台風７号の影響で、世界遺産に登録されている「今帰仁（なきじん）城跡」の主郭東側城壁の石垣が崩落しているのが３日までに、分かった。

　沖縄県今帰仁村教育委員会によると、２日に台風７号の被害状況を確認するため付近をパトロールしていた役場職員が崩落しているのを発見し、村歴史文化センターに通報。石垣は１日午後７時から２日未明にかけて、幅約９・７メートル、高さ約６・４メートルに渡って崩落した。人的被害はなかった。今帰仁村役場が計測した降水量によると、２日は６７ミリだった。

　崩落した石垣は、２００２〜０４年に修理事業で整備されていた。同委員会社会教育課の玉城靖文化財係長は「これまでに台風で崩落したところもあるが、今回の台風でここまで大きく崩落するとは思わなかった」と話した。付近は、観光客らが近づかないよう、ロープが張られている。

　同教育委員会は、国や県に毀損きそん届を提出する。県文化財課や文化庁と調整し、災害復旧事業を活用して修復していくことを検討している。