すこととなった。
ジャンヌ・ダルクが活躍したことで有名な
百年戦争は特に長引いた抗争であり、イングランド王家が最終的にフランス王国内の基盤を喪失するにまで至った。この長期の戦争を通じてフランス人とイギリス人の間に、後の
国民国家の創生につながる近代的な国民意識の母体となるものが胚胎したともいわれる。
こうした歴史的経緯から、フランス人とイギリス人の間には根深い対抗意識が根付くこととなった。英単語でフランスを意味する「フレンチ」がつく単語はあまり良くない意味であることが多く、フランス語でイギリスを意味する「アングレーズ」がつく料理は簡単かまずいかのどちらかであるとされている。この為、
アメリカ英語では「フレンチフライ」と呼ばれるフライドポテトをイギリス人は絶対に「フレンチフライ」とは呼ばない。
ちなみに、英語での生きている牛 (cow) もしくはいきている豚 (pig) と死んだあとの食肉としての牛 (beef) と豚 (pork) の呼び方が異なる理由は、ノルマン・コンクエストによってイギリスを支配したノルマン系のイングランド貴族の母語がフランス語であり、被支配者であるアングロ・サクソン系の農民の育てた家畜は生きている間はアングロ・サクソン系の語彙で呼ばれ、肉となって調理され、貴族の食卓に上るとフランス語系の語彙で呼ばれるようになったのが由来である。即ち、ビーフとポークは本来フランス語である(ただし英語とフランス語のビーフ・ポークの綴りは異なる。
日本との関係
歴史
1858年
10月9日に、フランスから
日本に外交使節団長として派遣されたジャン・バティスト・ルイ・グロ
男爵によって、日本と最初の修好通商条約が当時の日本の幕府があった
江戸で調印された。
現在も官民を問わず活発な往来が行われている他、経済的にも文化的にも深くかつ幅広い交流が行われているなど親密な友好関係にあり、首都のパリと日本の首都の
東京都は姉妹友好都市関係にある。
フランスにおける日本
ヨーロッパ諸国の中でも、フランスは
日本への文化的関心が高い方とされている。フランスの
辞書には「
サムライ」や「
カラオケ」などの日本語が載っており、中には
畳や
布団を使い、食べ物では
納豆や
蕎麦を食べる日本通のフランス人も見かけられる。
パリの
カフェにはメニューに
カマボコが載っているところもあり、
スーパーマーケットでも販売されている(その元となるすり身も「スリミ」とローマ字で表示されて売っている)。
近年では、現地のテレビ局により流される子供用アニメの多くが日本製であることから、若者の中では特に
マンガ・
アニメが流行しており、
アニソンを歌い、マンガとアニメキャラクターの
コスプレ大会が行われるなど、日本のマンガとアニメに対するファンも少なくない。日本発のサブカルチャーの祭典である
Japan Expoでは、2008年度は3日間で8万人の動員を記録している。
なおフランスは日本を凌ぐほど
柔道が普及しており、その競技人口は56万人を数え(日本は21万人)、世界最大規模である。その実力もかなりのものである。また、
宗教では日本の
寺が建てられ、日本で
修行をして勉強したフランス人の僧侶がいる。
日本におけるフランス
日本では、フランスはファッションや美術、料理など、文化的に高い評価を受ける国として有名であり、毎年多数の日本人観光客が高級ブランドや美術館巡り、グルメツアーなどを目的にフランスを訪れている。また、音楽、美術、料理を学ぶためにフランスに渡る日本人も多く、在留日本人は3万5千人に及ぶ。特に首都パリは文化、流行の発信地、『芸術の都』『花の都』としてのイメージが日本人の間に過剰に強く、イメージと現実とのギャップによる『
パリ症候群』という
適応障害にかかる日本人もいる。
経済面では、1992年から2000年にかけフランス側が対日輸出促進キャンペーンとして「ル・ジャポン・セ・ポシーブル」を展開したものの、2000年代の現在まで
貿易額は漸増傾向を示すに留まり、2004年時点で貿易額は相互に60億ドル台から80億ドル台で推移している。日本から見た場合、対仏輸出の構成比は1.5%(各国中15位)であり、一方でフランスからの輸入も1.8%(同13位)と貿易における重要度、依存度は他の先進国中進国と比較してさほど高くない[。これをフランスから見た場合、対日輸出が輸出全体に占める割合は1.6%であり、これは
ドイツ(14.5%)、
スペイン(10.2%)、
イタリア(9.2%)、
イギリス(8.8%)、
ベルギー(7.6%)といった
EU諸国、
アメリカ合衆国(7.2%)、
中華人民共和国(1.7%)に次ぐものとなっている。
他にも、
1910年(
明治43年)には
徳川好敏がフランスの
飛行機の操縦技術を学び、フランスのある飛行機を持ち帰り、初飛行した。徳川は、日本人としてはじめてのパイロットである。
1918年(
大正8年)1月の
第一次世界大戦中にフォールフランス陸軍砲兵大佐を団長にした、63名のフランス航空教育団を日本に派遣した。日本での初飛行や航空教育は、所沢陸軍飛行場(現
航空公園)で行われた。また、日本海軍は当初フランスの海軍軍人を顧問としていたことから、フランス海軍の影響が強いと言われる。
軍事
憲兵は以前は国防部に属していたが、現在は内務省に属し、警察業務を担当する。
経済
第二次世界大戦後はモネ・プランとして知られる戦後の復興計画によって、鉄道や航空、銀行、炭田の国有化がなされ、自動車・電子・航空機産業についても国が主要株主となり、政府は石油と天然ガスにも投資した。
1981年の
ミッテラン大統領の
社会党政権時代には産業国有化がさらに進められ、フランスでは政府が経済全体で果たす役割は大きい。
1986年に保守派
シラクが首相になって国家の役割が縮小されたものの、
アメリカや
イギリスなどと比べても金融・保険・電力・運輸・国防産業などの分野で依然として政府は大きな影響力を有し、
国家資本主義の色彩が濃い。
1990年代後半は、
ヨーロッパ通貨統合に参加するために強硬な財政赤字削減策が実施されたが、国民の強い反発を招き、消費拡大による景気刺激策に方針が転換された。しかし、
2000年を境に
GDPの
実質経済成長率は大きく低下して、財政赤字は2002年以降、連続して対GDP比3%以内という
EUの財政協定の基準を大きく超えていた。1990年代の大きな問題だった12%をこえる
失業率も、90年代末から改善されて
2001年には8%台になったが、その後は再び悪化して2005年初めには10%を突破した。しかし、05年以降、世界経済の好調に助けられる形で経済は持ち直し、財政赤字は3%を切り、失業率も8%台にまで改善された。
EUの中心メンバー
農業
国土の36%が農地で、農業従事者は労働力の約3%。1955〜2000年で農家の数は3分の1に減少し、相対的に1農家当たりの農地面積、経営規模が拡大した。EU最大の農業国である。穀物、根菜、畜産などすべての農業部門において世界の上位10位の生産高を誇る。穀物としては、
小麦、
大麦、
トウモロコシ、根菜としては
ばれいしょ、
テンサイ、畜産では
ブタ、
鶏卵、
牛乳の生産が際立つ。このほか、
亜麻や
なたねの生産高も多い。
テンサイの生産高は世界一である。
鉱業
第二次世界大戦後までは、
ルール地方の鉄と石炭が鉱業の大半を占めていた。21世紀初頭においては、既に鉄鉱石の採掘は行われておらず、金属鉱物資源は鉱業の対象となっていない。最も規模が大きい鉱物資源は世界シェア8位 (3.3%) の塩(700万トン、2002年時点)である。
有機鉱物資源では、石炭、石油、天然ガスとも産出するが、いずれもエネルギー需要の数%を満たす水準である。例えば石油の自給率は1.6%にとどまる。金属資源では、銀、金、その他の地下資源では
カリ塩、硫黄を採掘している。
工業
フランスの工業は食品工業、製材、製紙、運輸、機械、電気機械、金属、石油化学工業、自動車産業が中心である。世界一の生産高を誇るワイン、世界第2のチーズのほか、バター、肉も五本の指に入り、製糖業も盛ん。製材、製紙はいずれもヨーロッパ随一である。石油化学工業は燃料製造、プラスチック、合成ゴム、タイヤと全部門にわたる。特に合成ゴムとタイヤ製造が著しい。
自動車製造業は世界4位の規模である。自動車の生産は古くから行われており、常に生産台数が世界で5番目に入る自動車大国でもある。主なメーカーとして現在日本の
日産自動車を傘下に収める
ルノーや、
PSA・プジョーシトロエンなどがある。造船業も盛んである。
EADSや
エアバス、
マトラなどの企業が代表するように航空宇宙産業も発達しており、ヨーロッパでは
ロシアを除けば、フランスだけが宇宙船発射能力を持つ。
エネルギーでは
原子力発電への依存率が世界で最も高い。電力のおよそ78%が原子力発電でまかなわれているのに対し、
火力発電は約11%、
水力発電は約10%にすぎない。発電用原子炉の数は
アメリカ合衆国に次ぐ59基。2001年時点の総発電量5,627億kW時のうち、74.8%(4,211億kW時)を原子力が占める。原子力による発電量自体もアメリカ合衆国の7,688億kW時に次いで2位である。フランスの発電は原子力以下、水力14.7%、火力10.4%、地熱0.1%が続く。総発電量では世界第8位を占める。主な原子力発電所は、グラブリン原子力発電所(5,706千kW、
ノール県)、パリュエル原子力発電所(5,528千kW、
セーヌ=マリティーム県)、カットノン原子力発電所(5,448千kW、
モゼル県)。2001年現在で発電規模世界第4位、5位、6位を占める。
貿易
フランスは伝統的に西ヨーロッパにおける最も重要な農業国である。さらに、第二次世界大戦後に工業関連企業を国有化することによって合理化が進み、EC域内の工業国としてもドイツに次いで重要な位置を占めるようになった。2003年における全工業製品の輸出額はドイツの約40%であった。フランス工業(EC域内工業)の特徴は域内分業である。各産業は国内市場よりもEC域内市場を対象としており、フランスにおいても2004年における貿易依存度は輸出20.7%、輸入21.6%まで高まっている。2003年における輸出額は3660億ドル、輸入額は3696億ドルである。
輸出を金額ベースで見ると、工業製品が大半を占める。品目別では、自動車14.3%、電気機械11.2%、機械類10.4%、航空機5.4%、医薬品5.0%である。工業製品が80.4%、食料品が11.2%という比率になっている。主な輸出国は金額が多い順に、ドイツ、スペイン、イギリス、イタリア、ベルギーであった。
フランスは2004年時点の小麦の世界貿易(輸出)において、第4位(12.5%、1,489万トン)を占めていた。さらにとうもろこしの世界貿易では第3位(7.4%、616万トン)、砂糖では第4位(5.2%、234万トン)、
チーズでは第2位(14.3%、58.3万トン)を占めている。しかしながら、農産物は工業製品に比べて単価が安いことから輸出全体に占める比率は高くない。同じことが工業製品である鉄鋼の貿易にも当てはまる。フランスは2005年の世界貿易(輸出)において、第4位(1,800万トン)を占めているが、フランスの総輸出額に占める割合は5%未満である。一方、単価の高い自動車は2004年における輸出シェアが世界第2位(426.9万台)であることを反映し、もっとも重要な輸出品目となっている。
輸入は工業製品が77.4%、原材料と燃料が13.8%、食料品が8.4%という構成である。輸出入とも工業製品が約8割を占める。品目別では、電気機械13.1%、自動車11.0%、機械類10.0%、原油5.1%、衣類4.1%。主な輸入国は金額順に、ドイツ、イタリア、スペイン、ベルギーであった。
1986年時点の貿易は、輸出1,191億ドル、輸入1,279億ドルであった。輸出に占める工業製品の比率は77.2%、食糧品は15.4%であることから、次第に輸出品に占める工業製品の割合が拡大して来たことが分かる。輸入品についてはこの傾向がより顕著である。
高失業率
就業者を上げるために、2006年3月に26歳以下の若者を2年以内の雇用なら理由なく解雇出来るという、青年雇用対策「
初期雇用契約」(CPE)を制定したが、逆に「安易な首切りを横行させる」と若者を怒らせる結果となり、フランス国内の大学でのCPE反対の抗議活動が激化、若者が暴徒化し警官隊と衝突する事態に陥った。CPE反対に際しては労働団体も同調しており、抗議行動への参加や、3月28日には全国で
TGVをはじめとする鉄道やバスなど公共交通機関の運休のほか、郵便局や公立学校などの公的機関、銀行や電力会社など幅広い業種で
ゼネラルストライキが行われ、交通機関などでマヒ状態に陥った。ドビルパン首相は撤回に応じないと表明したが、
4月10日になり、シラク大統領がCPEの撤回を表明した。
国民
なおフランスは早くから
少子化対策に取り組み、
GDPのおよそ2.8%にも相当する巨費を投じ国を挙げて出産・育児を支援する制度を様々に取り入れてきた。代表的なものとしては世帯員(特に子供)が多い家庭ほど
住民税や
所得税などが低くなる『N分N乗税制』や、公共交通機関の世帯単位での割引制度、20歳までの育児手当などがある。この結果、1995年に1.65人まで低下したフランスの出生率は2000年1.89人に、2006年には2.005人にまで回復した。現在
先進国で出生率が2人を超えている国は他に
アメリカ合衆国と
ニュージーランドぐらいであり、フランスはヨーロッパ一の多産国となった。
ただ一方で子供を4人以上産めば事実上各種手当だけで生活する事が可能となり、結果として低所得者が多いアフリカ系の移民やイスラム系の外国人労働者を激増させているのではないかとの指摘もある。これに対して
INSEE(フランス国立統計経済研究所)は「移民の出生率は平均より0.4%ほど高いが、全体に占める割合が大きくないので大勢にそれほど大きな影響を与えているわけではない」と説明している<ref>
フランスの05年出生数、3年連続増加・出生率1.94に - NIKKEI NET、2006年1月19日</ref>。
言語
宗教
近年旧
植民地からの移民の増加により
ムスリム人口が増加し、知事も生まれた。フランスではフランス革命以来の伝統で
政教分離(
ライシテ)には徹底しており、
2004年には公教育の場でムスリムの女子学生のスカーフをはじめとして
ユダヤ教のキッパなど宗教的シンボルを禁止する法案が成立し、主にフランス国外のムスリムからは反発されている。
セクト(カルト)教団対策
フランスでは政府として
カルト教団に対処している。非宗教性と中立性を謳ったライシテの概念、欧州人権条約等に配慮して実施されている。MIVILUDESという組織を中心に各省庁が連携して犯罪対策とその予防、洗脳対策などを基準に
セクト(カルト)団体に対処している。セクトとされる基準は犯罪性と被害者の存在と人権侵害である。セクトの選別基準に教義や宗派は関係しないし憲法等に織り込まれたライシテの概念からそのようなことはできない。2005年時点に置いてはセクト特有の犯罪を取り締まるための法律をより一般的な刑法へと発展させようとする方向も見せている。
フランス政府は地道な実績を積み上げている。特に悪質な団体を取り締まるために反セクト法(アブピカール法、セクト弾圧法、カルト防止法等数多くの俗称で呼ばれた、正確な日本語訳は「人権及び基本的自由を侵害するセクト的運動の防止及び取り締まりを強化する2001年6月12日の法律第2001-504号」である)を制定し、被害者救済を確立するために判例を積み重ね、犯罪の未然防止や活動内容の監視の為に各県に専門部署を設置したり、子どもへの教育と称して洗脳や酷い教育が行われていないか監視するための部門を設置するなど多岐にわたる。裁判や法律の制定を通じて、セクト被害やその救済という概念を刑法に作り上げようとしている。なおMiviludes2005年度報告書や幾つかの報告書に
創価学会の名前や国際的な団体の名前がセクトとして挙がっており(現在は削除されている)、日本人に関係の無い話という訳ではない。
フランスのセクト対策に関しては疑問の声も多い。人種差別や宗教差別、人権無視に報道の自由の侵害など、少数派に対し不寛容な「人権の祖国」フランス政府の実態に対する疑問も提起されている。ただし疑問の声を提起する論者は、新聞記事の存在を無視する傾向が強い。新聞記事とこれらの疑問の声の間には内容に大きな乖離があり、信頼性については疑問符が付く。フランスのセクト対策は日本の大手新聞でも紹介されている。
フランス政府のセクト選別基準はライシテを回避するため、犯罪性や人権侵害が基準になっている。このカルト対策を宗教弾圧だとする意見もあるが、宗教に干渉しているのでなく、政府は犯罪を取り締まっているのである。しかしフランス政府は単純な取り締まりだけを考えているわけでもない。報告書に見られるように、セクトは大衆の需要を満たし大衆の望むものを提供しているからこそ繁栄しているのであり、単純に弾圧できるものではない。またある団体の行動や習慣を異常と見るか、多文化と見るかも非常に難しい問題であると記述されている。多文化と異常行動の線引き、この難しい問題に対しフランス政府は西欧的人権や被害者の存在に根拠を置くことでバランスを取っている。
フランス国内でも、セクト対策は宗教弾圧になりうる危険性があり、ライシテの根幹にもかかわる問題の為に、多数の議論を巻き起こし、この過程で「進化するライシテ」「新しいライシテ」等の概念が示された。
フランス政府のセクト対策に係わる日本語訳資料については、(WikiSource)参照。
教育
フランスでは、コミュニケーションを重視した国語教育が、小学校での最重要の教育目標になっている。また、一部のエリート大学や
グランゼコールを除き、
バカロレアに合格すれば大学に入学できる代わり、進級認定は厳格である。
文化
文豪
スタンダール、
オノレ・ド・バルザック、
ヴィクトル・ユーゴーをはじめ中世より文学が発達しており、音楽も盛んである。絵画や
ファッションの分野では数世紀の間欧州世界をリードする地位にあると言われ、近年においてもファッションにおいては
イタリアと並び世界をリードする地位にある。また、長年芸術面で欧州世界をリードする地位にあることから、パリを中心に多くの諸外国の芸術家やクリエイターを引きつけている。
特徴的な社会風土としてよく挙げられる点は、強烈な
中央集権社会、
エリート主義社会、および
役人社会(→
官僚主義)であることなどである。世界でも屈指の強固さを持つ官僚主義に裏打ちされたその社会構造自体を指して、しばしば批判的な意味を含めたうえで『官僚天国』『役人王国』などと形容されることがある。
食文化
食文化の面では豊かな農産物と王制時代の宮廷文化を背景にした
フランス料理が有名であり、
ワインの生産国としても名高く、
フランスワインは広く国内外に親しまれている。
そばのクレープなども食べられている。
映画
フランスにおける芸術の中でも近年とりわけ重要視される文化は映画である。フランスで映画は、第七芸術と呼ばれるほど、深く尊敬を集め親しみある存在である。毎年5月には南仏の都市
カンヌにおいて
カンヌ映画祭が開催され、世界中から優れた映画・映画関係者・一般人が集まり華やかで盛大な催しが行なわれる。
ファッション
これらのファッションにおけるフランスの隆盛は、フランス文化を諸外国に広めるだけでなく、外貨獲得にも大きく貢献していることから、現在では業界そのものが政府による大きなバックアップを受けている。
スポーツ
-
テニス
-
ローラン・ギャロスが代表するテニスも盛んで、世界的に著名な選手や監督、指導者も多い。四大大会の一つである全仏オープンはグランドスラム唯一のクレーコートとして有名。現在はジル・シモン、リシャール・ガスケ、ガエル・モンフィス、ジョー・ウィルフリード・ツォンガ、ファブリス・サントロ、セバスチャン・グロージャン等数多くのトップ選手のいる強豪国でもある。
-
ゴルフ
- ゴルフ場は多いのにゴルフは競技人口が少なく、当のフランス人たちも不思議な現象と捉えている。
-
柔道
- 柔道はJUDOとされ競技人口が日本を上回る程の人気がある。
-
競馬
-
ロンシャン競馬場で凱旋門賞が芝コースでは世界最高峰の競走として知られる。また、繋駕速歩競走が盛んであり、平地競走・障害競走よりも人気があるとされている。ヴァンセンヌ競馬場で行われるアメリカ賞は世界最高峰の競走で知られる。(詳細についてはフランスの競馬を参照)
他には
ペタンクが年中よく親しまれており、アルプス地方では
スキーなどのウィンタースポーツが伝統的に盛んである。
サッカー
また、
FIFA初代会長の
ロベール・ゲラン、ワールドカップ創設の功労者
ジュール・リメ、欧州選手権の提唱者
アンリ・ドロネー(Henri Delaunay)、
ヨーロピアンカップの提唱者ガブリエル・アノ(Gabriel Hanot)、UEFAの会長となったプラティニなど、国際サッカーの発展において重要な役割を果たしたフランス人は数多い。
その後からサッカーを始める人が増えた。
バスケットボール
サイクルロードレース
]]
ラグビー
フランスにおいてラグビーは富裕層と南部を中心に人気を誇っている。国内ではサッカーと人気を二分するスポーツであり、欧州においても
イギリスに次ぐ強豪国である。
フランス代表は流麗で華やかなラグビーを展開することから、「シャンパン・ラグビー」などと称される。2007年にはワールドカップ(W杯)を自国開催したが、準決勝で敗れ、初優勝はならなかった。
フランス政府は全国9カ所に、少年層から青年層までの有望選手が勉強しながら育成できる施設をつくっている。
モータースポーツ
クリケット
世界遺産
フランス国内には、
ユネスコの
世界遺産リストに登録された文化遺産が26件、自然遺産が1件ある。さらにスペインとにまたがって1件の複合遺産が登録されている。
祝祭日
脚注
参考文献
- 山田文比古『フランスの外交力』集英社新書、2005年(ISBN 4-08-720310-7 C0231)
関連項目
外部リンク
- 政府
- 日本政府
- 観光
- その他
*