ピアノの演奏を通して演奏会や録音などさまざまな音楽活動を行っているが、いずれも再現芸術としての演奏に力点が置かれているところに特徴がある。ただし、トップクラスのピアニストたちは、他人によって作られた曲ではあっても、演奏のなかに深い芸術性や精神性を求め、単なる
楽譜の再現ではなく、一つの表現活動としてピアノを演奏する。
現在ではクラシックの世界の職業的ピアニストの大半は、幼年期からさまざまな音楽教育を受け、ピアノの演奏に親しみ、長じて音楽学校などに通いながら演奏技術を高め、10代から20代の時期に各地のピアノ・コンクールに出場して地歩を築いてゆく。特にクラシックの場合、競争はきわめて激烈で、真の意味での「世界的ピアニスト」の座につくのはそれを希望する者のごくごく一部分でしかない。また、そのなかで歴史に名をとどめる名ピアニストとなると、数はいっそう少なくなる。
上述の演奏家はほんの少数、ごく一部なのであって、音楽学校や
音楽大学を卒業し、初期のピアノ教育や音楽教育を行う職業的ピアニストのほうがはるかに多数存在する(日本ではこうした人々をなぜかピアニストと呼ばず“ピアノの先生”と呼ぶことが多い。海外では日本で言う「ピアノの先生」のことも「ピアニスト」と呼ぶ国は多々ある)。また、ピアノの技術を活かして初等・中等教育の音楽教師となる人も多数存在する。。
ピアノの直接の原型となる楽器が登場したのは
17世紀ごろであったと考えられるが(
ピアノの項参照)、それ以前から
鍵盤楽器は作曲家にとって重要な素養のひとつであり、名
オルガニスト・
チェンバロ奏者であった
大バッハ以降、鍵盤楽器奏者と作曲家を兼ねた人物は多い。著名な作曲家では、
モーツァルト、
ベートーベン、
ショパン、
リスト、
ラフマニノフなどがその例である。<br>職業的なピアニストの成立としては、
フランツ・リスト<ref>
フランツ・リストはホールを使った演奏会や演奏旅行によってピアノ演奏のみで生計を立てることが可能になった初めての人物である(現在の一般の評価からは想像しにくいことではあるが、
ショパンが生前、自身で行った演奏会の評判・成功の程度は、あえてリストのそれと比較すれば、かなり小さいものであった)。</ref>や
フレデリック・ショパンを嚆矢とすることが多い。彼らはすぐれた作曲家であり、
カリスマ的な人気を誇った演奏家であった他に、多くの弟子を育成し、その後の奏法や教授法に影響を与えた人物でもある。現在でもピアニストの影響関係の系譜をたどってゆくと、リストかショパンにたどり着くことが多い。
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他の楽器と異なり、ピアノは1台で
和声進行・
作曲など全てをまかなえる。ピアノ協奏曲]]作品でも、自身の大型楽器と管弦楽の小型楽器ではそもそも乖離しているという弊害が指摘される。初期
古典派の協奏曲では、独奏楽器と管弦楽との完全な対立が中心になっていたが、
ブラームス・
ラフマニノフなど時代が下った作家の作品では、渾然一体となった協奏をどう実現するかに重点が置かれている。音楽には
独奏と
合奏の要素があり、ピアニストが独奏に偏る結果、狭い視野になることを防ぐ意味でも、他楽器の知識は重要である。