経歴及び劇中での活躍
コスモ・バビロニア建国戦争期(『機動戦士ガンダムF91』)
宇宙世紀0123年3月16日に始まるフロンティア・サイドの制圧作戦に、
クロスボーン・バンガードの精鋭部隊「黒の戦隊(ブラックバンガード)」の指揮官として参加する。
右目に眼帯を付けているが、これは過去の事故によるものであると言われている。MSパイロットとしては、隻眼というハンディを持ちながらも非常に高い技量を身につけており、宇宙世紀0120年代においては最高峰の実力を誇る。また、指揮官としても優秀であり、クロスボーン・バンガードの総帥である
マイッツァー・ロナからの信頼も厚いが、成り上がり者として嫌う者も多かったようである。
性格は冷静沈着かつ非情であり、戦闘においては敵の命を奪う事を躊躇しない。しかし、その反面、無差別な殺戮行為を嫌い、戦闘能力を持たない者には攻撃を加えない等、徹底した騎士道精神の持ち主でもある。
フロンティアIVの制圧後は、マイッツァーから直々に王女である
ベラ・ロナの補佐役を命じられ、ベラにMSの操縦を指導する。また、これを期にベラに取り入り、ロナ家の家名を得ようとする面も見られ、その結果、彼に好意を持っていた
アンナマリー・ブルージュの離反を招いてしまう。
その後、フロンティアI内の掃討作戦に黒の部隊を率いて参加する。ここでの戦闘において、
地球連邦軍に寝返ったアンナマリーの
ダギ・イルスを撃破するが、乗機である
ベルガ・ギロスも損傷し、撤退する。また、随伴していたベラ・ロナは連邦軍に投降してしまう。
宇宙世紀0123年3月30日には、フロンティアIにおいてバグによる無差別殺戮が行われるが、総帥であるマイッツァーに知らせずに独断で作戦を実行した
カロッゾ・ロナのやり方と、作戦内容そのものの残虐さに反感を抱いたザビーネは、カロッゾの腹心であり計画の実行者でもある
ジレ・クリューガーを射殺する。
その後、フロンティア・サイドの制圧が完了した宇宙世紀0123年3月31日には
ドレル大隊と共にコスモ・バビロニアに凱旋している。
以降の
コスモ・バビロニア建国戦争期における詳細な戦果は不明であるが、『
機動戦士クロスボーン・ガンダム』においては、コスモ・バビロニア軍のエースとして
シーブック・アノーと何度も戦闘していた事が語られている。また、その後にコスモ・バビロニアの残虐な殲滅戦のやり方に疑問を抱き、離反した事についても語られているが、離反の詳細な時期(戦争中なのか、それとも終戦後なのか)については明かされていない。
木星戦役期(『機動戦士クロスボーン・ガンダム』)
宇宙世紀0133年、ベラ・ロナ率いる宇宙海賊クロスボーン・バンガードのエースパイロットの1人として
木星帝国との戦いに身を投じる。
一見ベラに付き従っているかのように見えたが、もともと彼はコスモ・バビロニアのやり方に反対していたのであって、コスモ貴族主義を捨てていたわけではなかった。その真の目的は、クロスボーン・バンガードの名を持つものが木星帝国を倒す事で貴族主義を復興させる事であった。キンケドゥ・ナウ(=シーブック)ら他のクロスボーン・バンガードのパイロット達には、薄々その思想を危険視されていたものの、彼と同じく貴族主義の信奉者も多く存在していた。またキンケドゥも、ザビーネが木星帝国を本気で倒そうとしている点では信用していた。
しかし、イオの戦いで木星帝国を倒すのに失敗した後、木星帝国のシステムは貴族主義と似通っている事に気付き、配下の貴族主義者と共に反乱を起こし、ベラとベルナデットを手土産に木星帝国に寝返る。しかし、トビアの活躍でベラは取り返されて反乱は鎮圧されてしまい、木星帝国と合流出来たのはザビーネただ1人だけであった。
ザビーネは、木星帝国の貴族主義と異なる点を内側から変えて己の都合の良い国にしようとしていたが、その考えは木星帝国側に見透かされていたらしく、過酷な拷問を受け続ける事になる。この拷問の影響か、以後の彼はかつてのような冷静沈着な様子を見せる事はなくなり、常に笑みを浮かべ続ける等、精神が破綻してしまったようである。
その後、クロスボーン・バンガードが連邦軍に捕まった際は、クロスボーン・ガンダムX2改で連邦軍の戦艦を狙撃し、クロスボーン・バンガードの仕業に見せかけて連邦軍との戦闘を引き起こした。その最中キンケドゥと対峙するが、この時キンケドゥのX1はF91との戦闘で消耗していたこともあり、X1のコクピットを貫いて撃墜する事に成功する。
木星帝国が地球へ攻め込んだ際は、ドゥガチから「地球をやる」と言われる。そして最後の戦いで、復活したキンケドゥと対峙し、再戦する(この時、キンケドゥを「既に死んだ人間」と認識しており、ますます精神の破綻が進んでいたようである)。今度は万全の状態であるキンケドゥとも互角の勝負を繰り広げるが、最後はコクピットにヒートダガーの一撃を喰らい、最後まで貴族主義への未練を口にしながら戦死する。
「感情を処理出来ない人類はゴミに過ぎない」とは彼の持論であり、色恋の感情のもつれが原因で離反し、戦場で対峙したかつての部下アンナマリーを、その心理に訴えて隙を作ることで容赦なく撃墜したときにも、それを口にしてはばからなかった。しかし皮肉にも、その彼自身が「感情の処理」どころではない人格破綻者となった上に、自身の貴族主義が独りよがりで、意中の女性ベラがそのような事を望んでいないのをキンケドゥに指摘され、そのキンケドゥとの真っ向からの戦いに敗れると言う結末を迎える(なお、『クロスボーン・ガンダム』では彼の持論については一度も言及されていない)。
主な搭乗機
備考
- 『ガンダムF91』でのキャラクターデザインは安彦良和。初期のデザインでは眼帯ではなく細身のゴーグルを着けていたが、「競泳用のゴーグルみたいだから」という理由で監督の富野由悠季に却下されている。
関連項目