アミノ酸(-さん、Amino acid)とは、広義には(特に
化学の分野では)、
アミノ基と
カルボキシル基の両方の
官能基を持つ
有機化合物の総称である。一方、狭義には(特に
生化学の分野やその他より一般的な場合には)、生体の
タンパク質の構成ユニットとなる「α-アミノ酸」を指す。分子生物学など、生体分子をあつかう生命科学分野においては、遺伝暗号表に含まれるプロリン(
イミノ酸に分類される)を、便宜上アミノ酸に含めることが多い。
動物が体内で合成できないアミノ酸を、その種にとっての
必須アミノ酸と呼ぶ。必須アミノ酸は動物種によって異なる。
栄養素としてはもとより重要であるが、近年(2006年現在)はアミノ酸を含有する補助食品が消費者に一種の
健康ブームを引き起こしており、
健康食品、
飲料メーカーなどが盛んに新製品を出している。しかし一般的な食生活を送る日本人はタンパク質由来のアミノ酸を充分に摂取している場合が多く、特別な場合を除きさらなる摂取が有効かは議論がある。
構造
α-アミノ酸とはカルボキシル基が結合している
炭素(α炭素)にアミノ基も結合している
アミノ酸であり、RCH(NH
2)COOH という構造を持つ。R が水素 (H) であるグリシン以外のアミノ酸では、α 炭素へのアミノ基やカルボキシル基などの結合様式が立体的に2通り可能で、それぞれ D 型、L 型の
光学異性体として区別される。生体の
タンパク質は α-アミノ酸の
ポリマーであるが、基本的に L 型のものだけが構成成分となっている。 D 型は天然では細菌の細胞壁の構成成分や老化組織、ある種の神経細胞などに存在が見出されている。生体のタンパク質はほとんどの場合、R で表記した
側鎖の違いによる20種類のアミノ酸からなる。個々のアミノ酸はこの側鎖の性質によって、
親水性・
疎水性、
塩基性・
酸性などの性質が異なる。
タンパク質を構成するアミノ酸
一部の特殊なものを除き、タンパク質は20種類のアミノ酸が結合して作られている。これらのアミノ酸にはそれぞれアルファベット1文字または3文字からなる略号が付与されており、
一次構造の記述に使用される。
多くのタンパク質は上記の20種類のアミノ酸からなるが、ある種のタンパク質には
セレノシステイン、ピロリシンなどの特殊なものも含まれる。
上に挙げた22種類のアミノ酸は、タンパク質合成時に遺伝情報に基づいて連結される。また、上記のほかにタンパク質合成後に修飾を受けて作られるアミノ酸も存在する。例えば以下のようなものである。
タンパク質に含まれないアミノ酸として、以下のようなものも存在する(こうしたアミノ酸を総称して異常アミノ酸と呼ぶこともあるが、必ずしも適切な命名ではないという批判もある)。
その他のアミノ酸
天然に産する広義のアミノ酸の中には、旨み成分や、薬物として作用するもの、そして毒となるものがある。
アミノ酸の合成
ユーリー・ミラーの実験
現代の実用的アミノ酸合成
いわゆる異常アミノ酸の中にも重要な生理活性を持つものは数多く存在し、また医薬にもD体または非天然型のアミノ酸は数多く使われている。このためアミノ酸の合成(特に
不斉合成)は需要が高く、種々の方法が提案されている。
他にα-ハロカルボン酸とアミンの反応、グリシンのα位のアルキル化などによる方法も知られている。不斉合成に関しても様々な手法が提案されている(
ストレッカー反応の項目なども参照)。
工業的には、
微生物を用いたアミノ酸発酵によって大量に合成されている。人工的に突然変異させた微生物株を、炭素源となる
糖類や窒素源となる
硫酸アンモニウムと共に培養することで、安価に目的のアミノ酸が合成できる。
関連項目
あみのさん
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あみのさん