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天女の羽衣
森の川
むかし、今の宜野湾市に奥間という若者がいた。
奥間は、毎日畑仕事がおわると、
森の川という綺麗な泉で体を洗ったり、
クワやカマなどを洗っていたって。
ある日、奥間がいつものように森の川に行くと、
綺麗な女の人が水あびをしていて、
近くの木の枝には、見たこともないような着物がかけてあった。
あまりの美しさに奥間は、その着物をそっと取ると家に持って帰って、
蔵の中に隠してしまった。
羽衣
そして、知らんふりをして森の川にもどると、
着物をなくして困っている女の人に、
「どうしたんですか?」
と声をかけた。すると女の人は、
「この木の枝にかけておいた私の着物がなくなっているのです」
「それなら、私の家はすぐ近くにあるから一緒に行きましょう。
着物を貸してあげますよ」
と言って、女の人を家に連れて帰って着物を貸してあげたって。
実は、この女の人は天女だったのです。
着物のように見えたのは、天女の羽衣で、
それがなければ天に帰ることができません。
羽衣をなくして帰ることができなくなった天女は、
奥間と結婚することにしました。
しばらくすると二人の間には、男の子と女の子が生まれました。
子守り歌
何年か経ったある日、天女が家の中にいると庭の方で、
泣いている弟のために姉が子守り歌をうたうのが聞こえてきました。
その子守り歌で、なくしたはずの羽衣が、
蔵の中に隠されていることを知った天女は、
「行かないでー、お母さん!」
と泣いてお願いする子供たちに心を残しながらも、
天女の羽衣を着て、天に帰っていったんだって。
二人の子どものうち、女の子は按司(あじ)の奥さんになり、
男の子は察度(さっと)という立派な琉球国の王様になったってさ。
奥間や天女が水あびをした森の川は今でも宜野湾市にのこっているよ。
「宜野湾市真志喜 森川(ムイヌカー)」
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匿名
以前から天女の羽衣伝説を知りたいと思っていたので、参考になりました。
その小話と合わせて、シルミチュー、アマミチューを掛け合わせた演劇ができないか模索中なんです。
2013/05/31 10:41:49