概要
瞬時に億単位のお金が動く
マーケットのスリリングさ、株が生み出すお金のドリーム感、そしてお金に絡む人間の欲望が渦巻く
株式市場を舞台に、
変額保険の運用失敗を契約者に転嫁するなどの悪事を働く銀行員との対決を随所で取り入れ、巧妙かつ緻密なバトルに巻き込まれてゆくサスペンスタッチのヒューマンドラマである。
番組の最後に、このドラマで行われている株式投資は、実際の株式投資とは関係ないフィクションであるとの注意書きがなされているように、ドラマ中では実際の株式市場ではありえない事が起きてしまっている。その一つとして、日本の
証券取引所の多くが採用している
値幅制限がなく、際限なく価格が上昇ないしは下落しているような描写が、何度か見られる。
あらすじ
伝説の相場師と言われる老人、小塚泰平にその才能を見出された青年、白戸則道。小塚から、株の知識を一から伝授され、知らず知らずのうちにマーケットで生き抜く力を身に付けていく。そしていつしか青年は、老人とともに世界有数の銀行、まつば銀行を相手に、緻密にして巧妙な戦いを挑んでいく……。
- 第1話
- ことごとく就職面接に落ち続けていた白戸の前に、かつて「伝説の相場師」と呼ばれた小塚老人が現れる。小塚の胡散くさい話に、全く信用していなかった白戸。その小塚に命じられ、初めてやった株取引で400万円儲けた同じ日に、400万円の借金返済に迫られていた父が亡くなり、この世の中の矛盾を感じるのであった。
- 第2話
- 小塚から、株価のチェックに新聞を読むよう、命じられた白戸。小額ながら株取引を始めた彼に、女性経営者の愛子が、白戸に500万円の運用を任せると言い出す。しかし、運用に失敗し大損を抱え、穴を埋めなくてはならなくなる。頭を下げた白戸に、小塚は銘柄を指定して、「売り時は自分で見極めろ」と忠告する。
- 第3話
- 服飾デザイン会社トゥモローズの元社員ゆかりが、同社を相手に取り臨時株主総会で、社長解任の動議を提出する。最後に、2時間前に筆頭株主になった小塚泰平が現れて、社長を解任で株主総会は終わった。
- 第4話
- 白戸の親戚の勇太(吉武怜朗)は、小学生ながらディトレードを親に内緒でやっていた。小塚泰平は、その勇太に白戸にディトレードを教えてあげてくれと頼み、白戸は勇太にしぶしぶ教えてもらうことになった。
- 額面割れの100円を切ると、融資が一切受けられず、事実上の倒産。この株をできるだけ安く買い、ポンと上がったところで売り抜けようと最後の勝負をする勇太と白戸。そのころ小塚は証券会社に出向き、社員の制止も聞く耳持たず、100円切れ寸前で買い支えを繰り替えしていた。
- 第5話
- 白戸はある時突然ダンナの関連会社が、近く合併するらしいの。そんな時、株、あがるんでしょ、と相談された。しかし、白戸は何の話かピンとこない。一方、充ちるが、小塚家に戻り、緑の話をすると、「合併前に、株を買っておけば大儲け。でもインサイダーという違法取引だから逮捕されることもある。しかし、奥さんが買えば法に触れるが、白戸なら大丈夫」と小塚らに教えられた。「そんな調子のいいことがあっていいのか」と、充ちるは半信半疑。
- 同じ頃前回小塚にやられた山崎は、まつば香港の不正負債をこのインサイダー取引で埋めようと考える。
この作品で描かれている「
相続保険」という架空の保険は、裁判で係争中であった「
変額保険」がモデルである。銀行・保険会社などが
スポンサーになっているため、
ドラマでは保険名を変えたと思われる。
80年代末の
バブル全盛期では、大都市圏の地価が高騰し、土地の所有者の
相続税もあがるため、相続税を支払うため土地を手放さねばならないと言われていた。その対策を口実にして、言葉巧みに売り込まれたのが、この「変額保険」である。
変額保険の特徴として、加入時に「一括払い」することができ、かつ一般の生命保険とは別建てで「株式運用」をするため、死亡保険金・解約返戻金がハイリスク、ハイリターンとなる。加入者は「土地」を担保に、銀行からの融資を「一時払い金」として
変額保険に入る。結果として、借金したことにより相続税は下がり、そして
保険金で払うことができる、との説明であった。
しかし、バブル崩壊とともに「株式の運用」が行き詰まり、期待を下回る解約返戻金で、相続税には足りないという結果になった。さらに、銀行からの融資への
利息も払えず、土地を売るか、早いうちに死んで被害を軽くするしかないという、悲惨な二者択一を迫られる高齢者が続出した。
ただし、「変額保険」そのもの全てが悪いわけではなく、また一方的に銀行と保険会社が悪かったわけでもない。バブル期の高騰に惑わされ、投資運用の
リスクを理解せず、
契約書をよく読むことなく加入した契約者の責任も、決して軽くはない。相続税を回避するという不純な動機から、
「借金をして、リスクある投資をする」ことを選んだ契約者が、債務の全額免除を求める事に正当性を認めるのは実際問題として無理がある。
その上で、この変額保険事件で問題だったのは、銀行・保険会社が「
ブランドと信用」を悪用する形で、
資産を持った
高齢者を狙い撃ちした事にあったのである。中には、
痴呆症・
認知症などの高齢者に集中して営業を行った担当者もおり、ドラマ内で語られているように
「他人の資産を使って、ギャンブルをした」という表現は、決して間違っていない。
モデル銀行
舞台となるまつば銀行は、当時の日本の金融システムの問題点を多角的に織り込んでいるが、その結果として特定行を意識させないフィクションに仕上がっている。
しかしながら、物語の中核である「変額保険」(作中では相続保険)問題については、
三菱銀行がそのモデルであると見て間違いない。同行による変額保険被害者は226名に上り、これは同被害で次に多い
横浜銀行の5倍強と、問題の中心的存在にあった。損害賠償訴訟も相次いで起こされ、
東京三菱銀行時代の
2002年には7000万円の賠償命令が
東京高裁から下されている。
ただ、規模の側面から見れば、まつば銀行は「世界有数の銀行」であり、さくら・三菱はいずれもモデルとは言い難い。ドラマ放映時の状況からすれば、当時世界最大の資産規模を誇った
みずほ銀行とも考えられる。事実、みずほは巨額の
公的資金注入を受けており、決済システムトラブルの釈明で社長の
前田晃伸が「無能経営者」として見なされていた点も、ドラマの展開に沿っている。この場合、
週刊新潮に「国有化後の売却先」と書き立てられた
シティバンクがウィンザーに対応する。
キャスト
主人公たち
- 白戸則道(24):長瀬智也(主人公)
- 中川充ちる(21):岡本綾(主人公の幼馴染)
- 蒔田:松重豊(辰美興業幹部 口下手で寡黙な男)
- 木本美幸:眞鍋かをり(祖母・八重が相続保険の犠牲者になる)
- 波多野テルコ:八千草薫(小塚の知人でまつば銀行により被害を受ける)
- 辰美周二:小日向文世(総会屋辰美興業社長 裏世界の人間 主人公に協力)
- 小塚泰平:植木等(白戸則道に株式売買を仕込む大資産家。是川銀蔵、ジェシー・リバモアがモデルと思われる)
まつば銀行員
- 山崎史彦(35):原田泰造(経営企画部調査役 平成2年入行 主人公と対決)
- 保坂遥(24):長谷川京子(桜台支店総合職 入行4年目 途中から主人公の協力者に)
- 関根秀樹(36):近藤芳正(桜台支店支店長代理 誠実が売り)
- 河井美紀:金子さやか(香港支店に勤め山崎の秘密指令を受ける)
- 宮前:卜字たかお(桜台支店支店長)
- 大倉涼子:秋山菜津子(本店検査部→頭取特命)
- 稲垣頭取・・・神山繁(頭取)
- 仁科光:細野佑美子(桜台支店支店一般職)
- 市川優美:有坂来瞳(桜台支店支店一般職)
- 三浦美子:曲山えり(桜台支店支店一般職)
その他
- 松井:相島一之(スタンダード証券社員 小塚と主人公の注文を受ける)
ゲスト出演
- 山口:田窪一世【第1話】
- 榎本愛子:中尾ミエ【第2話】(榎本美容学院創設者 証券会社窓口でたまたま会った主人公に運用を任せてみる)
- 響子:木村多江【第3話】(トゥモローズ秘書 株主総会の最後にゆかりに協力)
- 大山はるき:山路和弘【第3話】(トゥモローズ社長)
- 仁藤ゆかり:京野ことみ【第3話】(元トゥモローズ社員 リストラされるが株主総会で社長解任を提案)
- 岡本勇太:吉武怜朗【第4話】(デイトレードで主人公に勝つ小学生)
- 岡本二郎:半海一晃【第4話】(勇太の父)
- 岡本公子:円城寺あや【第4話】(勇太の母)
- 君島みどり:高畑淳子【第5話】(インサイダー取引をする)
- 君島しんご:徳井優【第5話】(証券取引法違反容疑で逮捕)
- 木本八重:花原照子【第8話】(木本美幸の祖母 変額保険を契約したことを後悔して自殺)
- 田岡学:矢島健一【第8話〜】(債権回収代行サービス(株)スマイルファクター社長)
- ケント・フクハラ:宇梶剛士【第9話〜】(ウィンザー銀行 極東代表)
- 黒崎伸司:岡森諦【第11話〜】(東都ケーブルテレビジョン 報道部)
スタッフ
主題歌
サブタイトル
関連項目
外部リンク