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2018-08-20 14:46:00

沖縄タイムス社

全国的流行にびっくり! 熱唱した元球児と作詞者が語る、高校野球・話題の応援曲「ダイナミック琉球」

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全国的流行にびっくり! 熱唱した元球児と作詞者が語る、高校野球・話題の応援曲「ダイナミック琉球」

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写真を拡大 スタンドで応援する仙台育英高時代の前武當大斗さん=2017年夏(本人提供)
 100回の節目を迎えた全国高校野球選手権大会で、複数の高校が応援に県産ソング「ダイナミック琉球」を取り入れている。もともと、沖縄県内の高校スポーツの応援に使われていたが、全国的な注目を集めたのは昨年夏。那覇市出身の仙台育英(宮城県)の選手が、甲子園のアルプスで独唱する姿が動画サイトにアップされるなどして、人気に火が付いた。(小笠原大介東京通信員、社会部・大門雅子) 「海よ 祈りの海よ 波の声響く空よ」。平田大一さん作詞、イクマあきらさん作曲のダイナミック琉球は、こんなフレーズで始まる。応援で使う場合、アカペラでソロを聴かせて合唱へとなだれ込むパターンが多い。壮大な歌詞とダイナミックな構成が受けて、ここ数年、会員制交流サイト(SNS)などで応援動画が拡散されている。

 那覇市立石田中学校から高校野球の強豪・仙台育英に進んだ前武當大斗(まえんとう・ひろと)さん(19)=現・城西国際大1年=は1年前、甲子園で独唱を響かせた。

 「沖縄の歌だからお前が歌えと周りに言われて、何度も動画を見て練習した。最後の夏はベンチに入れなかったけど応援で貢献できたと思う」と振り返る。

 今夏は大阪桐蔭や沖学園(福岡)などが同曲を採用し、聖地の熱戦を後押ししている。

 2010年に甲子園春夏連覇した興南メンバーでアマチュア野球の応援歌に詳しい福元信太さん(25)は、現在の傾向について「SNSで一気に火が付く。ひと昔前は、九州大会で見た応援を沖縄の高校が県内に持ち帰って広まることもあったが、今は全国に浸透するのがものすごく速い」とみる。

 高校時代、選手の特徴に合わせて選曲をし、応援団を率いた福元さん。「応援歌はグラウンドの選手やベンチに入れなかった部員らをつなぎ、一体感を生む。野球には流れがあり、それを引き寄せる力が応援歌にはある」と魅力を語った。 

「引っ込み思案の性格、変えてくれた」

 応援歌として全国区の人気を得た「ダイナミック琉球」。昨夏の甲子園での独唱で話題になった前武當大斗(まえんとう・ひろと)さん(19)は「人前で何かをするという経験が自信になった。引っ込み思案だった性格を変えてくれた」と、注目される幸せをくれた曲に感謝する。
写真を拡大 城西国際大で野球を続ける前武當大斗さん。「神宮など全国大会で投げたい」と目標を語る=15日、千葉県・水田記念球場
 前武當さんがダイナミック琉球と出合ったのは仙台育英高3年の夏。高校野球の宮城県大会の登録メンバーから外れ、気持ちを切り替えて打撃投手や応援の太鼓係を買って出た。新しい応援を考える中、目に留まったのはバスケットボールの応援動画。「沖縄の女子が1人で歌っていた。声が響くし、大勢の前で歌う度胸もすごかった」 もともと、人前に出るのが苦手だった。県大会準決勝の会場は、プロ野球楽天本拠地。多くの観客を前に吐き気がするくらい緊張した。震える声で歌ったソロパート。さびの部分で周囲から「おおーっ」と反応があった時は鳥肌が立った。

 高いレベルで野球がしたいと強豪校の門をたたき、冬場は氷点下に冷え込む仙台で苦楽を体験した3年間。2年の秋に背番号1をもらったが、地区大会で先発した全試合で点を取られるなど、野球では思うような結果を残せなかった。

 ダイナミック琉球は、エースの第1打席でのみ使うのがチームの約束事。1試合で1回の独唱に「同じ投手で練習も一緒だった仲間のために気持ちを込めた」。

 歌詞の「島の太鼓(てーく)ぬ響き」を「杜の都の響き」と仙台バージョンに変え、県大会から甲子園の準々決勝まで計8回ほど歌った。反響の大きさに「歌でこれほど注目されると思わなかった。いろんなところに広まって素直にうれしい」と語る。

 千葉の城西国際大に進み、野球を続けている。高校では成し遂げられなかった全国大会のマウンドで投げるのが目標だ。

 「その時は自分の打席でダイナミック琉球を聞いてみたい」。どんなふうに聞こえるのだろうか。楽しみにしながら白球を追っている。(小笠原大介東京通信員、社会部・大門雅子) 

作詞・平田太一さんに聞く 独唱のこつは?

 ダイナミック琉球を作詞した南島詩人の平田大一さん(49)は「応援団が合唱で歌うのは想定外だった。新たな伝統をつくろうと魂を込めた作品が、これほど愛されているのは幸せなこと」と喜ぶ。
「ダイナミック琉球」を作詞した平田大一さん
 もともとは2008年に琉球大学土木工学科50周年事業の現代版組踊絵巻「琉球ルネッサンス」のために、作曲のイクマあきらさんと共に完成させた楽曲。いにしえの琉球人が海を渡り、さまざまな国と交易して沖縄の礎をつくったように、ダイナミックな生きざまに挑む現代の島人をイメージしたという。

 その後、平田さんが手掛ける現代版組踊の劇中歌や、創作エイサー曲として県内で認知度が高まった。数年前から高校スポーツの応援歌に取り入れられ、今ではプロ野球選手のテーマ曲にもなっている。

 平田さんは昨夏の仙台育英高の甲子園応援をネットで見た。歌詞の一部が仙台風になっていたことに「自分たち流にアレンジしてチームを応援している。かっこいい」と思った。

 人気の理由は「ストレートな歌詞やダイナミック感が共感を呼んでいるのでは」と推察。独唱のこつについて「海を望む岸壁に立って水平線に向かって歌うようイメージすると気持ちいい。出だしは祈りのシーンなので、あまりこぶしを入れないで素直に歌った方が心に響く」と助言した。

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