カジカガエル(河鹿蛙、金襖子、
Buergeria buergeri)は、
両生綱無尾目アオガエル科カジカガエル属に分類されるカエル。
分布
形態
体長3.6-6.9cm。オスよりもメスの方が大型になり、オスは体長4cm前後。体は扁平。体色は灰褐色で、不規則な斑紋があり岩の上では保護色になる。体色の濃淡は、環境によりある程度変色させることができる。
四肢には吸盤が発達し、渓流沿いの岩等に貼り付く事ができる。後肢には水掻きが発達している。
幼生は最大全長5cm。口器は大きく吸盤状になり、急流で流されないように水中の岩に貼り付くことができる。
生態
山地の
渓流や
湖、
森林等に生息する。オスは水面に出た石の上等に
縄張りを持ち、繁殖期の4-8月になるとしきりに
メイティングコールをあげる。和名の「河鹿」はこの鳴き声が
雄鹿に似ていることが由来。鳴き声を聞くことはあっても、保護色のためか姿を見かけることは少ない(なお魚類の
カジカとこの河鹿が混合されることがあるが、魚類のカジカは鳴くことはない)。天敵としては
ヘビ、動物食の
鳥類や
哺乳類、
水生昆虫等が挙げられる。冬になると川辺の地面や石の下に潜り
冬眠する。
繁殖形態は卵生で、4-8月に渓流の石の下等に黒い球形の卵を数回に分けて産みつける。幼生は夏の終わりに変態し、幼体になる。
人間との関係
鳴き声が美しいことから
平安時代には
和歌の題材になったり(夏の
季語)、
江戸時代には専用の籠(河鹿籠)による飼育がされた。また美声で唄う者を「河鹿」と呼んで讃えることもあった。
現在は環境破壊により生息数は減少している。種としては指定されていないものの
岡山県真庭市の湯原カジカガエル生息地、
山口県岩国市の南桑カジカガエル生息地は国指定
天然記念物に指定されている。また
地方自治体指定の天然記念物とされていることもある。
現在は
カエルツボカビ症の問題もあるため、一度飼育した個体を野生へ戻してはいけない。
関連項目
参考文献
- 『原色ワイド図鑑3 動物』、学習研究社、1984年、129項
- 『爬虫類・両生類800図鑑 第3版』、ピーシーズ、2002年、309項
- 『小学館の図鑑NEO 両生・はちゅう類』、小学館、2004年、53項
- 海老沼剛『爬虫・両生類ビジュアルガイド カエル1』、誠文堂新光社、2004年、53項
外部リンク
出典:「フリー百科辞典ウィキペディア」(2009-01-01)