概要
同グループでは、主に中〜上級価格帯をカバーするブランドと位置づけられている。「クワトロ(quattro)」という名称の
四輪駆動システムを持ち、アルミボディなど、先進的な技術を用いる傾向がみられる。
ディーゼルエンジン(
TDI)を、環境対策上のガソリンエンジン車の代替と位置づけており、重点的に開発・宣伝を行っている。車種構成は、
FF車、およびそれをベースにした四輪駆動車がほとんどである。従来、車体デザインがおとなしいと評されていたが、最近は若者層をメインターゲットとし、デザイン的にもBMW、ベンツに引けを取らないよう押しの強いデザインを取り入れ、フロントマスクが睨み付ける様なデザインのモデルも増えてきた。内外装の精度や質感には定評があるが、品質に関しては消費者団体による信頼性評価でも業界平均程度に留まっている。(Annual Auto Issue,
コンシューマー・レポート; 2007)
エンブレム
「フォーシルバーリングス」と呼ばれる、4つの輪を組み合わせたもので、前身の自動車メーカー「
アウトウニオン」設立に参加した4社の自動車メーカー(下記参照)の団結を象徴するものである。
沿革
創業期
創業者はアウグスト・ホルヒ(
August Horch 、1868-1951年)。自動車史の黎明期に
ベンツ社で工場長を務めた後に独立、ホルヒ社を設立し、1901年から自動車生産を開始したが、当時としては高性能・高品質の自動車を送り出して名声を得る。
しかしアウグスト・ホルヒは、良質の車を作ることに拘って経営面への配慮を欠くきらいがあり、1909年には経営陣から追放を受けた。速やかに自力で別のホルヒ社を設立、自動車生産を開始したが、元のホルヒ社の抗議によって、同一社名・車名を使うことを差し止められる。
この結果、アウグスト・ホルヒは1910年に自社の社名・車名を「ホルヒ」から「アウディ」に変更。アウディとはラテン語の「聞く(Listen(英))」という意味で、ホルヒのドイツ語訳と同義である。
アウディは、2612cc(2.6L)4気筒のモデルからスタートし、3564cc(3.6L)、4680cc(4.7L)、5720cc(5.7L)となっていく。これらは人気を得、スポーツイベントでも活躍した。アウグスト・ホルヒは1920年にアウディを去る。初の6気筒モデルは1924年の4655cc(4.7L) だった。1928年、アウディは
DKWのオーナーだったイェルゲン・スカフテ・ラスムッセンに買収される。同年、ラスムッセンは米国の
リッケンバッカー自動車の生産設備を購入、この設備は1929年から生産された高級モデル、ツヴィッカウ(Audi Zwickau)とドレスデン(Audi Dresden)で使われ、またこれらにはリッケンバッカーのエンジンを搭載した。他に、プジョーからライセンスした4気筒エンジンを搭載したモデルも生産された。この時期のアウディ車は特殊なボディワークがなされた高級車だった。
アウトウニオン
アウトウニオンは、第二次世界大戦の戦禍とその敗戦後のソ連によるザクセンの工場接収という壊滅的なダメージから逃れ、西ドイツのインゴルシュタットを新天地として再出発した。部品やバイク、バンの生産を経て、「アウトウニオン」及び「DKW」ブランドで乗用車の生産を再開した。
1956年から
1964年までは
ダイムラー・ベンツの支配下にあり、1964年以降はフォルクスワーゲンの傘下となっている。
アウディの復活
その直後
1965年に「アウディ」ブランドの乗用車生産が再開され、前輪駆動の堅実な中級セダンを主軸とする形で80・super90・100などモデルのラインナップを広げた。
1969年には、ロータリーエンジンの開発で知られたNSU社を併合、アウディNSUアウトウニオン社となる。以降は80や100シリーズなどのヒット作を世に送り出しフォルクスワーゲン・グループの中〜上級クラスを担うブランドとして発展した。
1985年に社名をアウディ社に変更した。
1980年代には
四輪駆動システム「クワトロ」を開発、
WRCで大きな成功を収め、以後ラリーにおける4輪駆動車の優位性を決定的にした。
フォルクスワーゲン社のゴルフはアウディが開発を手がけた車である。
近年・今後のアウディ
- 技術分野ではクラッチを2つの構造としたセミオートマチックトランスミッションのDSG(アウディではS-トロニックと称している)を採用している。DSGはグループ企業のフォルクスワーゲンなどにも利用されているが、「今のところ、最も理想的なトランスミッション」と言われている。
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ランボルギーニ・ガヤルドの開発に技術などを提供している。
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R8
でル・マン24時間レースに挑戦し、好成績をおさめている。2006年はディーゼルエンジンを搭載したR10で出場し優勝。(2008年現在3連覇中)
- アウディモデルのグリルは、台形→ダブルグリル→シングルフレームグリルと進化してきており、「シングルフレームグリル」のラインアップが拡充してきている。2006年9月現在、シングルフレームグリルではないモデルは、A2のみである。
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2005年はクワトロ生誕25周年で、2月にクワトロ生誕25周年記念行事「クワトロナイト」が開催され、SUVコンセプトモデル「パイクスピーク・クワトロ」の市販版であるQ7を披露し、RS4が雪坂道を登るというパフォーマンスが披露された。
- 今後はボトムレンジを担うA1、A5、A7、ステッペンウルフの市販版でA3ベースのQ3、A4ベースのQ5などが2010年前後までにデビューするといわれており、2005年10月19日、東京モーターショーでのプレス・ブリーフィングでは、アウディAGのマルティン・ビンターコーン会長も、「これからの3年間で、さらに6つの新しいプロダクツを販売していく」と明言している。
車種一覧
現行モデル
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A3 - フォルクスワーゲン・ゴルフと同じく、エンジンを横置きとするハッチバックモデル。同車とコンポーネントの多くを共有する。TTと同様にDSG搭載モデルを用意する。ベース・グレードは3ドアのA3。日本では2005年7月、一部改良とともにグレードが追加され、オープンスカイルーフも全グレードにオプション設定された。
- A3(3DOOR)
- A3 Sportback(5DOOR)
- S3
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A4 - アウディ伝統の縦置きエンジン、フロントドライブを主体とした主力モデル。四輪駆動のクワトロ仕様をはじめとして、ステーションワゴンタイプのアバント、オープンタイプのカブリオレ、ハイパワーモデルのSなど多様なラインナップである。
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S4 - A4ベースのスポーツバージョン。Sシリーズの1つ。V8エンジン(344ps)搭載。
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RS4 - quattro社設計のスペシャルモデル。コスワースチューンによる420psのV8エンジンを搭載する。
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A5 - オリジナル・クワトロ以来の4シータークーペ。
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S5 - A5ベースのスポーツバージョン
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A6 - アッパーミドルクラスに属するモデル。日本人デザイナー・和田智によるスタイリング。中国市場ではホイールベースを拡大したA6Lというモデルが販売されている。
- A6
- A6 Avant (ステーションワゴン)
- allroad quattro - 旧A6アバントの派生SUV。クワトロと呼ばれる四輪駆動車である。任意に車高を調整することが出来る。
- A6 allroad quattro - 現行A6アバントベースのオールロードクワトロ
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S6 - A6のハイパフォーマンスモデル。5.2L V10 FSIエンジンを搭載する。
- RS6 -S6のハイパフォーマンスモデル
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A8 - フラッグシップモデル。VW製W12気筒エンジンのLWBモデルもある。オールアルミボディ。
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S8 - V10 5.2L FSIエンジンを搭載した、Sシリーズのフラッグシップモデル。
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TT - スペシャリティモデル。初代A3・VWゴルフIVがベース。初代モデルでは、独特のデザインと走行中の転倒問題が話題となった。A3と同様にDSG搭載モデルを用意する。日本導入当初はMTモデルのみであったが、年を追う毎にATモデルと入れ替わっていった。2006年10月 日本においてもシングルフレームデザインの新型TTが導入された。
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Q7 - パイクスピーク クワトロ・コンセプトの市販版。VWトゥアレグ、ポルシェ・カイエンとシャシーを共有する。日本人デザイナー・ワダサトシによるデザイン。
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R8 - ルマン・クワトロの生産型スポーツカー。ランボルギーニ・ガヤルドとスペースフレームなどのパーツを共有する。
かつてのモデル(戦前除く)
コンセプトカー
ここ数年はモーターショーに出品するコンセプトカーは殆どquattroが搭載されている。
- アウディStudie Auto 2000(1981年)
- アウディquattro Spyder(1991年)
- アウディAvus quattro(1991年)
- アウディSteppenwolf(2000年)
- アウディRosemeyer(2001年)
- アウディAvantissimo(2001年)
- アウディNuvolari quattro(2003年)
- アウディPikes Peak quattro(2003年)
- アウディLeMans quattro(2003年)
- アウディRSQ(2004年)
- アウディallroad quattro concept(2005年)
- アウディQ7 hybrid concept(2005年)
- アウディShooting brake concept(2005年)
- アウディRoadjet concept(2006年)
発明
テクノロジー
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S tronic - S トロニック
- フォルクスワーゲンではDSG(ダイレクトシフトギアボックス)と呼ばれているツイン・クラッチ式トランスミッションで、もともとはアウディS1などのラリーカーからフィードバックされた技術。過去にポルシェがレース(Cカー)で使用していたものがルーツであるという話もある。
- シフトチェンジをすべて電子制御化、バイワイヤー化されたATセレクターとスロットルを連動させることにより、シフトアップ&ダウンに要する時間は、わずか0.3秒。もっとも難しいとされる6速から2速へのシフトダウンも0.9秒で行う。
- quattro - クアトロシステム
- センターデフにトルセンデフを搭載し電気的に4輪を駆動させるのではなく、機械的に路面状態を認識し四輪に動力を配分する。最近S(RSモデル含む)モデルでは、通常走行時40
- FSI - ガソリンダイレクトインジェクションシステム(Fuel Stratified Injection)
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ガソリン直噴エンジンで、燃焼室に直接ガソリンを噴射し、少ない燃料を無駄なくパワーに変え燃費をよくさせる技術。
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TDI - TDIテクノロジー
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ターボチャージャーが装着されたディーゼル直噴エンジンで、高出力ハイパワーと省燃費とを両立した技術。2006年からルマン24時間耐久レースの参加車両にも採用され、2年連続して優勝を成し遂げている。
- ASF - アウディスペースフレーム
- シャーシをアルミで合成し、車体を軽く、かつ剛性を高めた。世界ではじめて量産車に採用した。
- Audi Magnetic Ride - アウディマグネティックライド
- 磁性流体で作動するアダプティブシステムにより、走行状況とドライバーのドライビングスタイルに応じてロールの安定化を行い、乗り心地の良さとダイナミックな走りを同時に実現する。
日本での販売
1967年に
ヤナセがアウディLを輸入したことから始まる。以来1992年末まで
ヤナセにより輸入・販売された。
1998年アウディ部門が独AUDI AGが100%出資する「アウディジャパン」として分離し(現社長 ドミニク・ベッシュ)、アウディ販売網の再構築した。
さらに
2007年にはヤナセとの共同出資で作ったディーラー「ヤナセアウディ販売」をアウディジャパン側が全部買収し、「
アウディジャパン販売」としてメーカー直販体制を作った。
2006年の新規登録台数は15,018台であり、前年比減少であった(
日本自動車輸入組合)。
宣伝・広報活動
日本
- 1987年より毎年夏に箱根 彫刻の森美術館で開催される招待制のイベント「Audi MUSIC meets ART」(TOKYO FMが主催) に協賛している。2007年4月からは同名のラジオ番組が同局系列でスタートした。
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ちあきなおみの「星影の小径」が日本国内でCMソングに使われた。
その他
多様なニーズに応えるオーダーメイドプログラムとして「Audi exclusive」がある。11色のレザー、8色の
アルカンタラ、9種類のカーペット、7種類のウッド、2種類のインタルシアウッドから成るインテリアのみならず、アルミホイールやオフィスパーツ、また、スペシャルボディーカラーの選択も可能な「自分だけの」アウディを創るプログラムである。
欧州市場では長らくBMWの後塵を拝していた為、「BMWの影法師]と称された。
外部リンク