概要
一年戦争時に誕生したMSは、陸・海・宇宙といったあらゆる環境下で、従来の
兵器システムを駆逐するという予想以上の成功を収めた。しかし、あまりの成功が「
歩兵の延長線上にある汎用機動兵器」という当初の概念を「万能決戦兵器」へと変質させていったのである。MSというシステムそのものは、
グリプス戦役の時点で既に完成といえる域に達してしまっており、それ以降は幾多の「改良」を経て洗練されはしたものの、その本質が「進化」したわけではない。
「MSの万能化」を目指した改良は、ジェネレーターの高出力化に始まり、推進系の強化・推進剤積載量の増量・大火力火器の装備・重装甲化と多岐にわたり、これらにより多くの高性能MSが誕生した。しかし、これらは相互に関連することで、MSを雪ダルマ式に大きく、重く、複雑にしていった。(
ガンダムの全高は18mほどであるが、その10数年後に登場した
Sガンダムやνガンダムは、機体全高が25mにも達する大型機となっている)
MSの巨大化・複雑化は、機体の整備性の低下だけに止まらず、カタパルト等の運用設備の大型化、ひいては搭載艦艇の大型化、さらにその艦艇を建造・整備するためのドックヤードの大型化など膨大な設備投資を強いることになった。戦後の復興期における
地球連邦軍の財政を硬直化させる遠因にもなっていたのである。
連邦軍の諮問研究機関である
サナリィは、財政負担軽減に苦慮する連邦政府に対し、MS小型化の指針を提示。連邦軍は更に従来の性能を落とすことなく、調達が容易な小型モビルスーツの開発を各方面に要請した。当初、対外的には
アナハイム・エレクトロニクス社への開発依頼と言う形式を取り、フォーミュラ計画は同社の開発意欲を刺激する為の「机上の競合プラン」とされていた。しかし現実にはサナリィによるMS開発が進められており、この極秘計画が外部に漏れてしまった為、急遽アナハイムの次期主力量産型MSの試作機と同計画で開発された試作機の
コンペが行われる事となった。
フォーミュラ計画は、当時存在していた大型で重装備化されたMSと同程度の推力・火力を維持したまま、機体の大きさを15m程度まで小型軽量化するというもので、これによって開発された
F90はアナハイム・エレクトロニクス社が開発した試作機「
MSA-0120」を押しのけて、次期主力機のテストヘッドとして採用された。
型式番号
フォーミュラ計画では、少なくとも以下の分類でMSの設計開発が行われていたとされる。
このうちF6系統及びF8系統に属するMSは発表されておらず、詳細は不明である。また一説には、F9系統の先にF0系統なるものが存在するともいわれている。
- F0系統 - (存在不明)
- F1系統 - (型式不明)
- F2系統 - (型式不明)
- F3系統 - (型式不明)
- F4系統 - (型式不明)
- F5系統 - 装甲戦闘車両 (AFV) 型支援機(ミドルMSの発展型)
- F6系統 - 長距離支援機
- F7系統 - 中距離支援機
- F8系統 - 汎用量産機
- F9系統 - 高性能試作機
上記を見れば分かるように、
と、なっておりF8系統とF9系統が前後しているものの、
V作戦で開発されたRXシリーズを意識した系統分類になっている。
開発番号は例えばF9系統の場合、1番目に開発された機体がF90、2番目に開発された機体がF91と指定され、10番目に開発された機体はF99となる。しかし、11番目以降がどのような規則になるのかは明らかにされていない。
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D5系統
F5系統の基になったと言われている。
ロト
ロト(
LOTO)は、『
機動戦士ガンダムUC』に登場する地球連邦軍の兵員輸送用可変MSである。(型式番号:D-50C)
サナリィによって開発され、宇宙世紀0096年の時点で地球連邦宇宙軍の特殊部隊「ECOAS」(エコーズ)が使用している可変MS。全高12.2mとこの時代のMSにしては2回りほど小さく、MS形態とタンク形態に変形可能。
ロンド・ベル所属の
ネェル・アーガマに持ち込まれた姿が確認されている。
主に兵員輸送に用いられるが、各種センサー類、通信機能が充実しており、移動司令本部としての機能も有する。本機のデータは後の小型MS開発に活かされた。数字の一番左に付く型式番号「50」または「5」は後に戦車型に変形する機体を表す番号としてフォーミュラ計画に編入されている。
劇中での活躍
インダストリアル7市街戦において、ダグザ・マックール中佐指揮の下、
クシャトリヤに「対
サイコミュ兵器戦術」を使用。これは追尾してきた
ファンネルをネット弾で絡めとり、地表に墜落させて無力化するというもの。地道だが確実なこの方法によって計2機のファンネルを沈黙させたが、3機目のファンネルが放った
メガ粒子砲の直撃を受けて大破、炎上した。
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F5系統
F5系統ではAFV型MSの研究が行われていた。
- F50
- F50D/RX-107
- F50D (RX-107, RXR-44) ガンタンクR-44 パワードウェポンタイプ
- RXR-44 ガンタンク-44 (RF50D/RX-107のレプリカ)
F50
F50(エフごじゅう:フォーミュラフィフティ、FORMULA 50: FORMULA FIFTY)は、『SUPER MJ 機動戦士ガンダム最新MS造形資料集』にて設定上存在する、地球連邦軍の試作型MS。(型式番号:F50)
いわゆるモビルスーツの小型化を目指したものではなく、ミドルMSを強化して戦闘用にするという案である。ジェネレータに核融合炉を採用したAFV型MSとしてさまざまなタイプが検討されていたという。いわゆるRX-75ガンタンクの再来であった。
中でもF50D案は可変MSとして一定の評価を得たが、やはりパワー不足は否めず、不採用となった。
F50D
F50D (エフ50ディー)は、地球連邦軍の試作型
可変MSである。(型式番号:F50D (F-50D), RX-107)
F50Dは連邦軍のMS小型化計画の一環としてフォーミュラ計画初期に試作された。2足歩行のMS形態と戦車形態への変形が可能である。
もともとフォーミュラ計画ではAFV型MS・F50の一案である「F50D」 (F-50D) として開発され、可変MSとして一定の評価を得たため、地球連邦軍において「RX-107」の型式番号が与えられた。しかし、サイズの小型化を優先するあまり、MSとしての性能は決して高くなく、最終的に多くの量産は見送られた。原型機と目されるD-50Cから約10年後にロールアウトした機体だが、基本的な構造に大差はなく、各部をブラッシュアップした構成となっている。
RXR-44と同一機体に見えるがRXR-44はF50-D/RX-107のレプリカ機体である。
兵装は200mmキャノン2門に4連ミサイルポッド2基、フィンガーランチャー。
強化案としてパワードウェポンタイプ (Powered Weapon Type) があるが、実際に建造されたかどうかは不明である。
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ガンタンクR-44
ガンタンクR-44(ガンタンク アールフォーティフォー、
GUNTANK R-44)は、『
機動戦士ガンダムF91』に登場する地球連邦軍の試作型可変MSの
レプリカである。(型式番号:RXR-44 あるいは F50D (F-50D), RX-107)
F50D試作機はフロンティア4の戦争博物館館長であった
ロイ・ユング准将(当時)に引き取られることとなり、「RXR-44」の型式番号とガンタンクR-44の名称が与えられた。R-44の由来には諸説あるが、ロイ・ユングが44歳の時に本機を入手したことにちなむというのが通説である。その後も作動可能なよう整備されていたが、博物館入りした時点で旧式だった代物であり、最新型のクロスボーン軍のモビルスーツに太刀打ちできるものではなかった(この開戦当時では10年以上前に製造・投入されたものだと言われていた)。
一部の資料で本機はF50Dのレプリカであると解説しているが、ガンダム世界で用いられるレプリカという言葉は、必ずしも「模造品」という意味ではなく、「修復品」というニュアンスをも含む為、注意が必要である。
変形方法は両脚を伸ばして合わせた状態で座っている
戦車形態から、脚部のキャタピラを使い立ち上がりMS形態に変形という、かなり簡素なものである。
劇中での活躍
フロンティアIVがクロスボーン軍の襲撃を受けた際にロイ・ユングが起動させ、襲撃から逃れてきた難民であるシーブック達を巻き込んで戦闘に参加しようとした。
しかし、実際に戦闘に参加する前に左200mmキャノンの砲身が発砲の圧力に耐えられず破裂、その後右キャノンもクロスボーン軍の攻撃を受け爆砕。機体は中破し、ロイは死亡。シーブック達も友人の一人であったアーサーを失うこととなった。
その後はシーブック達がフロンティアIVから脱出するために使われ、その過程でモビルスーツ形態への変形も行っている。更にクロスボーン軍に拉致されるセシリーを奪還するため、シーブックが単独で搭乗し運用したが、セシリーの奪還はかなわず、シーブックもシオ・フェアチャイルドの銃弾を受け負傷し、この機体を放棄して脱出。コクピットに残された血痕を見てセシリーは、シーブックは死んでしまったと誤解してしまう。
備考
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F7系統
F7系統では中距離支援機の研究が行われていた。
- F70 キャノンガンダム
- F71 Gキャノン
- F71 Gキャノンパワードウェポンタイプ(フル装備型)
- F71 Gキャノンビームキャノン&精密標準システム搭載タイプ
- F71 Gキャノン改良型200mmキャノン砲搭載タイプ
- F71 Gキャノン200mm長距離砲搭載タイプ
- F71 Gキャノンヴェスバータイプ
キャノンガンダム
キャノンガンダム (
CANNON GUNDAM) は、バンダイ発行の雑誌「
Bクラブ」の連載企画『月刊MSジャーナル』に登場する、地球連邦軍の中距離支援用試作型MSである。プロトタイプGキャノン(プロトタイプジーキャノン、PROTOTYPE G-CANNON)とも呼ばれる(型式番号:F70)。
サナリィが量産を前提として、
ガンダムF90サポートタイプをベースに開発した機体である。F7x系列はサポートタイプの装備を固定化した簡易量産型にあたり、本機はその試作機である。
中距離支援用であるが、汎用性も十分あり、その性格から攻撃用MSと呼ばれることもある。これを基にさらなる設計変更が加わりF71 Gキャノンが誕生した。
ビームサーベルおよび
ビームライフルはヘビーガンと共用である。また、必要に応じて3連マシンキャノンをビームキャノンや150mm高速砲に換装可能であった。
完成したF70は高性能を誇ったが、アナハイム・エレクトロニクスと関係のある一部の連邦軍幹部との間で意見衝突が起こった。そういった政治的問題を背景に、
アナハイム・エレクトロニクス社が
OEM生産を請け負う事となり、アナハイム・エレクトロニクス社の技術不足のために、さらなる設計変更がサナリィの手によって施されたのがF71(Gキャノン)である。完成したF71はサナリィのF70の高性能を発揮したいという開発陣の意向に沿うものではなかったと伝えられている。
基になったF70の機体そのものはサナリィに存在する。サナリィの秘匿主義により、F70の生産に必要となる各種技術(主に機体制御コンピューター技術等)がアナハイム側に十分に提供されなかった事がこういった反発的事態を生んでしまったと指摘する声もある。
一方で、アナハイム社はこのOEM生産を機会にアイディアを吸収し、F71とは別にF70の能力を再現した
ハーディガンを自社製品として発表している。専門メディアによってF70の存在が世間に公表されて以降、アナハイムは表向きにOEM生産以前に独力で開発した事を主張しているものの、その後にアナハイムがサナリィに行った違法な技術盗用の疑いをさらに深める事ともなった。
備考
メカニックデザインは大河原邦男。
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Gキャノン
Gキャノン(ジーキャノン、
G-CANNON)は、『
機動戦士ガンダムF91』に登場する、地球連邦軍の中距離支援用量産型MSである。(型式番号:F71 (F-71))
ガンダムF90サポートタイプの量産モデルである。サナリィとしてはキャノンガンダムをそのままの仕様で量産化したい意向だったが、本来は研究機関であったサナリィは、その当時まだアナハイムに比べ大量生産能力に乏しく、さらに量産コスト自体の削減化と長年のMS開発実績を持つ企業を無視できないという連邦軍の政治判断から、製造は
アナハイム・エレクトロニクスに委託するという体制が採られた。本機の設計はアナハイム・エレクトロニクスの技術不足のためにサナリィが再設計をし、アナハイムでも生産できるようにした。そのため本機の特許ライセンスはサナリィのままとし、アナハイム技術陣の手により複数の機構は既に生産ラインが確立していた
ヘビーガンのものを取り入れたものにリファインされ、既存の生産ラインを大幅に流用したのが本機である。これによりスペックのみではF70に劣る結果となったが、一部の連邦軍の一定の思惑は達成された事となる。ただし、この大幅な設計変更はサナリィのF70開発陣の意向には聊か反するものであり、初めてロールアウトしたF71を見た際、彼らは不快な表情を顕にしたと伝えられている。実際のところOEM製造とは言いながらも、機体制御コンピューター等の技術提供をサナリィ側が拒否するなど、過度の秘匿主義がアナハイム側の反発を呼んだとも噂されており、両者の関係は良好とはいえるものではなかったと言われている。
またサナリィの工場生産機であるF71も多数存在する。サナリィ製のF71とアナハイム製のF71の性能の違いは今のところ不明である。
設計に当たっては支援MSとして徹底的な最適化が成され、結果として機体の軽量化・効率化に成功。モビルスーツとしての総合性能では、白兵戦用量産MSであるヘビーガンを上回っている。ただしこの頃の連邦軍の仮想敵があくまで暴動レベルの反政府活動者であった為、暴徒鎮圧の対人戦闘に主眼が置かれており、多数のMSと対峙する集団戦ではいささかの見劣りは否めない。
数値上はサナリィ製・ブッホ製MSに匹敵するジェネレーター出力・スラスター推力だが、使用されているジェネレーター・スラスターは旧来のアナハイム製であり、新型の小型核反応炉は搭載されていない。効率化により、ヘビーガンよりも更に大型のジェネレーターを搭載できる容積を確保した為で、この点はサナリィによる基礎設計の確かさが覗える。
なお、アナハイム・エレクトロニクス社は独自の発展型として、
Gキャノンマグナを開発している。
ミッションパック
Gキャノンにはある程度ハードポイントが存在するため、ガンダムF90の
ミッションパックのうちいくつかが使用可能である。また、4連マシンキャノンを別の火器に変更する案も存在した。バックパックを換装することも4連マシンキャノンを外して白兵戦用とすることも可能である。
- パワードウェポンタイプ (Powered Weapon Type)
- 『F91-MSV』に登場。フル装備型 (Full Equipment Type) ともいう。Gキャノンの迎撃仕様で、航空近接支援攻撃(クローズエアサポート、CAS)としての仕様目的もある。右4連マシンキャノンをツインビームキャノン(RX-77-4ガンキャノンIIでも試験されたことがあるという)に、左4連マシンキャノンを対空管制照準システムに変更し、右肩のハードポイントに対空管制照準システム、左肩に地対空ミサイルと照準センサー、右腕にガンユニット、左上に2連電磁レールガン、両足にそれぞれスラスターユニット(推力:16,290kg)を装備している。
- ビームキャノン&精密照準システム搭載タイプ
- 講談社発行の雑誌「ガンダムマガジン」に登場。Gキャノンの防空仕様。RX-77-4ガンキャノンIIのビームキャノンと精密照準システムを発展させたタイプである。右4連マシンキャノンをビームキャノンに、左4連マシンキャノンを精密照準システムに変更し、両足にそれぞれF90Sタイプのクルージングミサイルを装備している。これにより、ノーマルタイプよりもより遠くの敵を撃ち落せるようになった。ビームキャノンと精密照準システムは、パワードウェポンタイプのプロトタイプというべき装備である。
- 改良型200mmキャノン砲搭載タイプ
- 「ガンダムマガジン」に登場。Gキャノンの接近戦仕様。RX-77-3ガンキャノン重装型の240mmキャノン砲を発展させたタイプである。4連マシンキャノンを改良型200mmキャノン砲に変更し、両足にそれぞれF90Dタイプの5連ロケット弾パックを装備している。これにより、火力は劣るものの軽量化され、接近戦に向いた機体となった。
- 200mm長距離砲搭載タイプ
- 「ガンダムマガジン」に登場。Gキャノンの長期戦仕様。ジム・キャノンの240mm長距離砲を発展させたタイプである。右4連マシンキャノンを200mm長距離砲に変更し、左4連マシンキャノンは外している。砲の口径が下がったことで弾薬が節約され、より長時間の戦闘が可能となった。各ハードポイントに予備の弾倉を装備することも検討されているという。
- ヴェスバータイプ(V.S.B.R. Type、新型火器試験仕様)
- 『F91-MSV』に登場。Gキャノンの新型火器試験仕様。4連マシンキャノンをヴェスバーに変更している。おそらくジェネレーターも強化されていると思われるが、詳細不明。サナリィ製造分のF71には取り付け可能なミッションパック。
劇中での活躍
連邦軍敗残兵として数機が登場。コロニー「フロンティアIV」内での戦闘の最中に、両肩のバルカン砲から大量に排出された薬莢が、避難中の民間人コチュン・ハインの母親の頭に当たって死亡させている。
備考
メカニックデザインはGキャノン、パワードウェポンタイプ、ヴェスバータイプ共に大河原邦男。またビームキャノン&精密標準システム搭載、改良型200mmキャノン砲搭載、200mm長距離砲搭載のプラモデル改造案も大河原邦男。
パワードウェポンタイプは、「ガンダムマガジン」第1号での発表時はフル装備型という名称であったが、「ガンダムマガジン」第5号で『F91-MSV』のタイトルと共に発表されたときにはパワードウェポンタイプに変更されている。
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F9系統
F9系統では高性能試作機の研究が行われていた。
F90
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ガンダムF91
ガンダムF91(ガンダムエフきゅうじゅういち:ガンダムフォーミュラナインティワン、
GUNDAM FORMULA 91:
GUNDAM FORMULA NINETY ONE)は、『
機動戦士ガンダムF91』に登場する地球連邦軍の試作MS。(型式番号:F91 (F-91) )
「フォーミュラ計画」によって開発された機体の一つ。F90シリーズによって得た小型化の成功の更に先、「現時点でのMSの限界性能の達成」を目指して作られた超高性能MSである。
クラスターガンダムと並行する形で開発された。F90開発で培われた技術が生かされ、さらに電装系と装甲材を融合させた
マルチプル・コントラクション・アーマー(MCA)構造と呼ばれる新技術が採用されている。さらにかつてνガンダムや
ユニコーンガンダムに採用されたサイコフレームも装備している。「ガンダムF91」の名前は、(頭部デザインが似ているという事で)名機 RX-78-2
ガンダムにあやかって、
スペースアーク艦長代理
レアリー・エドベリが命名したもの。正式な名称は型式番号そのままの呼び名「F91」である。
小型・高出力な核融合炉の採用により、従来のMSよりも小型かつ高性能な機体である。さらに、ビームシールドの搭載を可能とし、標準装備となった
ヴェスバーは、通常のビームシールドを貫通する威力を誇る。本機に搭載されたバイオコンピューターは、パイロットの技量を分析し、乗員に過度の負担をかけないよう機体性能にリミッターをかける役割を有する。パイロットが機体の最大稼動に対応できるとコンピューターが判断しない限り、最大出力は発揮されない仕組みである。リミッターが解除され最大稼動モードが発動すると、頭部のフェイスガードと各部位の放熱フィンの展開、及び装甲表面の「MEPE」(金属剥離効果=
Metal
Peel-off
effect )によってバイオコンピューターの強制冷却が行われる。この際の副次的効果として、剥離した金属片が敵機のセンサーに認識されるために本機があたかも分身しているかのように見える(実際は金属片によるセンサーの誤作動であり、俗に「質量を持った残像」とも呼ばれる)。かつて
ニュータイプと呼ばれたものしか最大性能を発揮できない超高性能な機体として完成した。だが高性能機にまつわる整備性の悪さはスペースアークのメカニックの悩みの種になるほどだったらしく、シーブックの母親モニカの助けがなければF91は満足な状態で動かすことすら難しかったようである。
劇中での活躍
ゲーム『
機動戦士ガンダムF91 フォーミュラー戦記0122』では、運用試験の為搬入された連邦軍
ラー・カイラム級機動戦艦エイブラムがオールズモビルとの戦闘に突入した為、ベルフ・スクレット少尉機として運用されている。この時点ではバイオコンピューターは搭載されておらず、通常の学習型コンピューターを搭載していたため100%の性能は引き出せない状態であったが、それでも多大な戦果を残している。オールズモビルとの戦闘が終結した後の宇宙世紀0122年12月にフロンティアIに搬入され、頭部コンピューターの換装が行われる。
映画『機動戦士ガンダムF91』においては、連邦軍本隊より取り残され、住民によるゲリラ活動の拠点となっていた練習艦スペース・アーク内で整備されていたが、正規の整備マニュアルが無く、代わりに残されていた開発者のモニカ・アノーの録画映像によるバイオコンピューター接続方法の口頭説明に理解不能の部分があり起動不能であった。その映像を見せられたモニカの娘リィズ・アノーは、その説明がかつて母に教えられていた
あやとりの用語だと気付き、無事起動に成功する。
そして、「母親が作ったコンピューターだから相性がいいだろう」という理由でリィズの兄であるシーブック・アノーがパイロットを任せられることになり、クロスボーン軍との戦いで多大な戦果をあげた。
デザイン
メカニックデザインは大河原邦男。背部に今までにない形状のバックパックやV.S.B.R.を配置するなどアイディアに富んでいる。特に胸部の形状は、これまで大河原や他のデザイナーがデザインしてきたガンダムと呼ばれるモビルスーツのデザインと一線を画す。このデザインについて大河原は、バイクのエンジンとラジエーターの部分をヒントにしたと述べている。
バリエーション
F91にはある程度ハードポイントが存在するため、ガンダムF90の
ミッションパックのうちいくつかが使用可能である。また、独自のバリエーションも存在する。
- パワードウェポンタイプ
- 『F91-MSV』に登場。「重装型」ともいう。ヴェスバーが完成しなかった場合を考慮し、ヴェスバーがなくても同程度の性能が出せる様に代替武器を装備させたタイプ。ヴェスバーの代わりに4連ビームガドリングガンとミサイルランチャー(対艦ミサイル×2)を組み合わせたウェポンユニットをバックパックに2基装備する。ショルダーアーマーも強化され、アポジモーターが増設されている。面制圧には優れるが、威力面ではVSBRに(対艦ミサイルを除いて)劣るタイプである。
- ツインヴェスバータイプ
- 『F91-MSV』に登場。背部の新型バックパックに新たにヴェスバーを2基追加し合計4基のヴェスバーを所持している。この改良型ヴェスバーは補助スラスターが装備されており、推力向上にも役に立っている。
- ツインヴェスバー非使用時の折りたたんだ形は// \\の形に収まる。
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量産型ガンダムF91
F91を量産機にするため性能を調整された機体。最大の特徴でもあった最大稼動モードは、強制排熱を必要とするほどの限界稼動が行われる状況が発生する事が無いと判断され、量産化の際には省略された(ただしフェイスガードを開閉する機構だけは残されている)。バイオコンピューター自体は一般パイロットの補助をするシステムとの側面から、当初の計画の通りに搭載されている。
少数が量産され、劇中では地球連邦軍の宇宙艦隊所属機として登場した。使いこなせるパイロットは少ないらしく、オリジナル機のパイロットであるキンケドゥ(シーブック)は
クロスボーン・ガンダムでF91数機を一蹴した際にそれを指摘している。この時の戦いで全機破壊されたためか、これ以降の戦いにおいてはハリソン機以外のF91は登場していない。
ハリソン・マディン専用機
F91部隊の指揮官であるハリソン・マディン大尉の搭乗機。
増加試作機に改修を施してあり、青いパーソナルカラーで塗られている。ハリソン機はヒートシンク等の強化やバイオコンピューターの改良により、MEPEを起こさずにフェイスオープンと放熱フィンのみで限界稼働が可能である。
搭載武器のヴェスバーは、コスモ・バビロニア建国戦争から10年経ってもなお強力無比なビーム兵器であり、キンケドゥのクロスボーンガンダムX1と互角の勝負を繰り広げるが、僅差で敗れ大破した。その後ハリソンは、木星帝国総統クラックス・ドゥガチとの最終決戦時においても同一カラーリングの機体に乗って登場するが、これは別の機体を青く塗り替えた2代目であることが『機動戦士クロスボーンガンダム 鋼鉄の7人』の設定資料集で明言されている。
『機動戦士クロスボーンガンダム 鋼鉄の7人』においても当初はハリソンが搭乗していたが、連邦軍上層部からの命令がなければ動けない彼に代わりミノル・スズキ、ミッチェル・ドレッグ・ナーが搭乗し、木星帝国残党との戦いに使用された。木星強襲作戦「鋼鉄の7人」では、サナリィで行われたチューニングにより量産化の際にオミットされた機能のいくつかが再現され、試作機であるF91に近い性能を有するに至っている。木星帝国総統・影のカリストが乗る
リーベルダス・デクストラ・ディキトゥスに致命傷を与える戦果を挙げるも、相打ちの形で撃破されている。
なお、ハリソン専用機はフィギュア「GUNDAM FIX FIGURATION」でパーツ組み換えによるガンダムF90とのコンパチ仕様として発売されたが、ギミックの都合により漫画版とは一部の塗装パターンが変更されている。『機動戦士クロスボーン・ガンダム スカルハート』以降の関連作品ではGUNDAM FIX版に準じている。
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F92
F92(エフきゅうじゅうに:フォーミュラナインティツー、FORMULA 92: FORMULA NINETY TWO)は、『機動戦士ガンダムF91』の映画公開の後にテレビ放映の主人公機になるはずであった機体である。高機動戦闘兼次期主力兵装試験機とされる。(型式番号:F92)
具体的な情報はまったく明かされておらず、そもそもデザインされたのかどうかさえ不明である。
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F97
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F99
レコードブレイカー
サナリィ第2月面開発研究所で開発中のMSで、従来は戦艦サイズの機体にしか搭載できなかった「
ミノフスキードライブユニット」を搭載した初のモビルスーツである。これにより既存のMSを遥かに超える機動性を得る事に成功した。後の
V2ガンダムとは異なりミノフスキードライブの発する光の翼はV字ではなくX字状の4枚となっている。
ミノフスキードライブの搭載自体が開発目的であり、本体フレームにF97(
クロスボーン・ガンダム及び
フリント)のものを流用、パーツの75%が共通となっている。この機体のためにF97用の部品も僅かながら製作されており、海賊軍残党は補給を受ける事が出来た。劇中には登場しないが
コアファイターも搭載されている模様で、胴体の基本構造はほぼ同機と差異が無いと思われる(2話でコクピットハッチと共にキャノピーを開閉している描写が確認出来る)。武装は
フリントの物が流用されている。
同型機が3機製作され月面にてテストを行っていたが、その情報を察知した
木星帝国軍の襲撃を受け3機とも撃墜。機体データと予備パーツも研究所内に突入した別働隊によって破壊され失われた。
備考
- 外観はのちのザンスカール帝国のMSに繋がりを思わせるデザインを持つ。オレンジと黄色に塗装されており、連邦軍にプレゼンテーションをする際には「ガンダム的な」頭部に変更する予定だったらしい。
- 開発に携わったスタッフにはMSに必要以上の高性能は好ましくないという意見もあり、上層部の評価もあまり芳しくないとのこと。
- 理論上、地球-木星間を僅か一週間(150時間)で航行可能な性能を持つが、パイロットの居住性は考慮されていないため、その際は食料やエネルギーパックなどを搭載したオプションユニットが必須となる。
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F99R
Rガンダム
Rガンダム(アールガンダム、R GUNDAM)は、バンダイのガシャポンシリーズ『SDガンダムR』に登場するMS。(型式番号:F99R (F99-R) )
名前に冠せられた「R」は、アルファベットのRに由来。R型のエンブレムを額にかざす事で、状況に応じた形態へと自在に変身する。なお『SDガンダムR』には、他にもアルファベットを冠したガンダムが多数登場している。
SDガンダムの機体であったが、後にリアル等身にデザイン(アスキーの雑誌「G20」にデザイン画が掲載された)されており、リアル作品として展開する計画もあったらしい。そのため「F99R」 (F99-R) の型式番号が付けられている。
備考
外観は
シャッコーのデザインへと繋がるものである。デザインは、かげやまいちこ(レイアップ)。
脚注
関連項目
参考文献
-
講談社 「ガンダムマガジン」第1号 - 第6号(1990年 - 1991年発行)
-
ラポート ラポートデラックス『機動戦士ガンダムF91』(1991年発行)
-
バンダイ 「MJ(模型情報)」別冊『SUPER MJ 機動戦士ガンダム最新MS造形資料集』
-
メディアワークス 『機動戦士ガンダム MS大全集2006』(2006年発行)